goo blog サービス終了のお知らせ 

Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

指紋採取は横暴なのか

2007-11-21 19:16:56 | Weblog

 外国人入国者からの指紋採取が11月20日から始まりました。テロ対策の名の下に、危険分子の入国を水際で防ぐものです。

 最初は私も乱暴だな、とか思いましたので、以下の様な批判も当然出るだろうと思っていましたけれど・・・

世界67団体が反対声明 nikkansports.com

 でも、こういう効能を見せられてしまうと、やはり必要な措置なのかなあと思ってしまいます。

新入国審査 5人が強制退去者 過去の指紋データと一致 退去手続きへ 東京新聞

 五人が過去の強制退去者の指紋データと一致。うち三人は偽変造したパスポートを使って入国しようとしたとみられる。一人には既に退去命令が出され、もう一人にも退去命令の手続き中。

 要するに、テロリストだけじゃなく、某アジアから流入してくる犯罪者の入国を拒むという事も結果的に可能になるわけです。指紋のような生体データならば、パスポートや名前の様にごまかすことが難しいですから、再入国してこようとする犯罪者に対して一定の抑止力が期待できるというわけですよ。

 日本人がアメリカに行っても指紋を採られるわけですけれど、別に悪いことをしようと思わなければ、全く怖くない措置です。プライバシーがどうの、という向きもあると思いますけれど、政府には元々ほとんどの個人情報を握られているも同然なのだから、今更ぎゃあぎゃあ騒ぐことでも無いと思うわけですが。

 最初の引用記事で、

 声明は「公の場での議論や政策的な検討がほとんどなされないまま、高度な政治的判断で承認された制度だ」と指摘。「日本へのすべての訪問者を犯罪者であるかのように扱うもの」と批判している。

じゃあ、今のこのご時世の中、外国人犯罪者とかテロを効果的に防止する代替案を何か出してくれ・・・と、日本人の一人として思うわけですけれど。

 確かに気分を害するのは分かる。でも、初日で5人、犯罪者の入国をこの措置は防いだ。その事実は、とても重いんじゃないでしょうかね?


イグ・ノーベル賞、今年も日本人受賞

2007-10-05 20:22:23 | Weblog
 イグ・ノーベル賞と言えば、ノーベル賞のパロディとして、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞です。
 Wikipediaによると、発表形式は、

本物のノーベル賞では、式の初めにスウェーデン王室に敬意を払うのに対して、イグノーベル賞では、スウェーデン風ミートボールに敬意を払う。受賞者の旅費、滞在費は自己負担で、式のスピーチでは聴衆から笑いをとることが要求される。制限時間が近づくとヌイグルミを抱えた少女が受賞者の裾を引っ張り壇上から下ろそうとするが、この少女を買収することによってスピーチを続けることが許される。

とまあ大変ふざけたものですけれど、実際には「本物の」ノーベル賞受賞者が登場したり、普段はなかなか注目されない研究に光を当て、科学にもっと興味を持ってもらう等という真面目な側面もあるのです。形式はどうあれ、研究で贈られるイグ・ノーベル賞は名誉に間違いありません。

 さて、バウリンガルやら足の匂いの原因物質特定など、日本人研究者も毎年のように受賞している同賞(中には明らかにバカにしているのもあるけれど)ですが、今年の受賞研究もなかなかパンチが効いています。

 受賞したのはバニラの研究。バニラと言えば、アイスクリーム。そのほかにも様々なお菓子で使われるあまーい香りの香料です。
 しかしながら、このバニラの原料となっているバニラビーンズって、とってもお高いらしいのです。何でも、精製にものすごい手間がかかるようです。

 そんなわけで、人工的に作られたバニラ香料もあるのですが、やはり天然物を抽出出来たらその方がいいわけで。さらに、お高いバニラビーンズではなくて、もっと安価なものから抽出できたらもっといいわけで。

 で、こんなものから抽出する研究をしてしまったんです。何でかな?

