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Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

消えるリアプロの灯

2007-12-27 19:56:11 | Weblog

 ブラウン管全盛の時代、他のテレビに比べてひときわ大きいテレビが買えると言うことで、一時期話題になったテレビがあります。
 画面の下側、もしくは裏側に投影機を用意し、通常のテレビの画面に当たるスクリーンに映し出すと言うもので、大きくなればなるほど重くなっていたブラウン管テレビに比べて、画面も大きく、それでいて軽くできるのが特徴でした。そのテレビの名は”リアプロジェクションテレビ”。そのまま、「後ろから投影する」と言う名前を持ったテレビです。

 時は流れて現代。言わずと知れた液晶全盛の時代です。
 今では液晶テレビもずいぶんと大画面になりましたし、消費電力だってブラウン管とは比べものにならないほど小さく、それでいてとっても薄くて取り回しも楽。案の定ブラウン管はあっという間に世代交代となりました。

 そんな世の中でも、リアプロジェクションテレビの灯は消えてはいませんでした。住宅事情が寛容なアメリカにおいて、「大画面TVが液晶より安価」という理由で好まれたからです。

 しかしながら、日本においては「リアプロ?何それ?」と言うくらいの知名度であり、売り場でも見かけることは難しく、そもそもそんなでかい画面のテレビをどこに置くのよ?という住宅事情もあり、さっぱりヒットには至りませんでした。
 そういう経緯もあり、かつて採算度外視で進められたハイクオリティ家電シリーズ「クオリア」のラインナップにも加えていた、日本きってのリアプロびいきであったソニーも、リアプロと縁を切ることにしたようです。

ソニー、リアプロTVから撤退・08年2月生産終了 Nikkei.Net

 ソニーはリアプロジェクション(背面投射型)テレビ事業から撤退する。来年2月末をめどに国内外の3つの工場で生産を終了し、在庫が無くなり次第販売もやめる。ソニーはリアプロの世界最大手だが、液晶テレビなどに押され市場の縮小が続くと判断した。松下電器産業、キヤノン、日立製作所が提携するなど電機各社が薄型テレビ事業に力を入れるなか、ソニーは液晶と有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)に経営資源を集中して対抗する。

 すでにエプソン、日立が撤退を決めた中、ソニーが続くことで、残るはビクターのみ。日本におけるリアプロの灯はほぼ消えたことになります。そもそも、メンテナンスフリーの家電が好まれる日本において、定期的にランプを交換しなくてはならないリアプロはどうしたって不利です。数年ごとに1万5千円から2万円程度のランニングコストがかかるというのはちょっと買うのを躊躇してしまいます。

 さて、これでテレビ市場は液晶とプラズマ、有機ELが残りました。今後はプラズマの進退と有機ELの躍進に注目が集まりますが・・・国内メーカーにはテレビだけではなく、PC用のディスプレイにも力を入れて欲しいと重ね重ねお願いを申し上げます。


日本郵政の新たな旅立ちの象徴は・・・年賀状?

2007-12-22 21:03:33 | Weblog

 2007年10月1日、日本郵政公社は民営化により「日本郵政株式会社」となりました。元々の業務は分割された子会社に分割され、郵政事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険により運営されることになりました。
 やっている事業的には変わっていないので、今までとサービスが特に変わることはありません。会社が変わってもあくまで運営だけの話で、窓口となる郵便局もロゴが変わった程度です。

 基本的には変わらない、とは言っても、そこはそれ。民間企業になったのですから、どうしても変わる部分だって出てきます。今までは利益度外視で・・・いや、郵便局は採算性を貫いてたから、元々利益追求はやってたんですよねぇ・・・えっと、利益追求に対する姿勢をよりアグレッシブに、悪く言えば「露骨」に外に出せるようになったわけですよ。

 そして年末のこの時期は、郵便事業にとっては一大イベントが待っています。そう、日本中の人が、老いも若きも郵便を出して挨拶をするという「年賀状」です。電子メールがいくら流行っているとはいえ、なんだかんだで無くなりませんね、このイベント。やっぱり物として残るのがいいんだと思います。

