Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ロボットは介護士の夢を見るか?

2007-12-10 19:19:29 | Technology

 私が子供の頃と言いますと、すでにアトムのブームは過ぎ去っておりました。代わりに流行っていたのはガンダムで、戦隊物でもピンのヒーロー物でも、ロボットというヤツは「マスコット」か「乗って操縦するもの」という感覚が強かった覚えがあります。

 簡単に言えば、ロボットと聞けば、真っ先に出てくるのが「ガンダム」だったわけですよ。

 しかしながら、今この年齢になってみますと、ロボットと聞いて真っ先に思い浮かぶのはホンダのASIMOか工業用のアームロボット。何とも夢を見なくなった物です。
 それというのも、今現在の技術で実現できるロボットが、どんどんかつてのフィクションに近づいてしまっているためです。逆に言えば、フィクションの中の物でしかなかったロボットが、現実に存在して、思い浮かべられるくらい認知度があがってきたと言うことです。

 とはいえ、いくら認知度が上がってきたとはいえ、ASIMOが一般家庭にやって来ているわけではありませんし、人の代わりに何かしら自立的な仕事が出来るようになったのか?と言われれば、それもまだまだと言わざるを得ません。各社のロボットは、どれもまだ実験段階なのです。いくら滑らかに動くようになったとはいえ、人間のような動きはまだ望むべくもありませんし、周辺認識能力もまだまだ。音声認識だって発展途上です。稼働時間も大きな制限がかかっています。

 そんな中、割と明確な目標を打ち出した企業が存在します。トヨタ自動車です。

トヨタ、新型パートナーロボット 2機種を発表 Robot watch

 同社では、これらパートナーロボットについて、2010年代には実用化する方向で開発を進めていくとしている。

 2010年代、つまり後10年で、ロボットを実用化させると言っているわけです。私たちの老後の介護には間に合いそうですよ?

 今回トヨタが発表したロボットは、低い障害物を乗り越えられる、車輪採用の椅子型ロボットと、バイオリンを演奏できるヒューマノイドロボットの二機種。やはり期待はヒューマノイドロボットの方ですけれど、今後は腕や指の自由度を増やして、一般的な道具を扱えるようにするとのこと。歩く動画も公開されていましたが、動きは以外にも滑らか。プロポーションもより人間に近くなっており、進化の早さが伺えます。

 いつの間にやら、ロボットの先進企業は自動車会社になってしまった感がありますが、今後のロボットの社会進出はもはや必然と言ってもいいとおもいます。感情などのソフトウェアの部分はまだまだ当分先だろうと思いますけれど、とりあえずハードウェアは、徐々に実用化が見えてきました。今後は、どんな分野にどのようなロボットが進出していくか楽しみですけれど、個人的な予想としては、介護や介助の分野でまず普及していくのではないでしょうか?人間がつきっきりで行うには負担がかかりますし、動物に任せるというのも、寿命や訓練などいろいろな問題がありますからね。

 ところで、日本のロボット開発の素晴らしいところは、「軍事ありき」ではないところ。先のような予想が真っ先に出てくるというのは、本当に幸せなことだと思いますけれどね。