前回は、CRIに同調したらその動きを誇張するアプローチを練習しました。
今回は持続的に伸張するテクニックを、前頭骨と頭頂骨で紹介します。
いずれも骨を持ち上げるように操作するので、前頭骨リフト・頭頂骨リフトと呼ばれています。
まずは前頭骨リフトから。
仰臥位で、両四指で前頭骨外側をおおうように軽く触れます。
リフトアップするからといって急に持ち上げようとせず、しばらく手を頭に馴染ませるようにしてCRIに同調させます。
手が前頭骨にフィットしたような感覚が得られたら、人差し指で内方へごく軽く圧を加えます。
そのまま前頭骨を持ち上げるようなイメージで、天井方向へごくわずかに引き上げます。
ほんのごくわずか、皮一枚持ち上げるようなイメージでよいでしょう。
リフトアップする時は手や指の力で行うのではなく、肘を天井方向へ出すように、つまり肩甲骨を動かして体幹寄りの大きな筋肉を用いて操作します。
「小さな操作は大きな動作で」ですね。
しつこいですが、大切なことなので何度もお話しします。
わずかながらでも持ち上げていると、前頭部がビヨ~ンと伸びていくような感覚を覚えるかもしれません。
頭の中のどのあたりが伸びているのか、よく感じ取るようにしてみてください。
テキストでは大脳鎌など頭蓋内のどこが、などと書かれていることがありますが、ここでは自分で体験している感覚を味わいましょう。
伸びている感覚が少なくなって来たら、ゆっくり手を戻してCRIを再評価します。
練習を終えてから、その感覚を持った位置が解剖学的に何であったのか調べてみてください。
このように感覚をつかんで意味を知るという流れも、とても勉強になります。
続いて頭頂骨リフト。
側頭部の頭方に四指の指紋部でコンタクトして、CRIに同調して評価しながら手に馴染ませ、そのまま頭方へ皮一枚のイメージで持ち上げます。
ここでも手先ではなく、肩甲骨を挙上させるようにして操作します。
頭の中のどこが伸びているか感じ取りましょう。
先ほどの前頭骨リフトの場合とは異なるはずです。
伸びている感覚が少なくなって来たら、ゆっくり手を戻してCRIを再評価します。
頭をはじめ、身体の感じる印象はいかがでしょうか?
ところで、これまでCRIは5gごく軽くふれるとわかるとお話してきました。
多くのテキストにもそのように書かれています。
でも慣れてくると、通常の圧迫をしている時でもわかるようになります。
ごく軽く触れないとわからないというのも、一種の固定観念なのかもしれません。
ただ、それには身体の力を使って楽に操作できる必要があります。
すべての手技療法に共通する基本ですね。
このシリーズでは、CRIの触診についてその練習法をご紹介してきました。
頭蓋仙骨療法のような細やかなテクニックは、セラピストにとっても向き不向きや、あるいは好みの分かれるものかもしれません。
結果的に合わないならそれでよいのですが、手技療法をしっかり学ぼうとしている方は、自分自身の幅を広げる意味でも一度は触れてみてよいのではないかと思います。
私も臨床で頭蓋仙骨療法を使う頻度は、そんなに高くはありません。
それはいくら練習をしても、得意な人ほどに結果を出せなかったという、自分とテクニックとの相性もあるかもしれません。
もしくは、受けていてわかりやすい臨床を目指しているという、個人的スタンスが理由になっているからかもしれません。
頭蓋仙骨療法は受けている人の感覚が鋭いとわかるのですが、そうでない方にとっては何をされているのかわからないということも少なくありませんから。
白状すると、頭蓋仙骨療法をやっていると私自身がどうしようもなく眠たくなるという個人的な欠点もあります。
これがいちばん大きい理由かもしれません。
でも、頭蓋仙骨療法が非常に役に立ったケースもいくつか経験してきましたし、何よりCRIを感じる練習をしてきたことは、触診力そのものを鍛えることにとても役立っています。
このシリーズのはじめにお話ししましたが、今でも夜布団に入った時は頭に触れながらそのまま寝ていることがあり、このような練習はずっと続けていくと思います。
あっ、もしかしたらこの練習のせいで、臨床でもすぐに眠たくなるのかも!!
