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Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

自殺幇助医師、釈放

2007-06-03 16:38:48 | Weblog
 「自殺することは良くない事だ」ということを立証するのは難しいと思います。
 それはそうだろうと分かってはいても、「何故自殺は良くないのか」と問われたときに、完璧な答えを用意できる人は少ないでしょう。

 特に、治癒の見込みがなく、ただ苦痛に過ぎてゆく末期ガンの患者が死を望んだとして、一体誰がそれを責められるでしょうか。

米「死の医師」釈放 安楽死めぐる議論再燃も 東京新聞

 「ドクター・デス(死の医師)」と呼ばれ、90年代に少なくとも130件の自殺ほう助に関係したとされ、同医師の事件をきっかけに安楽死をめぐる世界的な論議が巻き起こった。今回の釈放であらためて「死ぬ権利」をめぐる論議が活発化するとみられている。

 釈放されたのはジャック・キボキアン元医師。130人の自殺の手助けをしたと言うことですが、その130人のほとんどが、彼に対し感謝をしていることでしょう。彼がやったことは確かに犯罪だったのでしょうし、実際に患者を死に追いやっている事実もあります。ですが、患者が真に望んだことを手助けすることが、本当に良くないことなのでしょうか。
 現在の法律ではもちろんよくありません。しかし、患者の「死ぬ権利」が認められたとき、一体安楽死を手助けすることはどのような処分に処されるのでしょうか。

 私は、末期ガン、もしくは脳死状態など、回復の見込みが無い場合、生かしておいて欲しいとは全く思いません。家族の負担になるだけですからね。
 そう望んでいても、意識があるときは良いですけれど、いざその場面になってみると、それは私の判断を離れてしまいます。やはり、元気なうちにしっかりと意思表示をしておくことは大切なことなんですかね。

 死ぬ権利、私は必要だと思いますけれど・・・終わらない苦痛にのたうつより、死を選ぶことは、決して後ろ向きではないはずです。

Microsoftの新製品は「テーブル」

2007-05-31 23:59:59 | Weblog
 リビングにおかれているローテーブル。それがマイクロソフト社製だという未来が来るかもしれません。

 とは言え、マイクロソフトが家具にまで進出?というわけでは無く、同社が新しく発表したPCのスタイルはテーブル型だったのです。

これが未来のテーブルか?--MS、テーブル型PC「Microsoft Surface」を公開 CNET

 Microsoftは米国時間5月29日、製作に5年を費やし、ハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発した「Microsoft Surface」(開発コード名:「Milan」)の全貌を明らかにした。Surfaceでは、テーブル型のマシンの天板にPCの画面が投影され、マウスやキーボードを用いることなく操作できる。

 surfaceとは、日本語訳で「表面」という意味。テーブルの「表面」をそのまま「デスクトップ」にしたSurfaceは、まさにその意味通りのハードウェアです。

 詳細は記事に譲るとして、なんでも、指先で基本的な操作が全てできるようになっており、さらにクリックポイントを複数取れるため、多人数での操作や、より直感的な操作が可能だと言います。

 もっとも、一台100万円以上という価格から、最初はホテルやカジノなどの公共の場におかれて浸透を狙うとのこと。

 さて、このMS Surfaceですが、

これが未来の「サーフェスコンピュータ」の第1号になると期待を寄せている。

という記事の一文にもあるとおり、テーブルだけでなく、様々なものの「表面」に組み込まれるPCのプラットフォームであるようです。
 「ネットワークで家電を結ぶ」という家電屋の考えではなく、「家電、家具にPCを埋め込む」というPC屋ならではのアプローチなのか、それとも、せいぜい「ホワイトボード」や「掲示板」程度までの展開なのかは分かりませんけれど、将来的に大きく展開していこうと考えているのは間違いないようです。

 確かに、「対話型の」インターフェイスがずいぶんと浸透してきているとは言え、あくまでそれは「PCとオペレーター」の話。基本的に端末は一人で使うものでした。
 ホテルや映画館の受付でPCを使っているところは数あれど、客との「間」に存在し、双方から操作を受け付けられるMS Surfaceは、従来のPCよりもずっと自然な応対が見込めることでしょう。

 もちろん、このようなデバイスを考案しているのはマイクロソフトだけではありません。近い未来、様々な場所のテーブルにPCが組み込まれるかもしれませんね。

寝落ちした

2007-05-09 03:12:55 | Weblog
 少なくともほ乳類は、睡眠不足で死ねるらしい。
何でも、マウスを72時間不眠の状態にしたら死んだ、という実験結果があるらしく、「短期的には食事より影響が深刻」とありました。
マウスの体重と消費カロリーを考えると、食事無しでは1日保たなかったはずなので、どう考えても食事の方が深刻かと思いますけれど。