 さて、その年賀状ですが・・・今年は今まで以上に力を入れているような印象を受けます。

年賀状は、贈り物だと思う。

 このような特集ページを、わざわざドメインまで取って運営していたり、豪華な出演者でCMを何バージョンも作ったり・・・そして、よく見かけるのが年賀状の出張販売。
 私も世間の例に漏れず、年賀状を作るために本日奮闘していました。そんなときふと気づいたのが、プリンタのインク。黒はまだあったのですが、他の色が軒並み半分以下と心許なかったので買いに出かけることにしました。向かったのは郊外型大型電気店。その入り口のすぐわきの、NTTの光ファイバーキャンペーンの隣に、ちょっとした屋台としか形容詞がたきものがしつらえてありました。
 日本郵政の年賀状出張販売所です。外が雨だったこともあるのですが、帰りにコンビニで買っていこうと思っていたはがきが店舗内で買えるのですから、正直ありがたいです。 最近はPCでの年賀状作成がスタンダードになりましたので、足りないインクとともにはがきが買えるというのは確かに便利。電気店というのは以外に穴場なのかも知れませんね。

 郵政民営化後の初めての年賀状。自社の存在を世間に認知させるには、一年でもっとも都合がいい時期であります。年賀状のパッケージにも目立つワンポイントでしっかりと主張していましたし、同時行っている味・旅・宿キャンペーンなど商業主義に走った企画など、全体から漂ってくる「俗物」な感じそのものが民営化を主張しているようで、何というか「変わったんだな」と安心しました。
 しかも今年(来年頭)が初年度と言うことで、日本郵政の門出をはかると言う意味でも失敗できないと言うことなのでしょうが・・・くれぐれも無茶な経営などで暴走しないよう、競合他社と切磋琢磨してサービスの向上に努めていただきたいものです。


ソニー製iPhone出るか? タッチパネル内蔵液晶を発表

2007-12-20 23:59:59 | Weblog

 タイトルとは全く関係ありませんが、ニコニコ動画で人気の「初音ミク」の楽曲のJASRAC登録について、ドワンゴのあまりに一方的且つ作曲者に大して誠意的でないやり方に、初音ミク発売元のクリプトンフューチャーメディアをはじめとする各方面から非難が殺到し、祭りになっている模様。ある意味、ニコニコ動画で権利的に一番クリーンなコンテンツであったために、JASRAC登録は正直残念でなりません。今後の各方面での対応が注目されますが・・・

 さて、タイトルの話題に戻します。

 基本的には枯れた技術を使いつつも、大きな注目を浴びたiPhone。そのDNAを受け継いだ、と言うか電話機能を外したiPod Touchが日本でも投入され、好評を博しています。このiPhoneが注目された最大の理由は、マルチタッチによる革新的なインターフェイスを実装したこと。静電容量式のタッチパネルや加速度センサーをうまく組み合わせて、徹底的にチューニングを施したソフトウェアを載っけることで、「まるで指に吸い付くような」違和感の無い操作性を実現しています。実際に使っていても、あまりに直感的に操作できるので、実はこれってすごいことなんだ、となかなか気づかないくらいです。

 ところで、iphoneに使われているタッチパネルは静電容量式のものです。静電容量式のタッチパネルには、指以外だと専用のスタイラス以外は使えない、光透過率が悪いという弱点があります。また、スタイラスの問題を解決している感圧式のものは画質や厚みの面が弱点といえるでしょう。要するに、一長一短って事です。

 今のところ、「専用スタイラスしかつかえない」タブレットを除いて、デジタルデバイスのタッチパネルではこれらの二種類が使われているようです。(ATMのような据え置き業務用途では、他の方式も使われてますけれど、今回は省きます)
 さて、ソニーの開発した新しいタッチパネルは、これらの二方式が牛耳る市場に食い込めるでしょうか?

