「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

二分脊椎症の排便障害に対し、基本指圧で機能改善を目指す(3/3)

2014年11月11日 | 指圧の活動

 (前回のつづき)
 
平成26年には私が主宰する特定非営利活動法人・基本指圧研究会に「公益財団法人 二分脊椎・水頭症研究振興財団」(神戸市須磨区・会長・松本悟)から「二分脊椎患者における直腸・膀胱傷害への対処、排便・排尿の改善を目指す」として研究助成金を受けました。私の治療院のスタッフで、基本指圧研究会会員の加納慎一(指圧学校52期生)を共同研究者として、すでに仕事に着手しています。

 
研究対象は3名です。7歳女児福岡在住
               
15歳男子青森在住
               
23歳男性埼玉県在住
 
試みにこの3人の母親に、私は自宅で指圧ができるように指導し始めました。地方在住のお母さん2人にも2回、川越まで来て勉強してもらいました。以後、記録を付けるように話し、電話とファックスのやり取りで進めています。

 
青森在住の15歳男子は、去年ゴールデンウイークの5月3・4日に初めて川越の治療院に来院しました。2日間、本人とお母さんを施術し、教科書で勉強してビデオ撮影し、映像を見て自宅で圧していこうという試みなのです。ありがたいことにその約3ヵ月後、7月末に東京の病院へ定期検診と検査で来ることができたのでラッキーでした。間隔をそれほど空けずに治療ができ、母親の指圧練習も進めることができました。
 
お母さんが子供の状態を記録し、電話とファクスのやり取りで指導しながら進めました。これは親子なればだとしみじみ感じました。洗腸の水を量はずいぶん減らしていたので、週に2~3回、1回70㏄を5回から7回ほどに分けて浣腸器(注射筒のような形状)を用いて行っていました。

  去年の冬休みには、お母さんが意を決して、自力排便目指し一生懸命圧していたので、ファクスと電話で応援していました。冬休みがチャンスでした。頑張って圧すことに専念し、人工的なものに頼らずすむように頑張ろうと本気になっていました。
 
2013年1月21日のファクスを見ると自力排便が出来るようになっていると思われる文面です。お母さんは自分が圧すことで良くなっているなんて? と、不安もあるようですが、「快挙」を疑うことはできません!

  青森へは、
今回の助成金で一番いい時に決定打になるように出かけました。彼の環境が変わらないように現地に行って治療をしたいと思っていたからです。
  施術は今年5月9~11日、2泊3日で出かけ、合計4回施術しました。子供の指圧の効果を出すにはお母さんも圧すことが大切だと教えられています。10日、11日2回、のお母さんの施術にもあたりました。会った時から顔色が優れないのは気になっていました。圧してビックリ! 障害を持って生まれた子供の育児は大変だったと思います。やっと中学生になりホッとしたのでしょうか、長年の疲れが出たのでしょう、甲状腺が腫れていました。「この1か月ほど体調が悪く辛い…」というのです。
 
お母さんは2回施術し顔色・表情見違えるほど改善し、後日、病院に受診しましたが薬も出なかったと喜んでいました。指圧の効果を実感できたことは、この後、自信をもって圧していけるので大変有意義な経験でした。

 
8月2日、3日。大学病院の定期健診と検査で上京したと川越の治療院に来院。合計10回目の基本指圧(1年3ヵ月)とお母さんの自宅での指圧で、彼は自力排便ができるようになりました。

 
23歳の男性は、隔週1回の治療中です。加納慎一が勉強しながら奮闘しています。

 
このあと今年中か来年初めごろ、福岡の女児の指圧に行く予定です。これも一番効果的な時期を選んでいきたいと思っています。この後もしばらくは、ファクスと電話のやり取りは続けようと思っています。また報告します。ありがとうございました。(おわり) 


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