しかしながら、睡眠不足の真に怖いところは、「自分の意志とは関係なく眠りに落ちる」ことでしょう。
居眠り運転にしても風呂場での溺死にしても、間接的には睡眠不足が原因での死と考える事が出来るでしょう。

そこまで重篤でなくても、仕事中とかゲームや読書の最中、「これからブログを書こうとしている時」など、社会生活を送る上での不具合はいくらでもあります。
その時の体調に合わせ、適切な睡眠を心がけたいですね。

サイバーテロの”物理的手段”

2007-01-19 22:08:05 | Weblog
 去年の今頃のことです。一本の記事を書きました。

通信インフラを、最も効果的に遮断する方法

 要するに、「サイバーテロはケーブルを切るのが一番効果的で手っ取り早い」という話です。このときはアメリカの話でしたし内容も仮定が多かったのですけれど、今日のネタは、「日本で実際に起こった」という話です。
 もっとも、テロではないですが。

茨城県土浦市で電話線が切断、各社の電話やADSLサービスが一部で不通に Internet Watch

 ガス工事中に電話ケーブルが切断されたのは1月18日午前1時頃で、発生場所は茨城県土浦市荒川沖西2丁目の荒川沖十文字付近。NTT東日本 茨城支店によれば、乙戸地区と烏山地区などの利用者のうち、約1,300回線で通話が不通になっているという。このため、フレッツ・ADSLなど電話線を使用したサービスも利用できなくなっている。

 今の日本の現状を鑑みると、携帯電話という通信手段がある以上、バックアップである固定電話が止まったところで大して痛くないと言う人がほとんどでしょう。
 それよりも、同じメタル回線を使用しているADSLやIDSNなどのネットワークサービスの停止の方が遙かに痛いです。そして、地下埋設が主であるNTTの光ケーブルもその標的となる可能性はあるわけで、道路工事があるところ、常に”通信断裂”のリスクはあるわけです。

 こういう「やってしまった」事故はまだ仕方ないものですけれど、サイバーテロとして各種インフラが狙われたときの恐ろしさの末端を見ることが出来ます。もし電線や海底ケーブルを意図的に切断されてしまったら・・・

 去年も同じような事を書きましたけれど、こういう問題は一ユーザーがどうにか出来る問題でもありません。建設業者が慎重な施行をしてくれますように、そして、テロの矛先がそちらに向かいませんように。・・・ああ、テロはダメです。どんな手段でも。

ソフトバンクの掲げる「本当のシンプルプラン」

2007-01-07 22:22:52 | Weblog
 携帯電話事業に参入したとき、最もセンセーショナルだったのは「0円」をウリにしたわかりにくい料金プラン。この料金プランに対して、ユーザーや同業他社、行政からまでもの申されたソフトバンクが新たな料金プランを発表しました。
 そのコンセプトはズバリ「わかりやすさ」。プレゼンでの資料が僅か1枚で済むような、本当の意味でのシンプルプランでした。

SBM、新料金「ホワイトプラン」発表 - 付帯事項が一切無いシンプルな体系に MYCOM

ホワイトプランでは、月額基本使用料を980円、ソフトバンク同士の通話は午前1時から午後9時までは無料、これ以外の時間帯のソフトバンク同士の通話、および他社との通話(終日)の料金は、30秒ごとに21円とした。また、ソフトバンクの携帯電話同士のメールは無料となっている。

 「0円」の時にあれだけ裏があったのですから、こちらとしては疑ってかかってしまいますけれど、ホームページの資料を見る限りは確かにシンプル。

SoftBankのニュースリリース(PDF)

 プレゼンのように1枚とは行きませんが、A4用紙2枚の拍子抜けするくらい簡単な資料です。その中でパケット料金までの説明が過不足無く納められています。

 どうやら、これは本当に評価できる施策のようです。

 ソフトバンクが「0円」プランを発表したときの「料金体系のわかりにくさ」は、そのまま批判していた同業他社、ドコモやauにもあてはまることでした。要するに、日本の携帯料金プランは、様々な割引や特記事項、制限が絡まり合ったスパゲッティーだったのです。
 今回のソフトバンクのホワイトプランは、確かにパケットを使う場合はS!ベーシックプランが関わってくるものの、音声通話に関しては本当にシンプルです。それこそA4一枚ですませられるほどに。

 多分、たくさんのユーザーが携帯の契約に対して本当に望んでいることは、無期限で持ち越せる無料通話ではなく、複雑怪奇な割引プランでもなく、支払いに納得ができること。支払い明細を見て簡単に理解できることの方が、割引よりもずっと意味があると思います。