ソニー、タッチパネル機能を液内蔵した低温ポリシリコン液晶ディスプレイを開発 CNET

 このディスプレイは、同社がこれまでに積極的に開発を行い、モバイル用液晶ディスプレイとして商品化を図ってきた低温ポリシリコンTFT技術をさらに進化させたもの。光センサーと読み出し回路をガラス基板上に形成することで、操作性の優れたタッチパネル機能内蔵液晶ディスプレイを実現した。

 この新しいタッチパネルの特徴としては、薄い、画質が上げられる、そして、光センサーを使っている事です。

 先の二つは説明の必要は無いと思われますが、光センサーはどんなメリットがあるかと申しますと、まず、光学的な変化を読み取るものですので、画面には軽く触れれば動作します。そして、多点の読み取りにも柔軟に対応できます。また、指以外にもスタイラスが種類を選ばずつかえます。ただ、筆圧は原理的にも検知は難しそうに思います。

 マルチタッチ、3.5インチという液晶のサイズなど、もろにiPhoneを意識していると思われるこの製品。iPhoneというよりも、「iPhoneに魅せられた開発者」の方が正しいかも知れませんが、とにかく、色々とアイデアを詰め込めそうなアイテムです。また、解像度の点ではiPhone搭載の液晶を上回っているのはさすが。

現在の携帯電話に足りないモノは、使いやすいポインティングデバイスだ、とPCサイトビューワーを使いながら常々思っていただけに、 未来のBravia携帯に夢を見えるのはうれしいところ。そして・・・PSPの”次”にこのディスプレイを「しれっ」と搭載してくるなんてことになったとしたら・・・今度は岩田社長が笑ってすますかどうかに注目、なんてことになってしまうかも知れませんね。


Asus Eee PC、2月に国内販売開始

2007-12-19 19:10:49 | Weblog

 OLPCがXOを諸外国政府に向けてアピールし、様々な技術を盛り込んで低価格化した、通称100ドルPCこと「XO」。一方、AsusはEee PCを作った。

 と言うことで、アメリカでは実際に市場投入がされているこれら二機種について、AsusのEee PCが先に日本上陸するようです。

Asus Eee PC 国内登場は2月、予価5万円前後 engadget Japanese

日本以外の各地域で大いに盛り上がる低価格ミニノートAsus Eee PCの国内販売が正式にアナウンスされました。発売は2008年2月、価格はオープン / 想定5万円前後。

 引用元のengadgetでは、現在発売されているうちの最上位機種である、8GBフラッシュメモリドライブ/1GBメインメモリの機種を希望したいとありますが、値段的に考えてもそのクラスが妥当ではないでしょうか。

 また、日本独自のフューチャーとして、Linuxモデルは用意されず、Flash版のWindowsXPをプリインストールして出荷されるとのこと。日本での普及割合や、経済的な面を考えても実に理にかなった判断だと思います。

 詳細なスペックはこのあたりを見てもらうとして。
 無線LANにローエンドのCPU、小さいHDDで光学メディアは無しという、低価格故の潔いPCですが、モバイルでの軽作業専用として使うならばその筐体の小ささとシンプルさも相まって、なかなか使い勝手は良さそうです。何より、その奇をてらっていない外観は汎用性が高く、XOと比べても道具としてみれば高評価です。いくらモノとアイデアが優れていても、外で使うのが恥ずかしい点はやはりマイナスでしょう。

 逆に考えれば、中途半端なスペックのおもしろみのない低価格機ともされそうですが、Eeeのエポックなところは「新品のWindowsノートPCを5万円で出す」ところ。これまで、良くて8万円台という新品市場で、破格とも言える5万円前後に踏み込んだのは評価されるべきでしょう。別に最新でなくてもいいから、価格を安く、それでいて使えるもの、という条件は、「ビジネス機」もしくは「サテライト機」と考えれば十分に満たしています。
 ムービーをちょっと見る、出先での簡単なプレゼンに使う、枕元でインターネット、取材先で原稿を書くと言ったように、用途を絞れば便利に使えるのではないでしょうか。ゲーム機並みの値段を考えれば、そういう用途にも特化させやすいと思います。

 と言うことは、目的が定まっておらず、何となく安いからで購入すると、結局何にも使えずに埃をかぶるだけ、という事にもなりかねませんから、「低スペックミニノートが本当に自分に必要なのか」、買う前によく考えることが必要だと思います。ちなみに、私は非常に微妙ですね。必要なような、そうでないような。

