「すみません、まだ下手なので迷惑をかけてしまって」
セミナーが終わると、会場からこのような声が聞こえてくることが今まで何度かありました。
パートナーだった方にペコリと頭を下げ、気を使われているようです。
これも、人間関係の潤滑剤として理解はできるのですが、セミナーではそんな気遣いは無用。
「ありがとうございました
」「お疲れ様でした
」と気持ちよく挨拶すれば、それでいいのです。
下手だということを気にされているようですが、上手ならそもそもセミナーに来る必要もありません。
誰だってスタートは初心者から。
みんなはじめは赤ちゃんから。
寝返り、起き上がり、ハイハイから始まります。
生まれてきて、いきなり歩き出す人はお釈迦さんくらいでしょう。
そもそも、初心者から学べない人は経験者とはいえません。
ペアを組んだ初心者の、動きのぎこちなさや不自然さをみることは、動作分析そのもの。
それに基づいて、修正が必要なところをアドバイスすることが勉強になります。
はじめはテクニックの型をそのまま、教わったことをそのまま伝えることしかできないでしょう。
でも経験を重ねるにつれ、ペアを組んでいる人が、今いる位置よりもう一歩、二歩前進するためには、どの部分から修正を加えていくのがよいのか考えられるようになります。
いかにオーダーメイドのアドバイスができるかが勝負。
このプロセスは臨床そのものです。
これが勉強にならないはずはありません。
そういえば私がセミナーに参加したとき、「俺と組んだ相手が下手で参ったよ
」などと仲間にこぼしている人がいました。
話を聞いていると、自分がされたことばかりに気が行って、相手のことをよくみていません。
そのようなことでは洞察力も鍛えられないでしょう。
下手なら下手で、どこが下手で、具体的にどのようにすれば改善できるのか。
そこまで考えなければ、せっかくの機会がもったいない。
それを考えることで、自分の動きも振り返ることができ、さらにスキルアップすることができます。
良きにつけ悪きにつけ、体験したことを味わい尽くさないともったいない。
そうですよね!経験者のみなさん。
というわけですから初心者の方も安心して、ドンの経験者の胸を借りるつもりで組んで練習しましょう。
ただ、初心者の方に注意していただきたいことがあります。
先ほど赤ちゃんのたとえを使いましたが、中には寝返り、起き上がり、ハイハイを飛ばしていきなり立ち上がろうとする人がいます。
小手先のかたちに囚われ、複雑な形のテクニックを早く身につけようとするのですね。
複雑なかたちのほうが、なんだか上等そうな、そんな錯覚を持ってしまっているのかもしれません。
積極的な向上心は大切ですが、焦りは禁物です。
赤ちゃんをあまりに早く立たせることは、発達上好ましくないという意見もあると聞きます。
昔の人は経験的にそれを知っていたのか、早く立とうとする子どもには米を背中に背負わせて重しをつけ、立たないようにしていたそうです。
ハイハイする時期には、しっかりハイハイして手足や体幹を鍛えておく。
これが大切なのでしょうね。
このハイハイというのが基本に当たります。
初心者の方はしっかりハイハイして基本を反復練習し、身体に染み込ませましょう。
そうしておけば、その後の成長もよりスムーズです。
複雑そうにみえるテクニックも、シンプルな基本の組み合わせに過ぎません。
基本を染み込ませることは、これから訪れるイレギュラーな状況にも対応できる応用力を身につけるための布石にもなります。
最後に私を含め、初心者・経験者の方、いずれも肝に銘じておきたいこと。
それは、セミナーに参加したことだけで満足しないということです。
セミナーに参加しただけで、あるいは修了証をもらっただけで、すっかり酔ってしまう方も中にはいます。
一日野球教室に参加し、記念品をもらっただけで、野球ができるようになったと思っている人がいたら、みなさんどのように思われるでしょうか?
セミナーを受け終えてからどうするか。
そこからが本当の勝負だと思います。

セミナーが終わると、会場からこのような声が聞こえてくることが今まで何度かありました。
パートナーだった方にペコリと頭を下げ、気を使われているようです。
これも、人間関係の潤滑剤として理解はできるのですが、セミナーではそんな気遣いは無用。

「ありがとうございました


下手だということを気にされているようですが、上手ならそもそもセミナーに来る必要もありません。
誰だってスタートは初心者から。
みんなはじめは赤ちゃんから。

寝返り、起き上がり、ハイハイから始まります。
生まれてきて、いきなり歩き出す人はお釈迦さんくらいでしょう。
そもそも、初心者から学べない人は経験者とはいえません。
ペアを組んだ初心者の、動きのぎこちなさや不自然さをみることは、動作分析そのもの。
それに基づいて、修正が必要なところをアドバイスすることが勉強になります。
はじめはテクニックの型をそのまま、教わったことをそのまま伝えることしかできないでしょう。
でも経験を重ねるにつれ、ペアを組んでいる人が、今いる位置よりもう一歩、二歩前進するためには、どの部分から修正を加えていくのがよいのか考えられるようになります。

いかにオーダーメイドのアドバイスができるかが勝負。
このプロセスは臨床そのものです。
これが勉強にならないはずはありません。
そういえば私がセミナーに参加したとき、「俺と組んだ相手が下手で参ったよ

話を聞いていると、自分がされたことばかりに気が行って、相手のことをよくみていません。
そのようなことでは洞察力も鍛えられないでしょう。

下手なら下手で、どこが下手で、具体的にどのようにすれば改善できるのか。
そこまで考えなければ、せっかくの機会がもったいない。
それを考えることで、自分の動きも振り返ることができ、さらにスキルアップすることができます。
良きにつけ悪きにつけ、体験したことを味わい尽くさないともったいない。
そうですよね!経験者のみなさん。

というわけですから初心者の方も安心して、ドンの経験者の胸を借りるつもりで組んで練習しましょう。
ただ、初心者の方に注意していただきたいことがあります。

先ほど赤ちゃんのたとえを使いましたが、中には寝返り、起き上がり、ハイハイを飛ばしていきなり立ち上がろうとする人がいます。
小手先のかたちに囚われ、複雑な形のテクニックを早く身につけようとするのですね。
複雑なかたちのほうが、なんだか上等そうな、そんな錯覚を持ってしまっているのかもしれません。
積極的な向上心は大切ですが、焦りは禁物です。
赤ちゃんをあまりに早く立たせることは、発達上好ましくないという意見もあると聞きます。
昔の人は経験的にそれを知っていたのか、早く立とうとする子どもには米を背中に背負わせて重しをつけ、立たないようにしていたそうです。
ハイハイする時期には、しっかりハイハイして手足や体幹を鍛えておく。
これが大切なのでしょうね。

このハイハイというのが基本に当たります。
初心者の方はしっかりハイハイして基本を反復練習し、身体に染み込ませましょう。
そうしておけば、その後の成長もよりスムーズです。
複雑そうにみえるテクニックも、シンプルな基本の組み合わせに過ぎません。
基本を染み込ませることは、これから訪れるイレギュラーな状況にも対応できる応用力を身につけるための布石にもなります。

最後に私を含め、初心者・経験者の方、いずれも肝に銘じておきたいこと。
それは、セミナーに参加したことだけで満足しないということです。
セミナーに参加しただけで、あるいは修了証をもらっただけで、すっかり酔ってしまう方も中にはいます。

一日野球教室に参加し、記念品をもらっただけで、野球ができるようになったと思っている人がいたら、みなさんどのように思われるでしょうか?

セミナーを受け終えてからどうするか。
そこからが本当の勝負だと思います。