イグ・ノーベル賞に日本人女性 牛糞からバニラ成分抽出 asahi.com

 「人々を笑わせ、考えさせてくれた研究」に贈られるイグ・ノーベル賞の授賞式が4日、米ハーバード大であり、国立国際医療センター研究所の元研究員、山本麻由さん(26)が化学賞に選ばれた。牛のふんからバニラの香りの成分である「バニリン」を抽出する方法を開発した功績。

 高価なバニラビーンズではなく、安価な「牛糞」からバニリンを・・・うう、食物なのに・・・やっぱり牛糞はミスキャストだと思いますよ・・・さすがイグ・ノーベル賞。

 この研究が実用化された暁には、是非「抽出もと」を賞品に明示して欲しいと思うところですが・・・たぶんそれはならないでしょうなあ。

アナログよさらば・・・シャープBDレコーダー発売につき

2007-09-27 20:16:43 | Weblog
 一時代を築いたものが去っていく様は寂しいものです。

 例えば、レコードがCDに変わるとき・・・はそもそも経験してないし。
 カセットテープはむしろ自然消滅に近いし、銀塩カメラだって全然興味なかったたし、MDも使ってすらいなかった。固定電話から携帯電話へのスイッチも、「固定電話」なんて注釈が出るくらいの時間をかけて置き換わっていったし・・・ゲーム機にしても急激にと言うよりは、徐々に徐々にと言った表現が正しいから。
 前言撤回。時代は動く。古きものは去るべくして去る。老兵は死なず、ただ立ち去るのみ。

 アナログのビデオテープも正にその部類にはいることでしょう。ソニーが初めて開発した当初から、唯一の映像記録メディアとして長らく君臨してきたものの、近年はすっかりHDDとDVDに置き換わってしまいました。

 そして、いよいよビデオテープにとどめを刺す、というシャープが行った「パフォーマンス」がこれです。 

「アナログビデオにさようなら」、シャープがBDレコーダーを発表 ITmedia

同社副社長の松本雅史氏は「アナログビデオデッキは20世紀に置いていくもの」とアピール。

 そして、そのアピールの仕方が「風呂敷に包む」というもの。前時代をあからさまに強調したそのやり方は、ビデオテープの古さを存分に表現するものです。
 ・・・まあ、DVDレコーダーが普通に売られている昨今、「何を今更」という思いの方が大きいんですけれどね。

 そんなことよりも、録画メディアの分野でBDが台頭してきていることの方が私にとっては関心事です。このまま録画メディアとしてのBDが拡大を続ければ、映像ソフトの媒体としてのBDとHD DVDで、コンテンツホルダーがどっちにソフトを供給するかとは半ば関係なく勝負が決まってしまうことになるかもしれないからです。

「どこが映像ソフトを出してるかなんて関係ないよ。うちは録画に使ってるBDしか見えないんだからさ」

 そうなったらそうなったで、ある意味おもしろいな・・・HD DVD陣営、と言うか東芝も、戦略的価格設定でレコーダーを市場投入してくれるとおもしろくなるのにな、とか思いますけど。

 3万で出してくれたら状況がひっくり返るかもわからんね。 

月探査衛星「かぐや」宇宙へ

2007-09-14 20:11:36 | Weblog
 アポロ計画が終了したのが1972年。以来、人は月には行っていません。

 しかしながら、アポロ以降の宇宙探査のトレンドは無人探査。食料や水の問題、帰還の問題を考えると、どう考えても無人機の方が効率的です。火星や金星、記憶に新しいところでは小惑星のイトカワに着陸?したハヤブサや、彗星に弾を撃ち込んだディープインパクトなど、無人探査機は輝かしい成果を上げています。

 ならば月も、無人機による調査が相当進んでいると思われがちです。なんと言っても、一番近い地球外天体(チリとか小惑星のぞく)なのですからね。ですが、実は月の調査は非常に狭い範囲で、しかも現在からすればずいぶんと低い精度でしか行われていないのです。