 決してメインマシンには出来ないけれど、鞄に入れておけば便利・・・B5モバイルをさらに手軽にしたこのPCが、新しい市場を切り開くかも知れません。そして、それは2月ともうまもなくまで迫っているのです。

 

 ・・・UMPCも忘れないであげてください。


健康被害で携帯電話の基地局撤去? 「健康被害」調子づかせてしまうのか

2007-12-18 19:22:17 | Weblog

 今や携帯電話の契約台数は1億台を超え、市民生活に取って無くてはならないものになりつつあります。今更、無い頃に戻れと言われても、私は戻る自身はありませんね。

 しかしながら、そういう流れが気にくわない、より具体的に言えば「基地局から出る電磁波」が気にくわない人たちが割とたくさんおり、各キャリアとトラブルを起こしているようですが・・・ここで、やっかいな事件が起こってしまいました。

稼動中のドコモ基地局、異例の撤去へ 兵庫・川西 産経ニュース

 携帯電話のアンテナ基地局が発する電磁波で耳鳴りがするなど、健康を害されたとして、兵庫県川西市の住民らがNTTドコモ関西(大阪市)と基地局の土地を所有する阪急バス(大阪府豊中市)に対し、基地局の撤去を求めた公害調停が大阪簡裁であった。ドコモ側は健康被害を認めていないが、撤去を決めたため、住民側が調停を取り下げることで合意した。総務省によると、稼働中の基地局が撤去されるのは異例という。

 一見、「健康被害が原因で基地局が撤去」ともとれるこのニュース、実態は、「地元住民とトラブルになれば借地の契約更新をしない」という条文に則って、阪急バスが「撤去」の意向を出したと言うのこと。ドコモはあくまでも「電磁波と健康被害の因果関係は無い」という立場を貫いています。

 が。

 この「健康被害が原因で基地局が撤去」ともとれることが問題。調子に乗った日本各地の「自称被害者団体」が、撤去の申し入れを強める可能性があるわけです。今回のケースでは、他局によるカバーで現状維持できるということでしたが、今後、自分の家が「撤去運動」のおかげで圏外になってしまうなんてことが起こるかも知れないのですよ?私にとっては、因果関係が全くはっきりしていない電波による健康被害よりも、そっちの方が恐怖ですね。

 人間が電気を使って生活している以上、様々な電磁波を体に浴びています。蛍光灯然り電子レンジ然りPC然り。今更何もない生活に戻れと言うのは、まったくもって不可能に近いです。

 そもそも、原告の彼らは、彼らと家族含めて誰も携帯電話を使っていなかったのでしょうか?それとも、基地局さえどこかに行けば、それこそ他人がどうなろうと知ったこっちゃ無かったんですかね・・・?
 海外でも同様の訴訟がいくらか起きているようですけれど、「携帯電話サービスは必要だが基地局は来るな」というもの。原発でも同じですね。今回の件も同じようなものなら、他人の事なんて知ったこっちゃ無かったんでしょうね。・・・そもそも、この原告って何人くらいだったのでしょうか?もし数人が騒ぎ立てているだけで、その結果として携帯電話がその地域で使えなくなってしまったとしたなら、新たな問題の種になっていたような気がしますけれどね。

 まあ、なんにせよ。他の地域にこういう問題が飛び火しないことを祈るとともに、原告側も訴えるならば、しかとした科学的根拠の提示をしてもらいたいもの。私たちは電気も、携帯電話も、世の中からすでに排除出来ないくらいに普及させてしまったのですから。

 個人的には悪い影響の出た「プラシーボ効果」だと思う・・・


ソフトバンク、第2世代携帯電話終了のお知らせ

2007-12-15 19:07:19 | Weblog

 まず最初に、簡単なおさらいを。

 携帯電話の話の中で、よく「3G」という言葉が出てきますが、これは「3rd Generation」つまり「第3世代」の略になっています。DocomoのFomaとか、auのWINおよびCDMA 1Xがそれですね。ちなみに、当のソフトバンクは、そのまま3Gシリーズと言っています。
 世の中全部が3Gならここまでこの単語が出てくることもありませんが、Docomoの2G携帯ブランドであるmova(ムーバ)はまだ市販が終了しておらず(auのcdmaOneは2003年に終了済み)、現時点での携帯電話市場には、第2世代と第3世代が混在していることになります。

