手技療法の基本は握手であるということ。
いかがでしょう、共感していただけるものだったでしょうか。
ところで私はこれまで、「押す」「引く」「まわす」が基本だとしたり、目標を持って触れるのが触診の基本だとしてきました。
あちらこちらでさまざまな基本をお話してきたので、ごっちゃになってしまうかもしれません。
ここで整理しておきましょう。
手技療法をひとつの「木」にたとえます。
このイラスト(もどき?)には表されていませんが、木が育つためには土や水、日光や空気など必要な周囲の環境があります。
まず「触れる・感じる・動かす」には土が当てはまるでしょう。
手技療法は、私たちが日常で使っているこれらの感覚や行動から成り立っているからです。
そして水や日光、空気は、「学ぶ」「考える」「練習する」ということになるでしょうか。
手技療法は実践ですから、頭と身体を動かさないと身につきません。
以上のことは手技療法に限らず、あらゆる技能の習得にいえることですね。
さて、ここから手技療法について、まず「根」です。
根は土(触れる、感じる、動かすという日常)の中にあって地上に出ていないので、なかなか目立つことはありません。
でも根は、幹や枝葉など木全体を養っています。
根がダメになった木は枯れてしまいます。
この根が、今回のシリーズでお伝えしてきた「握手」になります。
握手の「力の加え方」「相手の感じ方」「心構え」、そしてこれらをひとつにまとめた「一体感」が、手技療法の土台になると私は考えています。
根は、枝葉のように分かれていきますが、ひとつひとつはっきり分かれていくというよりも、土と一体になるかのようにだんだんわからなくなっていきます。
シリーズのはじめに、基本はやさしいようで難しい、難しいようでやさしいとお話ししました。
これが私の実感なのですが、そのような訳のわからないことを書いたのは、もしかすると、だんだんわからなくなるという「根」の性質にあるのかもしれませんね。
曰く言い難し、というものでしょうか。
でもそれでは伝わりませんので、あの手この手の表現で理解していただこうとして、脳ミソを絞ってお話ししてきました。
握手は私たちの日常の、ごくありふれた当たり前のものです。
ただ、それを技術として磨きをかけていくのがたいへんなわけです。
茶道を創始した千利休も、このような言葉を遺しています。
「当たり前のことが、いつでもどこでもできるならば、私があなた方の弟子になりましょう。」
人間と人間とが握手をする、ふれあうということ。
私は一生のテーマだと思っています。
ところで「怖がる患者さんとの思い出 その6」で書きました、患者さんに「あの先生の触り方はキライ」と言われるのは、きちんと握手ができていないからだろうと思います。
(もちろん、生理的に合わないというどうしようもない問題もありますが…)
握手やペットを抱き上げるときの触れ方ではなく、物をつかんでいるような触れ方になっている。
筋肉や関節を調べることに意識が行き過ぎて、探ろうという気持ちが前面に出てしまい、患者さんに違和感を持たせてしまっている。
対等な関係で関わろうという感じがしない、雑で荒っぽく、患者の状態を無視した横柄な触れ方になっている。
以上のいずれかの結果、患者さんにとって「やさしい手」になっていないのではないでしょうか。
つづいて木の「幹」です。
手技療法の寺子屋セミナーのお知らせ
「手技療法の基本から学ぶ 腰下肢痛への徒手的アプローチ(腰部・腹部)」
腰下肢痛を訴える患者の腰部に、画像上で椎間板ヘルニア・分離すべり症・脊柱管狭窄症などの所見が認められたとしても、腰下肢痛をもたらしている原因が軟部組織の機能的な異常によることも少なくありません。
本セミナーでは、「腰部・腹部」と「骨盤・股関節」の機能的異常を発見するための評価をはじめ、その機能を改善させる上で有効な、マニュアルセラピーによるアプローチの技法を基本から、かつ明日からの臨床でお役立ていただけるように実技中心でご紹介いたします。
使用するテクニックは、筋膜リリースやASTR、関節モビライゼーション、筋肉エネルギーテクニックなどを予定しています。
興味をお持ちの方、どうぞご参加下さい。
今回は「腰部・腹部」へのアプローチです。とくに腹部は動的安定性獲得のためのエクササイズが重視されていますが、不良姿勢に伴う短縮の改善にはあまり関心が払われません(とくに腹斜筋)。セミナーでは腹筋群の局所的な短縮の改善に有効なASTRなどもご紹介します。
開催日時 12年12月02日(日) 15:00~20:10
受講費用 10,000円
詳細につきましては、弊院サイトをご覧ください。
http://www.k5.dion.ne.jp/~kmmo/terakoya.html
どうぞよろしくお願い申し上げます。
今のところまじめに更新中!