 「かぐや」は調査衛星として規格外である3トンの巨体に、14種類もの調査機器を詰め込んだ、21世紀初の本格月調査衛星となります。90年代に行われた調査と比べると、文字通り桁違いの精度で調べられる今回の調査は世界の注目を集めており、月の誕生や物質分布など、様々な分野での新発見が期待されています。

 その「かぐや」が、本日、ようやく打ち上げられました。先月の打ち上げ予定が機器の取り付けミスで一ヶ月、さらに天候によって一日遅れた中でのようやくの成功です。

「かぐや」打ち上げ成功 予定軌道へ  Sankei Web

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星「かぐや」が14日午前10時31分、種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケット13号機で打ち上げられ、予定軌道への投入に成功した。かぐやは米アポロ計画以来となる本格的な月探査機で、地形や元素の分布などを高精度に観測。月の起源や進化の謎に迫る成果が期待される。

 数年前の打ち上げ失敗が私の中で意図を引いていまして、今回もかなりドキドキしていたのですけれど、その心配も杞憂に終わって何よりです。

 本格的な調査開始は12月から。今後、立て続けに中国、インド、アメリカと調査衛星が月に向かいます。その先陣を切っていくかぐやには、ぜひすばらしい調査結果を期待したいものです。

 そして、最後に私が言いたいことは・・・やっぱ「かぐや」よりも「SELENE」の方がいい名前だと思うなあ・・・

ATRACを捨てたソニー

2007-08-30 20:56:40 | Weblog
 今、私の使っているポータブルプレイヤーは2つ。初代iPod nanoとCreativeのMovoです。それまで富士通製のプレイヤーに一度手を出しましたが、ここ二年ほどはずっとこの二台だけでやっています。
 もちろん、他のメーカーの物に食指が動かなかったかというと嘘ですし、特にあの香水瓶型のソニーのネットワークウォークマンが出てから、そのデザイン性にはずっと惹かれていましたが、結局今まで手にしたことは一度もありません。

 何でといいますと、私のメインの音楽プレイヤーはiTunesであったからです。

 当然メインのポータブルプレイヤーはiPodになりますし、他に音楽管理ソフトを入れる気は完全に失せましたので、楽曲の転送に別途ソフトウェアが必要な機器はすべからくアウト。そういう意味で、ドラッグ&ドロップで楽曲転送ができるCreativeは便利な存在でした。それとは逆に、転送にソフトウェア必須であるネットワークウォークマンは全く縁遠い機械になってしまっていたのです。

 しかし、Sonyもいつまでも立場を誇示するような愚かなマネはしないようです。
 いや、ようやく気づいたとでも言いましょうか・・・ドラッグ&ドロップに対応したネットワークウォークマンをとうとう発売するようなのです。しかも、大事に育ててきたATRACを捨てて。

ソニー新ウォークマンA610シリーズ、ATRACを捨てWM DRM対応、D&D転送可 engadget

欧ソニーのIFAプレスカンファレンスを受けて、米国でも新ウォークマンが発表されました。ラインナップは小型ですっきりしたデザインの新型S610シリーズと日本で3月に登場したA800系のアップデート版A810シリーズとなり、最大の特徴はWindows Media DRMをサポートしてATRACサポートを落としたこと、および非DRMファイルについてはドラッグ&ドロップでの転送が可能になったこと。

 今回のばっさりとした仕様変更により、iPod以外の他社と同じWindows Media対応プレイヤーの土俵に「あがった」と言うことになります。
 個人的には、「失敗を認めず」ずっと独自仕様でやってきて「キズを大きく広げきった」ATRACを切り捨てたことは大きく評価できますし、ドラッグ&ドロップに対応したことは本当に喜ばしいことです。

 全てにおいて少々遅すぎた気もしますけれど、日本市場で発売されることになったら個人的には欲しいですね。そして、この分野でのソニーの復権についてはむしろ熱望していると言ってもいいかもしれません。
 「iPodとその他」の市場を少しでも変えて欲しい。「PS2とその他」の市場はひっくり返されてしまいましたがね・・・