 そんな中でソフトバンクが第2世代携帯電話の新規加入を終了するという発表をしました。

ソフトバンク、第2世代携帯サービスの新規加入を08年3月で終了 IT PLUS

 ソフトバンクモバイルは14日、2008年3月末で第2世代携帯電話サービスの新規契約受付を終了すると発表した。プリペイド型も含めて第2世代は申し込めなくなるが、既存の利用者向けのサービスについては当面継続する。08年2月上旬からは第3世代の携帯電話で使えるプリペイドサービスを始める予定。

 これで、日本における既存キャリアでは、Docomoのみが2G新規契約をあつかうということになります。

 ちなみに、通信速度のわかりやすい例として、2Gの最速データ規格としてEDGEがありますが、こちらが最高473.6kbpsまで。約0.5Mbpsですね。対して3Gの、現時点での最速規格であるHSDPA(W-CDMAの拡張規格で、FOMAハイスピードとして実用化済み)が最大14.4Mbpsと28倍の開きがあります。一般の利用においては、3Gの低価格化により価格面でも性能面では言うに及ばず、2Gを選択する利点はほぼ無いと言ってもいいでしょう。かつて、人口カバー率を魅力として、ビジネス用途には根強く使われていたようですが、すでにそのメリットはありません。現時点で2Gの必要性はプリベイドのみと言ってもいいでしょう。

 キャリア側としても、規格を混在させるよりも一本化した方が管理費用はずいぶんと減るでしょうし、サービスも充実させやすいというもの。かつてのソフトバンク(というかvodafone)にとって、プリペイド携帯は生命線だったのかも知れませんが、現在では利用は落ち着き、通常加入が好調さを支えています。3Gでのプリペイド携帯も用意するというと言うことですし、時期的にはいい頃合いだったのではないでしょうか。

 それにしても・・・何ともおもしろい時代に居合わせたものです。携帯電話の黎明期からずっと見てきましたけれど、馬鹿でかいアナログ端末から小さなデジタル端末に替わり、通信速度の面での差別化の為に3Gという言葉を全面に押しだして世代交代をアピール。そして、デジタル化した当初規格の終焉が目の前に迫ってきました。まだ4Gが話題に上ることは無いですが、次の世代ではどんな訴求点を持ち出して、切り替えを促すのでしょうか。通信速度が上がれば出来ることは増えますけれど、PCのブロードバンド化を見ていれば分かりますが、サービスが伴っていれば何も変わることはありません。

 果たして、各キャリアはどんな次のサービスを生み出していくのか。第2世代の終わりに第4世代を思うというのも・・・いやはや、通信系はPC業界に輪をかけて、ドッグイヤーで過ぎていくものですね。


AMD 8コアCPU、GPU統合CPUリリースへ

2007-12-14 20:07:49 | Weblog

 PCの画面出力を行うグラフィックカードは、大きな二極化市場です。GeForceシリーズでおなじみのNVIDIAと、Radionシリーズで知られるATIテクノロジーズの両者が開発するGPUが、世界シェアをまっぷたつに分けているのです。その構図は、2006年10月25日、AMDがそのATIテクノロジーズを買収、完全子会社化してからも変わることはありませんでした。

 元々、ATIが買収されたとしてもグラフィックカード関連はこれまでの路線を継続するととはほぼ規定事項とされており、特段驚くべきところではありませんでした。もっとも、AMDには大きな変化があると思われたのです。