 個人的な意見として、ドコモやauには、ソフトバンクの低料金攻勢に対抗するのではなく、今回のホワイトプランに追従した「本当にわかりやすい」料金体系を作って欲しいと願っています。
 今回のホワイトプランが携帯料金プランを”リセット”する、一つの契機になってくれれば、と思うのですが。

「ねむログ」睡眠時間を目玉に・・・新たな収益システムも

2007-01-04 19:35:36 | Weblog
 仕事が終わって自宅に帰り、身の回りの事を片付けて、さあネット!・・・何てことを日常的にやっているネットユーザーにとって、「如何に睡眠時間を確保(もしくは削る)か」というのは、かなり切実な問題でしょう。学生ならともかく、社会人ならなおさらです。
 かくいう私も、「何時にけりをつけるか」という止め時を見極めるのに、いつも精神を削っております。

 例えネットが趣味ではなくても、忙しい現代人にとって、睡眠時間と趣味とのトレードオフは切っても切れない問題です。そんな中、自分がどんな睡眠生活を送っているのかを手軽に記録でき、のちのち悔い改めるきっかけとなるようなサービスが開始されました。

睡眠時間を記録する「ねむログ」 ITmedia

 ビー・オー・スタジオはこのほど、睡眠時間を記録できるサービス「ねむログ」β版を公開した。会員登録すれば無料で利用できる。

 毎日の就寝・起床時間を記録し、睡眠時間グラフをつけられる。1週間・1カ月単位で平均睡眠時間を計算する機能も備えた。睡眠時間一覧表のダウンロードも可能だ。携帯電話からも利用できる。

 収益面では、広告収入を見込むほか、ユーザーの睡眠時間や睡眠スタイルをデータ化して販売する予定だ。


 この「睡眠時間を記録する」という形は、たびたび話題に上る”ライフログ”の簡易版というスタンスであるように感じます。自らの”思考”を通したブログから逸脱し、もっと客観的に自分を記録する、今まではあまり普及してこなかった新しいスタイルのウェブログですね。
 そして、睡眠時間に特化していると言う点もユーザーの敷居を下げています。健康管理は気になるところですけれど、体重など他のデータを記録するのは面倒だし、何より人前に晒すのは気が引ける・・・その点、睡眠時間ならそこまで手間もかからないし、花瓶になることも無い。何より健康管理にも十分に役立つ。いい着眼点ではないでしょうか。

 このブログの新しいところは、何もウェブログとしての部分だけではありません。広告収入の他に集めたデータを販売して利益を出そうとしているところが、ある意味一番新しいです。
 今まで、ブログをはじめとした個人を対象とするウェブサービスのほとんどが、広告収入を頼りに運営されてきました。故に、個人が”ウェブサービスに対して対価を払う”という意識が芽生えにくくなり、有料サービスが育ちにくいという悪循環に陥っています。
 そして、広告一辺倒の収益モデルでは少数派市場は育ちませんし、ウェブサービス全体を通してみても、ビジネス市場として閉塞感が漂い始めています。
 そんな中で、睡眠時間という汎用性のあるデータを”商品”として扱い、収益を上げるというビジネスモデルを掲げたねむログのスタイルは、収益を見直すと言う点でとても素晴らしいです。これも、睡眠時間に的を絞り、データを収集、集計しやすくしているという強みがあるからで、既存のブログなどではなかなか参考にするのが難しいかもしれませんが・・・

 なかなか面白いサービスに見えるねむログ。サービスの提供方法にしても、収益の上げ方にしても、新たな可能性という点で、今後注目されていくかもしれませんね。
 

燃えないリチウムイオン電池

2006-12-20 17:58:01 | Weblog
 今年も残り一週間と半分。このブログでもっとも取り上げているテクノロジー関連の話題を振り返ってみると、もっとも世間を騒がせたのはPS3とWii発売・・・じゃなくて、DellのノートPC発火に端を発した、ソニー充電池リコール問題ではないでしょうか。

 今や件のPCはもちろん、携帯電話やiPod、携帯ゲーム機など、使い捨ての電池を駆逐せんばかりの快進撃を続ける充電池。最近では「使い切ってから充電しないと性能が落ちる(メモリー効果)」「容量、起電力が少ない」というデメリットを持ったニッケルカドミウム電池、通称ニッカドはほとんど使われなくなり、現在はニッカドを改良したニッケル水素蓄電池、メモリー効果を克服したリチウムイオン電池が主に使われています。

 しかしながら、リチウムイオン電池にももちろんデメリットがあります。充電方法が非常にデリケートなのです。
 過電圧をかけたり、過充電で破裂、発火、液漏れを起こす為、充電器は常に充電具合を監視しながら充電を行っています。要するに、取り扱いがニッカドやニッケル水素に比べてすっごく大変、かつ危なくなってしまったというわけです。