正にリケンショック

2007-07-21 22:36:32 | Weblog
15日の中越地震から一週間、とんでもない被害を被った業種があります。

それは自動車産業です。

と言いますのも、自動車部品メーカーのリケンという会社の工場が大きな打撃を受けており、各社に部品を供給できないため、自動車生産ラインが止まってしまったのです。

調べてみると、ピストンリングという部品らしいのですが、それひとつ、供給できない為に、産業自体がとまってしまうわけです。

金融の世界でもそうですけど、分散によるリスクヘッジって大切なんだと、改めて考えさせられましたね。

日本において、一工場で独占的に作ってるもので、最初に思い浮かんだのは太陽誘電のCDーR。 出回るメディアが海外製ばっかりってのはちと困るのですけどね‥‥

 ちなみに、こういうことってそのまま日常生活にも当てはまるんですよね。

リスクヘッジ、出来てますか?

ウイルスチェックも無料で

2007-07-19 21:25:03 | Weblog
 まずは乗り換え版から始まり、複数台ライセンス、高級化と低価格の二極化、年間更新料無料と話題が推移してきたセキュリティソフトウェア。
 このような収益モデルの変化、多様化は、「セキュリティーソフトの一般化」が大きく関わっているように思います。

 WindowsXPの登場初期は、コンシューマーレベルではセキュリティーソフトを導入しないのが一般的でしたが、現在は”導入が前提”となっています。以前は市場規模もたかがしれており、古参ソフトウェアハウスの独占だったこの分野にも次々と新規参入企業が増えていき、現在の状況に至っています。

 その中で異色かつセンセーショナルな登場をし、一時期記憶から抹消されたかのように、全く話題に上らなかった企業があります。

 キングソフトです。

 中国資本を背景に、年間980円という破格の更新料がウリのセキュリティースイートと、MS Officeそっくりがウリのオフィススイートをひっさげて華々しく?表舞台に現れた同社ですが、最近はインターネットセキュリティZEROやOpenOffice.orgにお株を奪われて、すっかり鳴りを潜めていたのですが・・・

 ここにきて非常におもしろい収益モデルを提案してきたようです。

完全無料の総合セキュリティソフト キングソフト、広告モデルで ITmedia

キングソフトは7月19日、無料の総合セキュリティソフト「Kingsoft Internet Security free」の配布を始めた。広告事業者やポータルサイトと組み、ソフトの操作画面に広告を表示することで収益を得る仕組み。ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどを含む総合ソフトの無料化は「国内初では」としている。

 セキュリティーソフトは、言わば日陰の存在です。主張するのではく、裏で黙々と動いていることが求められます。それなのに広告モデル?・・・と考えてみると、以外とセキュリティー警告やスキャン画面を目にすることって多いのです。
 また、ポータルサイトと組んで、見た目のカスタム化されたセキュリティーソフトを導入するという「Lunascape的」手法も意表を突かれました。普段目にするブラウザならともかく、セキュリティーソフトでその発想はなかったです。

 キングソフトのこの試みが成功すれば、それこそメーカー製PCやショップブランドにフル機能のセキュリティースイートをバンドルすることへの敷居がグンと低くなりますし、また、学校や選挙の時に配布といった、新しい啓発活動にも使えるかもしれません。
 また、ウイルスセキュリティーゼロと同じく継続停止リスクが大変低いですので、うまく普及しさえすれば、あるいは日本におけるセキュリティ管理に革命を起こせるかもしれません。

 つまり私が言いたいことは、ボットネットワークが一つでも減ってくれればということ。キングソフトがいけそうならば、政府主導で国産セキュリティースイートに広告モデル載っけて推し進めてくれないものでしょうかね? 