 買収時から出ていた予測として「CPUとGPUを統合した新チップ」の登場がささやかれていましたが、買収後一年が過ぎてようやく片鱗が見えてきたようです。

AMD、2009年に8コアCPUや「CPU+GPU」チップを投入 ITmedia

 AMDは同年に、「Accelerated Processing Unit」という新しい名称の下、GPUと1個以上のCPUを同じチップに載せた「Swift」を提供開始する。このCPUは、現行Phenomラインで使われているAMDのマイクロアーキテクチャ「Star」の一部となる。このチップを使った新しいノートPC向けプラットフォーム「Shrike」も計画しているが、同社幹部は詳細を語らなかった。

 さて、個人的には同時に発表された8コアのプロセッサも非常に気になりますけれど、注目すべきはやはりこちらでしょう。

 CPUとGPUの統合による効果というと、システム全体のチップ数の削減が上げられます。実装面積や消費電力の低減が見込めるますので、チップレイアウトの自由度が上がることでしょう。それによって、よりちいさなモバイルPCの開発や、より薄いタブレットPC、より場所の取らないデスクトップのデザインが期待できそうです。モノによっては、携帯電話サイズのPCも実現できるかも知れません。

 今や、グラフィック機能をマザーボード上に実装する事が普通に行われていますけれど、それにGPU統合CPUは新たな選択肢を増やすことになるでしょう。選択肢が多ければ多いほどいい、とは言いませんけれど、商品の幅が広がるのは単純に喜ばしい事。とりあえず、マイクロソフトが進めるUMPCにはとても大きな朗報になるかと思われますので、今後の展開を楽しみに見守っていくこととしましょう。


携帯フィルタリングサービス 未成年者へほぼ義務化

2007-12-13 19:43:45 | Weblog

 インターネットはパラダイスでもあり、伏魔殿でもあります。

 有益な情報はいくらでも転がっていますけれど、有害な仕掛けや罠が、至る所に口を開けています。それらの脅威から身を守る為、様々な自衛手段が提供されていますけれど、その中でももっとも初歩的且つ効果的、されど乱暴なものが「フィルタリング」です。
 便利な情報の可能性もあるけれど、とりあえずブロック。危なそうなサイトに寄せ付けないことで、ユーザーを危険から遠ざける目的で作られたフィルタリングサービスは、子供に見せたくない情報をシャットアウトする目的には非常にマッチしていますので、PCのセキュリティソフトはもとより、PS3やWiiなどの情報端末にもすべからく搭載されています。

 そして、それは携帯も同様。しかしながら、そのフィルタリングサービスを利用するには、買ってきた後、保護者が適切に設定をしなくてはいけません。要するに、保護者側にもリテラシーの高さが求められるわけですが・・・残念ながら、利用している保護者はむしろ少数派です。
 子供を信じている?そんな理屈が通用したなら、学校裏サイトがあれだけ流行ったり、様々な罠に引っかかるのを防ぐことが出来ないのは何でなのでしょうね?

 携帯電話は、まさしくパーソナルな物。親のコントロールの効かないやっかいなパンドラの箱なのですから、せめてその箱に鍵をかけることをした方がいいでしょう。そしてその鍵は、出来れば最初からかかっている方がいい・・・そう考えたのは、他でもない、政府でした。

 携帯フィルタリングサービス、未成年者は原則加入へ--総務省が携帯キャリア4社に要請 CNET Japan

 総務省は12月10日、出会い系サイトなど携帯電話の有害サイトの未成年者による閲覧を制限するフィルタリングサービスを対象者が原則加入することを求める要請を、携帯電話会社各社に対して行った。

 大変残念な話ですが、携帯の契約数が一億に届いたとはいえ、それだけリテラシーの高い人が増えたとは全く持って言えません。むしろ、比率的には減っていると考えてもいいでしょう。そして、こんなデータからも、それをうかがい知ることが出来ます。

18歳未満の子どもがいる保護者のうち、「利用している」と答えたのはわずか4.2%。20.8%が「子供が携帯電話を使用しているが、フィルタリングサービスは利用していない」と答えている。

携帯をメールと電話にしか使えない人たちが、ネットワークに繰り出す無防備な子供に枷をはめるなんて出来る訳ないじゃないですか。便利な道具である反面、危ない側面も持っていることを、今一度認識しなくてはなりません。

