対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

好敵手でも一方は脇役

2007-11-10 00:15:55 | 雑談
現代の好敵手、高尾紳路プロと張栩プロによる名人戦が閉幕した。
4勝3敗で張栩プロが奪取

おめでとうございます。

個人的には四天王のうち、張プロが一頭地抜けている印象があるので、長くバランスを保つために高尾プロの勝利を希望していた。
しかし第7局まで白熱しただけでも十分。
第1、2、4局辺りに不満の意をここにも書いたが、それ以外は例年通りの熱戦で満足した。
特に第5局と第6局は方々でも書かれている通り、囲碁の奥深さを感じさせる展開だったように思う。

囲碁史における好敵手といえば、まず本因坊元丈安井知得が挙げられる。
いずれも19世紀前半に活躍した1歳違いの名手で、名人になる資格十分だったが
「ライバルにハッキリ差をつけてから」
と強く望まなかったため、どちらも名人になることはなかったことが有名。

実際、二人の成績は伯仲しており、実力に甲乙つけがたい。
しかしその割に現代では、知得の方が高くされているように感じる。

一番分かりやすいのは「古典名局選集」シリーズに「泰然知得」はあるが、元丈のそれは出ていない。
名局と戦略」に載っているのも知得の勝ち局で、やや知得贔屓に感じられた記憶がある。
著名な「ダメの妙手」も元丈の拙局とも言われているし、もう一つ元丈の立場がない。
また知得全集というのは聞いたことがあるが、元丈全集というのは聞いたことがない。

これは知得が「ヨセの名手」だったという、後世にもわかりやすい長所を持っていたこと。
また跡継ぎがなかなか出来なかったため、活動期間が元丈よりも長く、後輩の本因坊丈和や井上幻庵などとも、面白い棋譜の残しているという2点が大きいと憶測する。
それともプロの目から見ると、知得の芸がハッキリ上なのだろうか?

私などの棋風だとどちらかというと元丈の方が、シンパシーを感じる。
近頃「碁界黄金の19世紀」からいわゆる丈得戦を並べることが多かったのだが、並べながらどうしても
「元丈頑張れ」
と思ってしまう。
ちょうどそれは高尾プロと張プロのどちらも好きだが、棋風から高尾プロを応援してしまうのとよく似ている。

高尾プロも元丈も、もっと高く評価されていいと思うのだがどうだろう?