7月の月例練習会が15日(日)午後1時30分から2時間、池袋の豊島区勤労福祉会館で開催されました。学会発表後の初めての練習会でもあり、久々に前頸部の圧し方を勉強することにしました。
開始に先立ち、「今日は前頸部を練習します」と言うと、期せずして「やった!」という声が聞かれました。メンバーがこの練習会を楽しみにしているのが感じられ、責任者として心から嬉しかった。同時に、難しい部分の練習ですから、不用意に圧されて体調が悪くならないようにと、案じずにおれなかったのも事実です。
前頸部指圧は「浪越指圧」のいちばん重大な箇所です。うまくできた人、できなかった人など様々でしたが、全員が真剣に取り組みました。練習の中心は「余分な力が抜けた圧し方」です。
実は私の治療院に週何回か、2年間通ってこの圧し方を練習してきたK君。この日、初めてメンバーの前頸部を圧したのですが、受け手から「本当に初めてなの?」と言われ、とてもうれしそうでした。
彼は指圧学校を卒業して国家試験に合格したあとも、どうしてもそれで満足できず、本物の「圧し方」を求めて練習してきたのです。しかし毎日の努力、これがなかなかできないことです。彼の圧し方がここまで進歩できたのも、安易に妥協せず、納得のいく勉強を続けてきた成果でしょう。ただし「テング」になったらおしまいです。K君は決してそんな青年ではありませんが、過去の例を見るにつけ、こんな時こそ慎重の上にも慎重に、腹を決め切って頑張ってほしい、と思わずにはおれません。
K君以外にも、目を見張る成長を示している若い人たちがいます。1回1回の練習を大事にして果敢に取り組んでいる姿、本当に素晴らしいと思います。
受け手が強く押されることを好み、押す方もともすれば「力押し」に頼り、本来の指圧の良さが失われつつあるのが最も大きな危惧です。こんな中で、力が抜けた状態で圧す「コツ」のようなものをつかんだのではないか。上手になっていく姿を見ると、本当に嬉しくなります。
時間があれば「腹部の圧し方」も練習したいと思ったのですが、これは次回以降に持ち越しです。
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