 そういうわけで、総務省のこの提言には私は賛成を示したいと思います。鍵を渡すかどうか、つまり、制限を解除するかどうかは、親が責任を持って判断すればいいだけのことです。そしてそれは、鍵を親にかけさせるより、よっぽど自然な形だと思いますけれど。

 私は、ネットが犯罪を生み出す、とか、ゲームが原因で、とか言うマスコミの論調には正直嫌気がさしていますし、規制が善だとは全く思ってもいません。
 ただ、いつの間にやらずいぶんとアナーキーになってしまった携帯ネットワークに、子供を無防備なまま放り込むことに危惧しているだけです。

 私の後輩は、携帯での不正請求に二度も引っかかりました。私に相談さえしてくれたなら、何とか食い止めることが出来たでしょうが、残念ながらすでに金を支払った後でした。それで懲りたと思ったのですが、今度はモバゲーにどっぷりはまっているようです・・・別に悪いとは言いませんけれど、一度や二度の失敗では引きはがせないほど、ネットの世界はおもしろいわけです。
 自分の行動に責任がとれる大人になるまでリスキーなネットを規制するというのは、子供にとってもその親にとっても、非常に理にかなっているのではないでしょうか。 


インフルエンザのワクチンに対する賛否両論

2007-12-08 18:53:38 | Weblog

 インフルエンザについて、過小評価をしていないだろうか?
 今は確かに滅多に死ぬような病気ではないですが、過去には数千万人の生命を、一度の流行で奪った「伝染病」なのです。現在でも、鳥インフルエンザなどのように、劇症型と言われる物では、十分に人が死にます。ちなみに、インフルエンザと言う名前自体も「インフルエンス=影響、感化」という、その流行性から付けられたものなのです。

 さて、これに対抗する物として、もっともスタンダードなのが「インフルエンザワクチンの接種」ですが、これについて、どうやら賛否があるらしいのです。

 その中で代表的な・・・と言うよりも、目に付いた記事を拾ってみました。まずは推奨派。

【主張】インフルエンザ いまからでも予防接種を msn産経ニュース

 インフルエンザが全国的に流行し始めた。予防にはワクチンが有効である。接種がまだなら、できるだけ早く済ませた方がいいだろう。厚生労働省も早期接種を呼びかけている。接種から効果が表れるまで2~3週間はかかるからだ。

 ワクチンを接種していれば、万一罹患(りかん)しても重症化は防げる。わが身を守るだけでなく、流行を最小限にとどめることにも役立つ。

 次に否定派。

双葉社刊『インフルエンザ・ワクチンは打たないで!』が訴えること PRON WEB Watch

 元国立公衆衛生院疫学部感染症室長の母里啓子(もり ひろこ)さん著によるタイトルは、そのものズバリ『インフルエンザ・ワクチンは打たないで!』。毎年インフルエンザの唯一の予防策のように展開されるキャンペーンに警鐘を鳴らし、著者自身の経験から、現在に至るワクチンの歴史をふりかえり、国家のワクチン対策における数々の矛盾を指摘する画期的な内容になっている。

 こんな両羽極端な意見が、それなりに知名度のあるところから出ているのですからどっちがいいのか迷ってしまいますよね。それならば、と中立の記事を求めてWikipediaに潜ってみましたら・・・

インフルエンザ Wikipedia

現行の皮下接種ワクチンは感染予防より重症化の防止に重点が置かれた予防法であり、健康な成人でも感染防御レベルの免疫を獲得できる割合は70%弱(同時期に2度接種した場合は90%程度までUP)である。なお、感染防御レベルの免疫を得られなかった者の中で発症しても重症化しないレベルの免疫を獲得している割合は80%程度とされる。100万接種あたり1件程度は重篤な副作用の危険性があることなども認識しなければならない。

 ここら辺が一番客観的でしょうか。要するに、100万人予防接種を打ったとしたら、70万人の感染を防ぎ、残りの30万人のうち、24万人は重症にはならないと言う効果があると言うことです。そして、1人はワクチンによる副作用が出る。ちなみに、ワクチンの精製には鶏卵を使っているため、卵アレルギーに配慮して、現在は小中学生へのワクチン接種の義務づけが無くなっているそうですよ。他にも、人権に反するとかって騒いだヤツも居たみたいですが。

