対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

コツコツ並べ直しのコツ(上)

2006-08-12 00:05:36 | 棋譜
夕暮れの空さんが
自分の打った棋譜を思い出せない
と嘆いておられた。
同じ悩みを抱えておられる方も多かろう。
要は慣れであり、また再現する手数を少しずつ延ばしていく、地道な根気だと思う。

しかし石の位置を神経衰弱のカードゲームのように、意味なく一つ一つ覚えていくのは到底無理。
そして無駄。
「思い出して検討することで、強くなる」のが目的なのであって、「(手段を問わず)覚えること」が目的ではないことをお忘れなく。

私の場合以前書いたかも知れないが、着手に「勝手なストーリー」を振り当てて記憶している。
プロや高段者はどうかは知らないが。
そして意識して作業しなくても、着手を考えて打てば、自然と覚えてしまうもの。
ちょうど映画を観る時に、「ストーリーを覚えよう」などと思わなくても夢中になって観れば、ストーリーを覚えているのと同じように。

ただ囲碁は相手もいるので、相手の着手が理解不能の時がある。
その時は、対局後着手の意味を聞いてみるのがいい。
特に上手との対局の時は、是非そうしたい。

一方、相手の明らかな悪手のために理解不能。
そこでストーリーが途切れてしまった時は、無理に思い出すこともないかと思う。
悪い手は忘れるに限るのだし。

今回の掲載の棋譜も25手10分で行われた対局で、取り立てて「記憶しよう」などと思ったわけではない。
打つだけでいっぱいいっぱい。
が、記事を書こうと思った時に空さんの悩みを思い出し、この対局の序盤一手一手に何を考え、ストーリーを織りなしていったのか、ちょっと書き出してみようかと思った次第。
駄譜で恐縮だが、空さんと同じような悩みを抱える級位者に、ささやかなヒントになればと。

本局で面白いのは後半なのだけれど、長くなってしまったのでそれは次回以降に。
尚、カッコ内は局後に考えたことである。


黒01…初手、小目。
 (初手小目というと他7通りあるわけだが、この位置がもっとも普通。
 違っていたら、それはそれでインパクトがあるので、かえって忘れにくい)
白02…ケンカ小目は自信なし。
 黒が最も発展したい方向を、先に占める。
 小目が打ちたい。
 タスキ型布石は歓迎。
黒03…平行型布石、違い小目でいきます。
白04…何となく、今日は向かい小目が打ちたい。
 黒と同じ違い小目だと、先着の利が維持されそうだし。
黒05…ワリ打って、左辺の模様化は許さじ。
白06…それなら左上との関連で、上辺を模様化させて。
黒07…お先に左辺を固めよう。
 今や最もメジャーな高ガカリで。
白08…06の石の顔を立てるため、上辺に厚みを作るべく、上ツケ定石を選択しよう。
 先手が取れるかも知れないし。
 以下、白12まで定石。
黒13…さらに左辺を広げよう。


白14…ここでまた後手を引くのも癪だから、お先に右上にイチャモンを…。
 以下、黒17まで定石。
白18…左上が強いので、白18と狭くヒラいて右上の強化を優先しよう。
黒19…右上をマネして左辺を固めよう。
 以下、黒21まで定石
白22…わたいごでルーラさんが、こんな感じの手を打っていたな。
 右上と同じじゃ芸もないし、右上の形は嫌だ。
黒23…低位に這わせてやる。
白24…それは勘弁。
黒25…アタリ。
白26…手を抜きたいが、ポン抜かれて自信ない。
 (ここで後手を引いて、左下は失敗したのを悟った。
 やはり猿真似は危険)
黒27…左辺の裾を止めて、囲います。
 05の石が低いため、左辺を囲って貰うのはそんなに気にならない。
白28…それなら右上の不安定な黒を攻めます。
 (ここは左下にカカるのが普通かも)

長くなったので、ここまで。(続く)

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2 コメント

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面白いです (夕暮の空)
2006-08-12 07:53:23
こんないっぱいおしゃべり(主張?)しながら打ってるんですね。碁は手段って言葉を思い出しました。私はこういう風に一手一手の意味を考えながら覚えてなかったです。形で覚えようとしていたので、手順が前後したり、予想外の形になっていた時は覚えることができませんでした。私も自分の手と相手の手を翻訳しながら打ってみようかな。
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まさしく (GO!)
2006-08-12 22:27:15
「手談」なんです。

本記事のタイトルも「脳内手談実況中継」にしようかと思っていました。



多分、空さんも普段色々考えておられるのですが、たまたま棋譜再現の時にそれを活用するということに、気づかなかっただけだと思うのです。



きっとすぐに

「何でこんな簡単なことを、偉そうに書くのかしら?」

と思うようになりますよ(笑)♪
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