手技療法の寺子屋ブログ読者の方の友達リクエスト、歓迎します!!
「手技療法の寺子屋ブログ」が電子書籍になりました(ver.2)。
私が大切にしている手技療法の基本を書き綴っています。
PC・タブレット・スマートフォンにも対応しています。
試し読みもできますので、下記をクリックしどうぞご覧ください。
電子書籍の本屋さん「Dopub」
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ところで私はこれまで、「押す」「引く」「まわす」が基本だとしたり、目標を持って触れるのが触診の基本だとしてきました。
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ここで整理しておきましょう。
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このイラスト(もどき?)には表されていませんが、木が育つためには土や水、日光や空気など必要な周囲の環境があります。
まず「触れる・感じる・動かす」には土が当てはまるでしょう。
手技療法は、私たちが日常で使っているこれらの感覚や行動から成り立っているからです。
そして水や日光、空気は、「学ぶ」「考える」「練習する」ということになるでしょうか。
手技療法は実践ですから、頭と身体を動かさないと身につきません。
以上のことは手技療法に限らず、あらゆる技能の習得にいえることですね。
さて、ここから手技療法について、まず「根」です。
根は土(触れる、感じる、動かすという日常)の中にあって地上に出ていないので、なかなか目立つことはありません。
でも根は、幹や枝葉など木全体を養っています。
根がダメになった木は枯れてしまいます。
この根が、今回のシリーズでお伝えしてきた「握手」になります。
握手の「力の加え方」「相手の感じ方」「心構え」、そしてこれらをひとつにまとめた「一体感」が、手技療法の土台になると私は考えています。
根は、枝葉のように分かれていきますが、ひとつひとつはっきり分かれていくというよりも、土と一体になるかのようにだんだんわからなくなっていきます。
シリーズのはじめに、基本はやさしいようで難しい、難しいようでやさしいとお話ししました。
これが私の実感なのですが、そのような訳のわからないことを書いたのは、もしかすると、だんだんわからなくなるという「根」の性質にあるのかもしれませんね。
曰く言い難し、というものでしょうか。
でもそれでは伝わりませんので、あの手この手の表現で理解していただこうとして、脳ミソを絞ってお話ししてきました。
握手は私たちの日常の、ごくありふれた当たり前のものです。
ただ、それを技術として磨きをかけていくのがたいへんなわけです。
茶道を創始した千利休も、このような言葉を遺しています。
「当たり前のことが、いつでもどこでもできるならば、私があなた方の弟子になりましょう。」
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私は一生のテーマだと思っています。
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(もちろん、生理的に合わないというどうしようもない問題もありますが…)
握手やペットを抱き上げるときの触れ方ではなく、物をつかんでいるような触れ方になっている。
筋肉や関節を調べることに意識が行き過ぎて、探ろうという気持ちが前面に出てしまい、患者さんに違和感を持たせてしまっている。
対等な関係で関わろうという感じがしない、雑で荒っぽく、患者の状態を無視した横柄な触れ方になっている。
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開催日時 12年12月02日(日) 15:00~20:10
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