ステップ2 身体の使い方を覚える
筋膜リリースの代表的な技法に、クロスハンドテクニック(=cross hand technique)とノンクロスハンドテクニック(=non cross hand technique)というものがあります。
それぞれ文字どおり、両手を交差させるのか、させないのかという違いです。
いずれも患者さんの身体への作用という点では同じなのですが、セラピストからみて刺激を加える方向が違うために、身体の使い方が若干異なっています。
主にクロスハンドテクニックは、セラピストからみて左右に押し伸ばし、ノンクロスハンドテクニックは前方に押し伸ばすことになります。
ここでは、クロスハンドテクニックとノンクロスハンドテクニックを用いて、実践的な身体の使い方を学びましょう。
はじめにノンクロスハンドテクニックから解説しますが、ステップ1と同じように「押さえる」と「伸ばす」を分けて解説します。
☆ ノンクロスハンドテクニック(=non cross hand technique)≪押さえる≫
「押さえる」ときは、マッサージの圧迫法のような身体の使い方となります。
圧迫法は私たちも臨床で頻繁に用いているだけに、基本をきちんと確認しておきましょう。
診察ベッドの上に、母指球と小指球を合わせた手根部でコンタクトし、筋膜リリースを用いるという状況を想定します。
手根部でコンタクトしたら、残りの手指はベッドにフィットするように添えます。
手掌は浮いてもかまいません。
手根部コンタクトをするように指示すると、指先をピンと伸ばして浮かせてコンタクトする方もいるのですが、指伸筋に負荷をかけるのでおすすめしません。
脊椎のモビライゼーションの中には、豆状骨を用いてコンタクトする方法があり、その場合は豆状骨を固定するために、指を伸ばして手を張るようにしますが、比較的短い時間で済ませるのでさほど指伸筋に無理はかかりません。
筋膜リリースはある程度の時間、刺激を持続させるため、指は伸ばさずベッドにつけて休ませるようにするとよいでしょう。
次に肘を伸ばし、肩を下げます。
実際には肘を適度に曲げておくことが多いのですが、まずは感触をつかむことを優先するために伸ばしておきます。
肩を下げることが大切なのは、あらゆるスポーツや武道と同じですね。
肩を下げることで、体幹の力をスムーズに手に伝えやすくなります。
姿勢は背筋を伸ばしておくべきという考え方もありますが、あまり意識しすぎると脊柱起立筋を疲労させ、かえって腰痛を起こしてしまうことがあります。
ここでは脊柱起立筋が過緊張しないよう、脊柱は自然な屈曲位をとってもかまわないと私は思います。
私は「腰は柳のようにしなだれて」と表現しています。
身体が柔らかくて極端に体幹の屈曲が大きくなってしまう場合は、骨盤を後傾(後方回転)させてバランスをとるとよいでしょう。
写真では腰に片手を当てていますが、この手で脊柱起立筋が余計に緊張していないかどうかをモニターしておくのもよいかもしれません。
下肢はコンタクトした側を前に出して前後に広げ、膝は姿勢を保つ高さに合うように曲げます。
これで準備が整いました。
ではこの姿勢のまま膝を曲げ、腰を落としていきましょう。
このとき肩が上がらないよう、下げたままキープさせましょう。
すると、体幹を落とす力が手根部に伝わり、「押さえる」力になっていくはずです。
押さえるというよりも、手が沈んでいくという感じがするかもしれません。
これも身体の力を使った押さえ方のひとつです。
前回の腕立て伏せは、身体を手に乗せきっていたので、押さえる刺激のコントロールができませんでした。
このように膝を曲げて腰を落とすことで押さえる力を生み出すことにより、力加減を自由にコントロールできやすくなり、目標とする深さまで手を沈め、安定してキープさせやすくなるのです。
この感覚をよく覚えておいてください。
次回は念のため、勧められない押さえ方もお話ししておきましょう。
筋膜リリースの代表的な技法に、クロスハンドテクニック(=cross hand technique)とノンクロスハンドテクニック(=non cross hand technique)というものがあります。
それぞれ文字どおり、両手を交差させるのか、させないのかという違いです。
いずれも患者さんの身体への作用という点では同じなのですが、セラピストからみて刺激を加える方向が違うために、身体の使い方が若干異なっています。
主にクロスハンドテクニックは、セラピストからみて左右に押し伸ばし、ノンクロスハンドテクニックは前方に押し伸ばすことになります。
ここでは、クロスハンドテクニックとノンクロスハンドテクニックを用いて、実践的な身体の使い方を学びましょう。
はじめにノンクロスハンドテクニックから解説しますが、ステップ1と同じように「押さえる」と「伸ばす」を分けて解説します。
☆ ノンクロスハンドテクニック(=non cross hand technique)≪押さえる≫
「押さえる」ときは、マッサージの圧迫法のような身体の使い方となります。
圧迫法は私たちも臨床で頻繁に用いているだけに、基本をきちんと確認しておきましょう。
診察ベッドの上に、母指球と小指球を合わせた手根部でコンタクトし、筋膜リリースを用いるという状況を想定します。
手根部でコンタクトしたら、残りの手指はベッドにフィットするように添えます。
手掌は浮いてもかまいません。
手根部コンタクトをするように指示すると、指先をピンと伸ばして浮かせてコンタクトする方もいるのですが、指伸筋に負荷をかけるのでおすすめしません。
脊椎のモビライゼーションの中には、豆状骨を用いてコンタクトする方法があり、その場合は豆状骨を固定するために、指を伸ばして手を張るようにしますが、比較的短い時間で済ませるのでさほど指伸筋に無理はかかりません。
筋膜リリースはある程度の時間、刺激を持続させるため、指は伸ばさずベッドにつけて休ませるようにするとよいでしょう。
次に肘を伸ばし、肩を下げます。
実際には肘を適度に曲げておくことが多いのですが、まずは感触をつかむことを優先するために伸ばしておきます。
肩を下げることが大切なのは、あらゆるスポーツや武道と同じですね。
肩を下げることで、体幹の力をスムーズに手に伝えやすくなります。
姿勢は背筋を伸ばしておくべきという考え方もありますが、あまり意識しすぎると脊柱起立筋を疲労させ、かえって腰痛を起こしてしまうことがあります。
ここでは脊柱起立筋が過緊張しないよう、脊柱は自然な屈曲位をとってもかまわないと私は思います。
私は「腰は柳のようにしなだれて」と表現しています。
身体が柔らかくて極端に体幹の屈曲が大きくなってしまう場合は、骨盤を後傾(後方回転)させてバランスをとるとよいでしょう。
写真では腰に片手を当てていますが、この手で脊柱起立筋が余計に緊張していないかどうかをモニターしておくのもよいかもしれません。
下肢はコンタクトした側を前に出して前後に広げ、膝は姿勢を保つ高さに合うように曲げます。
これで準備が整いました。
ではこの姿勢のまま膝を曲げ、腰を落としていきましょう。
このとき肩が上がらないよう、下げたままキープさせましょう。
すると、体幹を落とす力が手根部に伝わり、「押さえる」力になっていくはずです。
押さえるというよりも、手が沈んでいくという感じがするかもしれません。
これも身体の力を使った押さえ方のひとつです。
前回の腕立て伏せは、身体を手に乗せきっていたので、押さえる刺激のコントロールができませんでした。
このように膝を曲げて腰を落とすことで押さえる力を生み出すことにより、力加減を自由にコントロールできやすくなり、目標とする深さまで手を沈め、安定してキープさせやすくなるのです。
この感覚をよく覚えておいてください。
次回は念のため、勧められない押さえ方もお話ししておきましょう。
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