さわやかな季節になりました。
5月は予定がぎっしりで、病後の私には少々厳しい状態ですが、これもありがたいことと受け止めることにしています。
私の治療院のお休みは月曜日と祝日です。実は昨年、親御さんから電話を受けたままになっていた小田原の二分脊椎症の5歳女児に事が、とても気になっていました。そこで5月3日(祝日)の休みを利用して、ゆっくり診る時間が取れるように来院してもらうことにしました。
このケースは、お父さんが指圧を覚えて圧したいということです。この女児は3人姉妹の長女。下に双子の妹がいてお母さんはとても育児が大変、時間的に子供に指圧をすることは難しく、たまたまお父さんが自宅で仕事をしているので、空き時間を見てチャレンンしてみたいというのです。お電話でお話をした印象では、優しそうで誠実そうでとてもとても好印象でした。
当日は車で来院と聞いて、ゴールデンウイーク中で渋滞は大丈夫かしらと心配しましたが、時間キッチリに到着しました。5歳のRちゃんは、とても元気な女の子。畳のスペースが広い治療室に嬉しくなって相当はしゃいでいました。好奇心旺盛で、片時もじっとしてはしていられないようです。スタッフもハラハラすることもありました。
まず、お父さんに指圧を経験していただくことから始めました。スタッフの説明を聞きながらビデオカメラを回すのはお母さんです。指圧が初めてのお父さんは終始緊張気味で、少し圧しにくいのが気になりましたが、ハードにお仕事をこなしているのが凝り方でよくわかりました。
できるだけ 「二分脊椎症の特徴的な部分の圧し方」 を説明しました。私たちが目指している基本指圧は、力で圧すのではないことを説明し、力で圧された感覚と力が抜けた状態で圧された感覚の違いは納得していただきました。
全身操作を終えて腹部の緩み方にはビックリして、
「えー、これが私のお腹ですか? こんなに柔らかくなっちゃうものですか? えー!ホント凄い!」と。
次はRチャンの番です。
マットにゴロンと寝てくれたところまではよかったのですが、圧される気など全くなくて直ぐにむっくり起きて遊ぶ気満々。彼女の指圧はお父さんに一任することを即決しました。
折角遠路はるばる来ていただいたので、少しお母さんも圧してみました。なんと! 育児で疲れているお母さんをお父さんが圧しているのがすぐ分かりました。お母さんの肩は力で強く圧したため、筋肉がコブのように固まっていました。辛いところだけを強く圧すと筋肉を傷めてしまいます。結果、体の循環は余計悪くなってしまいます。そこのところをよく説明して、以後の対処も指導しました。
お父さんには、彼女の記録を付けることを話して、1か月分のファクスが来るのを楽しみに待つことにしました。
色んな出会いがあって、色んな思いに触れることができる基本指圧を勉強してよかった、といつも思っています。1人でも多く方々に喜んでいただければ嬉しいです。