![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/5d/e63762a2e79bd3a6fabd48f5a5397fe9.jpg)
昨日記事にした「トップランナー 井山裕太」の中で、
「これが井山プロの手」ということで紹介されていたのが上の手。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/c8/ff66d82016dfc51e2ffe1685c10df9d6.jpg)
普通はこう打つのが一般的だけれど、これは黒が良い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/f1/8885ec217148c1faa94d7a87e8cce7cd.jpg)
よって井山プロは白1と打ち、上図のように白をこちらの方に発展させようとした。
この図は黒が悪いので、実戦は黒6で7と打っている。
ただこの白1をもって「これが井山プロだ」といわれると
「そうかなぁ?」と思ってしまう。
確かに「井山裕太20歳の自戦記」の中でも、当時の観戦記にも
「控え室で驚かれた」とあるのだけれど、
「名人に定石なし」の言葉もあるように、
タイトルをとるような棋士は多かれ少なかれ、
控え室を「アッ」と言わせるような手を打つものだ。
だから「周りが気づかない手を打つ」棋風と言われても…ねぇ。
むしろ私はこの局面から井山プロの柔軟な思考、
バランスの良い棋風に着目したい。
ある意味「棋風のない棋風」。
極端に攻撃志向でもなければ、シノギ派でもない。
地に辛くもないし、模様志向でもない。
辛抱してのヨセ勝負も乾坤一擲の勝負も出来る。
苦手や癖がなく、真の意味でオールラウンダーなので、
その局面局面で選べる手が多いところが彼の強みではないか。
相手の棋風を柔らかく受け止め、強く反発する。
だから上記のような手を打てたり、
「コウの張栩」に、コウで勝ったりという芸当ができるのだと思う。
先日の「爆笑学問」の中でも羽生プロの強さは、
相手がどんな作戦できても柔軟に対応できることにあるのではないかと、
太田光が話していた。
井山プロも強さもまさにそういうところにあるではないかと、勝手に思っている。
まぁ、番組も同じようなことを言っていたのかもしれないけれど…。