IntelとAMD、OLPCで協力する

2007-07-17 19:33:44 | Weblog
 世界中の子供にPCを与える計画、それがOne Laptop Per Childプロジェクトです。このプロジェクトの背景には、発展途上国の子供たちがPCの使い方を覚え、教育環境を改善しようというものがあります。
 そして、そのラップトップ、日本で言うノート、の値段は100ドル。つまり日本円にして1万2千円程度。電源やネットワークなどの数々の問題を解決するためのアイデアも満載という夢のようなガジェットです。

 要は、プロジェクトの正否も気になりますけれど、個人的にはそのノートPCに大きな興味がありまして、これまで何度かこのブログでも取り上げています。

 で、久々にOLPCプロジェクトのニュースが表に出てきました。ちょっと波乱含みですけどね。

インテル、OLPCプロジェクトに参加 CNET

Negroponte氏が率いるOne Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトはIntelをパートナーとして迎え入れ、同社を今後のサプライヤーの候補に加えることにした。両者が米国時間7月13日午前、発表した。Intelは、Google、eBay、Nortel、Advanced Micro Devices(AMD)に続き、OLPCの11社目の参加メンバーとなる。

 IntelがOLPCに協力することが何で話題になるか、といいますと、Intelは今までOLPCに対して完全に敵対しており、ClassmatePCという低価格PCを発展途上国に対して売り込んできたという背景があるからです。
 Intelの言い分はこう。

「奴らは俺たちから市場を奪う」

 現在、PC市場は一部の先進国のみで形成されており、発展途上国はまだまだ未参入といってもいい状態です。チップメーカーのIntelとAMDは新興市場として非常に有望視していたものの、OLPCとはいち早くAMDがパートナーシップをとったため、Intelとしては自社の利益を守るため、敵対行動をとる必要があったわけです。

 しかしながらOLPCの事業形態とビジネスモデル、特異なマシンは、マスメディアと各国政府の興味を集め、実際に運用実験を勧めるところまで進んできています。
 となると、別路線を探るよりも協力した方が、自社イメージ的にも得・・・などとIntelが考えた・・・かどうかはわかりませんが、とにかくIntelはOLPCの新たなパートナーになったわけです。

 しかし、そういう政治的な駆け引きは私にとってはどうでもいいことです。
 興味があるのはただ一点。

「最終的にどっちのCPUが載るの?」

 今のところはAMDのGeode(500MHz)が載っていますけれど、これが Core2 SoloやCeleronになるかもしれないわけですよ。もしかしたら、合作がくるかも・・・などといろいろと想像できるわけです。

 Intelが現時点で協力できる分野としては強力なLinux研究チームが上げられるそうですけれど、いやがおうにも期待してしまいますね。

 どちらにしろ、現在敵対しているメジャーというとMicrosoftくらいとなったOLPCプロジェクト。どのような協力であったとしても、今回のIntel加入はいいニュースです。
 早く量産機が見たい、そして市販されないですかね?

セカンドライフはそこまで魅力的なのか

2007-07-15 22:33:36 | Weblog
 私はオンラインゲームというのものをやりません。以前はやっていましたが、どうにもなじめなかったのです。食わず嫌いだと言われようが、たぶんセカンドライフにも食指をのばすことは無いでしょう。

 しかしながら、セカンドライフのメディア上での盛り上がりは相当な物です。
 様々な書籍がすでに出ており、日本企業もセカンドライフ内にオフィスを構えたりと活発な動きが見られるようです・・・が、実感としては、とてもじゃないけれど盛り上がっているようには思えないんですけれど・・・

 米リンデン・ラボ、「セカンドライフ」日本語版の試験提供開始 Nikkei.net

仮想空間「セカンドライフ」を運営する米リンデン・ラボは13日、セカンドライフの日本語版の試験提供を始めた。利用者が最初に訪れる「オリエンテーションアイランド」(生活のイロハを案内する)の表示や操作画面などの言語を日本語にした。すべて英語表記だったが、日本語にすることで日本人の利用者拡大に弾みがつきそうだ。

 このたび、めでたく日本語版の試験運用が始まったセカンドライフ。実際問題として、どれくらいの市場規模を持つのかといいますと、

OGF

 ここの「オンラインゲーム市場統計調査報告書2007」概要版を見てみますと、オンラインゲームの市場規模は1,015億円で、そのうち運営サービス売り上げは約737億円となっています。登録ユーザー数は延べ4,200万人で、一人あたりの平均月額は5,151円だそうです。