 個人的には、94%効果が出るならば、十分に打つ価値はあると思います。もちろん重篤化のリスクも考えて、ですけれど。少なくとも70%の感染源をカットできると言うことは、かなり大きいのではないでしょうか。

 アポロの月着陸の事もそうですけれど、当たり前の事を「実は違った」と言い張れば、確かに注目を集めることが出来るでしょう。このワクチンについてだって、「実は効果が無いから打つな」と言えば、費用の関係もあるのでやめてしまう人もたくさんいるでしょう。

 でも、ですよ?

 これで、将来的にワクチンの接種が全く無くなったとして、毎年壊滅的な流行を引き起こした場合、誰が責任を取るんでしょうか?結局、自己の判断で打たなかったんだから、って一般人に責任をなすりつけるの?
 とりあえず、効果がある無いどっちでもいいから、国として一つの指針を早急に示すべきではないでしょうか。

 私は、手洗いうがい、はもちろんですけれど、ワクチンも立派な予防法の一つで、「社会的」には十分価値のあることだと思うんですけれどね。


携帯電話でWiiポイントを購入

2007-12-01 23:48:18 | Weblog

 本日Wii Fitが発売され、私も早速買ってきました。DSの脳トレに続き、今度は健康管理まで行ってくれる、正に家族を対象とした製品です。

 PS3やXBOX360とは立っているステージが違う・・・と言うよりも、ジャンルというか路線が全く違うことをますます明確になってきています。もともとの任天堂の戦略がそうなのだから仕方が無いかも知れませんけれど。ただ、一般ユーザーに対するこういう動きは、PCの歴史も含めて考えてもファミリートレーナー以来じゃないかと思いますので、実はすごく革命的な事なんじゃないかと思います。

 さて、このように「家庭に入る」敷居を下げたことによって、少しずつ「異質な」動きが出来てきました。

 それはつまり、「他業種との提携」です。

 例えば、DSの脳トレが流行ったことによって、大量のエデュケーションソフトウェアが流入したことは記憶に新しいですが、そういう「今まで縁の無かった業種のソフトウェアへの参入」ではなく、周辺サービスとしての補助的提携のことです。

 先日はNTTがWiiのネット接続についての新たなサービスプランを提供する事と、任天堂と提携して、ネット接続のヘルプデスクを設ける発表をしました。これは、Wiiがより一般的な層へのエンターテイメント事業の一角として、社会的に認められたことの一端を示す例です。
 そして今回、NTTに続いてKDDIが新たなサービスの提供を発表しました。

au、Wiiポイントを携帯電話から購入可能に--通信料金とまとめて支払い CNET

 Wiiポイントは、これまで任天堂商品取り扱い店やコンビニエンスストア、クレジットカードなどで購入するしかなかった。KDDIでは、このサービスによって、au携帯電話を通じていつでも簡単にWiiポイントが購入できるとしている。

 店頭で買おうとして躊躇してしまったり、いざというときに買い忘れていたWiiポイントの購入をぐっと楽にする新たなサービスです。今後、Wiiショッピングチャンネルの充実を図っていこうとしてる任天堂にとって、同サービスは大きな武器になるでしょう。今後Docomoおよびソフトバンクも後に続くのではないでしょうか?

 店頭で躊躇、とはまさしく私のことですけれど・・・これでWiiショッピングチャンネルでの衝動買いが増えてしまわないか、ちょっと心配ですね。

 皮肉なことに、「リビングの中心になる」事を最初から考えていたPS3より、「オモチャでありつづけること」にこだわったWiiのほうが、リビングにおいてもらうための戦略で勝っているのが現状ですが、ゲームをやる人だけのことを考えてゲーム機を作るという時代では無いと言うことなんでしょうか?
 そもそもゲームをやる時間が減り続けている私には、だんだん分からなくなってきました・・・

 ただ一つだけ言えることは、今年の年末商戦が終わったとき、いろんな意味で結果が出ると言うことです。