手技療法の寺子屋ブログでは、これまでテクニックの基本的な練習方法をはじめ、触診のポイントやコツについて力を入れて紹介してきました。
しかし、触診に至るまでには、問診によっておおよその状態を把握し、動きの評価を視診によって行い、問題点をピックアップしていく必要があります。
そこで今回は、触診以外の評価として、動きをみるという視診のトレーニング方法をお話ししたいと思います。
対象にするのは歩行です。
マニュアル・メディスンの大御所であるフィリップ.E.グリーンマン D.Oは、自身の著書「マニュアル・メディスンの原理」のなかでこのように述べています。
「著者の経験では、姿勢構造モデルの最も重要な要素は、歩行サイクルにおいて最大の骨盤力学を回復させることであった」
人間を人間たらしめたのは直立二足歩行である、という説もあるくらいですから、歩行が重視されるのはもっともです。
リハビリテーションでも、歩行分析をとても大切にしています。
歩行分析は、学校やセミナーでの指導や、テキストを通して学ぶことができますが、多くは「知る」ことからスタートします。
正常な歩行サイクルや、異常な歩行の知識を吸収した後に「みる」こと、観察することを学びます。
歩行分析に限らず他の分野でも、例えば解剖学を学んでから触診を練習するなど、知的な理解の後に感覚的な理解という順序で学習するのがふつうです。
これが合理的な進め方なのかもしれません。
でも学ぶ側の立場に立つと、みんなそれぞれ個性があるので、知識から入るのが得意な方ならともかく、感覚から入るのが得意な方にはちょっとしんどいと思います。
私はみんなひとつの方法論で歩まされるのではなく、さまざまな学び方があってよいと思っています。
とくに学生のうちは「知る」「覚える」という知識の吸収が優先されて、「みる」「感じる」という感覚的なトレーニングがおろそかにされがちな気がします。
みることができないまま臨床に出ても、たくわえた知識をどのようにして目の前の患者に結びつければよいのかわからないために、何もできずお手上げということになりかねません。
「みる」こともひとつの技術ですから、そのためのトレーニング行う必要があります。
評価するということにおいて、知ること、みることは自転車の両輪と同じです。
両方動いて、はじめて自転車をこぐということに相当する「考える」ことができ、患者固有の問題点を導き出すために前進することができるわけです。
というわけで、よくみて感じることに重点を置いた、歩行観察のトレーニングをしたいと思います。
感覚的な理解が得意な方はまずこれから、知的な理解が得意な方は知識の吸収に続いて、ご紹介する方法をお試しになってみてください。
練習の舞台は、街中です。
通勤時やお出かけなどで外に出ているとき、道行く人の歩き方をよくみる所からはじめましょう。
ふつうなら、はじめは正常な歩行をみるのが良いと考えるかもしれません。
正常とはいえ、歩き方のクセはさまざまで、よくみていると面白いからです。
ただ、不自然な歩き方のほうが特徴をつかみやすいですし、ご紹介するステップを解説しやすいので、そのような方を探してみてください。
意外と多いと思います。
みなさんなら、モデルの方の歩行をどのようにご覧になりますか?
まずはこの1週間、ご自分なりの方法で歩行をよくみておいてください。
可能なら、ご覧になっているときに自分がどのような視点や方法でみて、考えを組み立てているのか、振り返って覚えておいてください。
自分の思考過程をモニターするわけです。
これをメタ認知といいます。
自分の思考過程をモニターするなんて、日頃は慣れないだけになかなか大変ですが、上手くいくと「自分はこのようにみて、考えていたのか」と、新たな発見があると思います。
頑張ってトライしてみてください。
(このシリーズは、「マネすることからはじめてみよう ~評価について~」シリーズがベースになっています。合わせてそちらもご参照ください。)
しかし、触診に至るまでには、問診によっておおよその状態を把握し、動きの評価を視診によって行い、問題点をピックアップしていく必要があります。
そこで今回は、触診以外の評価として、動きをみるという視診のトレーニング方法をお話ししたいと思います。
対象にするのは歩行です。
マニュアル・メディスンの大御所であるフィリップ.E.グリーンマン D.Oは、自身の著書「マニュアル・メディスンの原理」のなかでこのように述べています。
「著者の経験では、姿勢構造モデルの最も重要な要素は、歩行サイクルにおいて最大の骨盤力学を回復させることであった」
人間を人間たらしめたのは直立二足歩行である、という説もあるくらいですから、歩行が重視されるのはもっともです。
リハビリテーションでも、歩行分析をとても大切にしています。
歩行分析は、学校やセミナーでの指導や、テキストを通して学ぶことができますが、多くは「知る」ことからスタートします。
正常な歩行サイクルや、異常な歩行の知識を吸収した後に「みる」こと、観察することを学びます。
歩行分析に限らず他の分野でも、例えば解剖学を学んでから触診を練習するなど、知的な理解の後に感覚的な理解という順序で学習するのがふつうです。
これが合理的な進め方なのかもしれません。
でも学ぶ側の立場に立つと、みんなそれぞれ個性があるので、知識から入るのが得意な方ならともかく、感覚から入るのが得意な方にはちょっとしんどいと思います。
私はみんなひとつの方法論で歩まされるのではなく、さまざまな学び方があってよいと思っています。
とくに学生のうちは「知る」「覚える」という知識の吸収が優先されて、「みる」「感じる」という感覚的なトレーニングがおろそかにされがちな気がします。
みることができないまま臨床に出ても、たくわえた知識をどのようにして目の前の患者に結びつければよいのかわからないために、何もできずお手上げということになりかねません。
「みる」こともひとつの技術ですから、そのためのトレーニング行う必要があります。
評価するということにおいて、知ること、みることは自転車の両輪と同じです。
両方動いて、はじめて自転車をこぐということに相当する「考える」ことができ、患者固有の問題点を導き出すために前進することができるわけです。
というわけで、よくみて感じることに重点を置いた、歩行観察のトレーニングをしたいと思います。
感覚的な理解が得意な方はまずこれから、知的な理解が得意な方は知識の吸収に続いて、ご紹介する方法をお試しになってみてください。
練習の舞台は、街中です。
通勤時やお出かけなどで外に出ているとき、道行く人の歩き方をよくみる所からはじめましょう。
ふつうなら、はじめは正常な歩行をみるのが良いと考えるかもしれません。
正常とはいえ、歩き方のクセはさまざまで、よくみていると面白いからです。
ただ、不自然な歩き方のほうが特徴をつかみやすいですし、ご紹介するステップを解説しやすいので、そのような方を探してみてください。
意外と多いと思います。
みなさんなら、モデルの方の歩行をどのようにご覧になりますか?
まずはこの1週間、ご自分なりの方法で歩行をよくみておいてください。
可能なら、ご覧になっているときに自分がどのような視点や方法でみて、考えを組み立てているのか、振り返って覚えておいてください。
自分の思考過程をモニターするわけです。
これをメタ認知といいます。
自分の思考過程をモニターするなんて、日頃は慣れないだけになかなか大変ですが、上手くいくと「自分はこのようにみて、考えていたのか」と、新たな発見があると思います。
頑張ってトライしてみてください。
(このシリーズは、「マネすることからはじめてみよう ~評価について~」シリーズがベースになっています。合わせてそちらもご参照ください。)
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