「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

無駄な力を省いて圧せば、「圧」が深部まで届く

2009年12月25日 | 素晴らしい指圧効果
  一般の書店に並んでいる指圧の本などに、「どこを圧せば何に効く」という解説が、写真や図解等で示されているのをよく目にします。実際興味のある人は、自分で圧してみたいと思うでしょうから、これらの類の書籍が出版され売れているのは当然です。「この症状に効くツボはどこかしら?」と考えるのだと思います。  

  唐突ですが、実は、オネショのツボは「仙骨」です。仙骨と腹部を弛めればオネショは治ります。12月11日に投稿した記事のT君(5歳男子)のお婆さまが、予約日に1人で来院されました。T君とママには、オネショがまだ治りきらなかったらお婆ちゃんと一緒にまた来るように伝えてあったので、少し気掛かりでその日を待っていました。 
  1人で見えたお婆様から「治りましたよ」との報告を嬉しく聞きました。その後、お母さんが、「治療したその日からピタリと止んだから不思議。おまけにTが治療を受けたことを何気なくお姉ちゃんに話したら、これまたピタリと八つ当たりがなくなったというオマケの効果まであった」と大笑いしていました。 
  幼稚園のお友達のお母さんがたからも、
 「エーッどうして?」
 「不思議」 
  と驚かれたと喜んでいました。  

  嬉しい報告を聞きながら同時に5年前のある治療を思い出しました。今更ながら感慨深いものを感じています。 
  5年前、里帰りしたある親子が治療に来ました。その時、親の治療だけではなく、毎晩オネショをする子供(当時5歳男子)の治療も依頼されたのです。前述のようにオネショのツボは仙骨ですから丹念に圧しました。しかし残念ながら、手応えを感じることができなかったというのが本音でした。結果、治療効果は、ハッキリとしたものにはなりませんでした。 
  1年後、同じ患者さんと同じシチュエーションで、まったく同じ仕事をさせてもらえる機会を得ました。ありがたいことです。1年前の圧し方が不十分であったことは、この時点では分かっていました。「圧」が深部に届いていなかったのがハッキリと自覚できていたのです。この時の治療では、かなり四苦八苦しながら、何とか「ここまで弛めば大丈夫」という手応えを得ることがやっとできたのです。 
  彼のオネショを基本指圧で治すことがギリギリでき、ホッとしたのを昨日のことのように思い出します。やはり効果をだすために一番大事なのは、「圧し方」であったとしみじみ実感させられた治療でした。

 「いかに無駄な力を省いて圧すか」で、圧の浸透がまったくちがってしまいます。当然効果は比べ物にはならないほどの違いがあります。つくづく思い知らされた貴重な経験でした。しょせん無駄な力が抜けた状態で圧せなければ、指圧師として本物の効果を出すことはできないことがよくよく理解できました。 
  この時の経験は大変貴重なもので、実感のある教訓として今に生きています。  

  今回のT君は、十分な手応えを得て治療に当たれたことが本当にありがたく、学び続けていて良かったと改めて感じることができました。 
  可愛らしい子供達の、健やかな成長のお手伝いができる基本指圧の技術が、より上達するように新たな気持ちで頑張ろう、と思っています。
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