≪シリーズ完:次回は2月6日更新です≫
今回は持続的に伸張するテクニックを、前頭骨と頭頂骨で紹介します。
いずれも骨を持ち上げるように操作するので、前頭骨リフト・頭頂骨リフトと呼ばれています。
まずは前頭骨リフトから。
仰臥位で、両四指で前頭骨外側をおおうように軽く触れます。
リフトアップするからといって急に持ち上げようとせず、しばらく手を頭に馴染ませるようにしてCRIに同調させます。
手が前頭骨にフィットしたような感覚が得られたら、人差し指で内方へごく軽く圧を加えます。
そのまま前頭骨を持ち上げるようなイメージで、天井方向へごくわずかに引き上げます。
ほんのごくわずか、皮一枚持ち上げるようなイメージでよいでしょう。
リフトアップする時は手や指の力で行うのではなく、肘を天井方向へ出すように、つまり肩甲骨を動かして体幹寄りの大きな筋肉を用いて操作します。
「小さな操作は大きな動作で」ですね。
しつこいですが、大切なことなので何度もお話しします。
わずかながらでも持ち上げていると、前頭部がビヨ~ンと伸びていくような感覚を覚えるかもしれません。
頭の中のどのあたりが伸びているのか、よく感じ取るようにしてみてください。
テキストでは大脳鎌など頭蓋内のどこが、などと書かれていることがありますが、ここでは自分で体験している感覚を味わいましょう。
伸びている感覚が少なくなって来たら、ゆっくり手を戻してCRIを再評価します。
練習を終えてから、その感覚を持った位置が解剖学的に何であったのか調べてみてください。
このように感覚をつかんで意味を知るという流れも、とても勉強になります。
続いて頭頂骨リフト。
側頭部の頭方に四指の指紋部でコンタクトして、CRIに同調して評価しながら手に馴染ませ、そのまま頭方へ皮一枚のイメージで持ち上げます。
ここでも手先ではなく、肩甲骨を挙上させるようにして操作します。
頭の中のどこが伸びているか感じ取りましょう。
先ほどの前頭骨リフトの場合とは異なるはずです。
伸びている感覚が少なくなって来たら、ゆっくり手を戻してCRIを再評価します。
頭をはじめ、身体の感じる印象はいかがでしょうか?
ところで、これまでCRIは5gごく軽くふれるとわかるとお話してきました。
多くのテキストにもそのように書かれています。
でも慣れてくると、通常の圧迫をしている時でもわかるようになります。
ごく軽く触れないとわからないというのも、一種の固定観念なのかもしれません。
ただ、それには身体の力を使って楽に操作できる必要があります。
すべての手技療法に共通する基本ですね。
このシリーズでは、CRIの触診についてその練習法をご紹介してきました。
頭蓋仙骨療法のような細やかなテクニックは、セラピストにとっても向き不向きや、あるいは好みの分かれるものかもしれません。
結果的に合わないならそれでよいのですが、手技療法をしっかり学ぼうとしている方は、自分自身の幅を広げる意味でも一度は触れてみてよいのではないかと思います。
私も臨床で頭蓋仙骨療法を使う頻度は、そんなに高くはありません。
それはいくら練習をしても、得意な人ほどに結果を出せなかったという、自分とテクニックとの相性もあるかもしれません。
もしくは、受けていてわかりやすい臨床を目指しているという、個人的スタンスが理由になっているからかもしれません。
頭蓋仙骨療法は受けている人の感覚が鋭いとわかるのですが、そうでない方にとっては何をされているのかわからないということも少なくありませんから。
白状すると、頭蓋仙骨療法をやっていると私自身がどうしようもなく眠たくなるという個人的な欠点もあります。
これがいちばん大きい理由かもしれません。
でも、頭蓋仙骨療法が非常に役に立ったケースもいくつか経験してきましたし、何よりCRIを感じる練習をしてきたことは、触診力そのものを鍛えることにとても役立っています。
このシリーズのはじめにお話ししましたが、今でも夜布団に入った時は頭に触れながらそのまま寝ていることがあり、このような練習はずっと続けていくと思います。
あっ、もしかしたらこの練習のせいで、臨床でもすぐに眠たくなるのかも!!
≪シリーズ完:次回は2月6日更新です≫
あらゆる手技は根っ子の部分は同じということを体験出来ました。
ちなみに、布団に入って練習すると条件反射なのか最近はいつの間にか眠ってしまいます
お役に立てて嬉しいです
根っこが同じと思えば、学ぶ上でもある意味楽になるところがあると思います。
寝つきがいいのは良いことですが、練習にならないのが困ったものですね