 前年度比と比べてみますと、登録人数は150%増にも関わらず、市場規模は120%増。しかし、一人あたりの月刊平均利用額は5,821円から5,251円へと減少に転じています。なお、単純に登録人数で市場規模を割っただけではユーザー一人あたりの金額に達しませんので重複登録者が出ていることがわかります。

 単純に「市場規模割る延べ登録者数」で平均利用額を割ってみますと、一人3.28本のゲームを掛け持ちしているようです。となると、オンラインゲーム全体の登録者数は1200万人・・・アレ、予想以上に多い・・・?前年度は917万人なので、伸び率も40%と超高水準です。

 ・・・うーん、当初の思惑と外れてきました。案外オンラインゲームの市場規模って大きかったんですね。思いこみって怖い。

 気を取り直して。
 セカンドライフの日本人登録ユーザー数を見てみますと、

約17万人

というリンデンラボの報告があります。あれだけ騒がれたにしては、やけに少ないと思いませんか?実際に1200万人もオンラインゲームユーザーがいるいるわけですから、むしろ泡沫サービスと言っても良さそうです。
 となると、市場原理を持ち込んだことに対するマスコミの過剰反応と、導入がたやすいことによる企業の先物買いの風潮が、一種の”バブル”を作り出しているのではないか、と考えられるわけです。

 果たして、日本でもビジネスとしては成功するかどうか。そして、その土壌の上で、新たなビジネスを継続的に行っていけるかどうか・・・二重の成功の前提で成り立っているバブルですから、非常に危ういと感じます。
 株式バブルと違ってリスクは低そうですが、あまり入れ込み過ぎるのは待った方が良さそうだと私は思いますけれどね・・・

PVではなく「滞在時間」では正しい?

2007-07-11 23:20:33 | Weblog
 ウェブページがどれだけ注目されているかを直接的に表す指標として「ページビュー」という考え方があります。これは、そのページが何度ブラウザに読み込まれたかをカウントすることで、延べ何人がそのページを閲覧したかを計測するものです。
 これは、現在のウェブビジネスの根底にある考え方であり、広告料金の算定や影響力の調査に広く使われています。いわば、テレビで言う視聴率のようなもの。
 しかしながら、このPVというモノは、人海戦術を使えば割と簡単に操作できるモノであることも知られています。一時期広告ビジネスを巡って問題になったものです。

 要するに、PVは「ベターではあるけれど、ベストではない」指標と言えるでしょう。

 そうなってくると、PVだけを考慮するのではなく、より正確な判断を下すために「ほかの選択肢」も視野に入れたいところですが・・・


最良の指標は「総滞在時間」、Nielsen//NetRatingsが位置付け見直し Internet Watch

 米Nielsen//NetRatingsは10日、サイトの価値を推し量る指標として、「総滞在時間」を最良の指標と位置付けると発表した。

 同社はこれまでにもオーディエンス計測サービス「NetView」で、1人あたり平均滞在時間、1人あたり平均セッション数を報告していたが、今回新たに総滞在時間と総セッション数を指標として加えたことも明らかにした。



 つまり、みられた数ではなく、累積時間を判断するという新たな方法が提示されたということです。
 これによると、GoogleはAOLやYahoo!に抜かれ、5位に転落するそうですが・・・

 正直なところ、私はこれもベターでありベストではない選択肢であるとしか思えません。

 検索に特化したGoogleと、メールサービスなど、機能の充実で勝負するAOLでは、滞在時間では勝負にならないのは明白でしょう。逆に、ユーザー以外は寄りつかないAOLと、検索のみが目的でも閲覧されるGoogleではPVの分野では勝負になりません。

 要するに、「これが最適」と言い切るのではなく、二つ以上の要素を複合させて判断を下すという、これまで以上に複雑なステップがウェブの世界でも求められていると思うのです。

 少なくとも、PVだけで判断する時代は終わりを迎えようとしていることは明白です。今後はより多角的にウェブページを分析していくことが、新たなビジネスには必要とされていくことでしょう。・・・そして、それが「スパム」にならないことを祈っています。