 トヨタのプリウスにニッケル水素が採用されているのは、事故時のことを考えての措置だったと言われています。単純に値段が高かったと言うこともあるのでしょうが。

 さて、そのリチウムイオン電池ですが、なぜあれほど発火事故が続いたかといいますと、ソニーの内部調査では「製造工程で内部に金属粉が混入した」とあります。
 充電池内部では、絶縁層を挟んで+極と-極がサンドイッチの重なっています。金属粉は絶縁層を突き抜けて+極と-極をショートさせ、内部で急激な発熱が発生→熱によって周りで連鎖的に化学反応が進行→炎上というメカニズムだったようです。

 いくら充電器で気をつけても、内部の事となると何ともなりません。この事件で起きたような、不純物混入時にもある程度対応できる、より安全性の高い構造の充電池が求められるところですが、ここに来て松下電池はリチウムイオン電池の発火防止技術を開発したようです。

「ソニーや三洋へのライセンス供与も」---松下電池、リチウムイオンの発火防止技術公開 ITpro

 松下電池工業は2006年12月19日、ノートパソコン向けリチウムイオン2次電池の発火事故防止に向けた取り組みを明らかにした。同社では、電池内部の正極と負極を分離するセパレーターの耐熱性を向上させる技術を開発し、容量の大きいリチウムイオン2次電池の一部で既に導入を始めている。安全性の確保に併せて、正極材料の見直しにより従来より容量を増やしたリチウムイオン2次電池を開発し、ノートパソコン向け2次電池市場におけるシェア拡大を狙う。

 細かい説明は省いてざっと説明すると、従来の電池になかった「耐熱層」を追加することで、たとえショートが起こっても小規模の発熱で押さえられ、連鎖反応を防ぐことにより発火を防ぐというもの。
 これによって安全性を確保した松下電池は、順次大容量電池を開発していく・・・だけでなく、ライセンス契約によって他社にもこの技術を提供していく予定だそうで、個人的にはソニーがこのライセンスを結ぶかどうか、非常に気がかりではありますが。

 今回の松下の技術は、プレスリリースのとおりならば、リチウムイオン電池の安全性を大幅に高める画期的なものです。これからも用途が拡大し続けるであろう、リチウムイオン電池をより安全に使えるようにするため、こういう技術こそ普及して欲しいものですね。

鏡で日光浴 イタリアのある村の試み

2006-12-17 23:59:59 | Weblog
 本日は、休日を利用して、名古屋港イタリア村に行ってきました。内容的には輸入食材が素晴らしかったです。オリーブオイルやバルサミコ酢は何種類もおいてありましたし、あれだけたくさんの種類のチーズを一度に目にしたのは初めてです。
 ただ、やっぱり値段は高いのですな。それに、食材売り場以外は、町並みが再現されているくらいで普通のショッピングモールと変わらず、もう一回是非行きたいとは思わないですね。

 さて、話はイタリア村ではなく、本国イタリアのある村の話。
 なんでも、世界初となる変わった試みをしたそうなのですが・・・

巨大な鏡で広場に光を 昼も暗い伊北部の村 共同通信

冬の間、日が差さないイタリア北部の村で、山の斜面に設置した巨大なステンレスの鏡に太陽光を反射させ、村の広場を明るく照らすというユニークな装置が完成した。村によると、世界初の試みで、17日に鏡の「稼働式」が行われた。
 村はスイス国境に近い、ピエモンテ州ビガネッラ村。深い渓谷の底近くにあるため、村当局によると、毎年11月中旬から2月初めまでの83日間は昼も日が差さないという。


 日が差さないって白夜になるには緯度が低すぎる、なんて思ったんですが、実際には谷底にあるので、一日中”山の日陰”になると言うのが正解のようです。

 私の生活圏・・・と言うか私の住んでいるところも、程度はずいぶんマシですが谷あいの集落に含まれると思いますので、状況はよく分かります。ただ、一年の3分の1程度がずっと日陰というのは、ちょっと想像がつかない部分もありますけれど。
 やはり、人間が生活する上で、日光というは重要なファクターの一つです。ヨーロッパの国々の人が、日光を求めて地中海にバカンスに出かけていくのもその理由。そして、それは日陰の村でも例外ではありません。山は削れないし、村ごとバカンスにはいけなかったけれど、彼らには人間の技術とひらめきがありました。
 山が邪魔をして日の光が届かない現状を打破する方法とは、鏡で日光を村へ導くことでした。考えてみれば実に合理的なアイデアなんですけれど、ちょっと乱暴かなあと思うところも・・・なんにせよ、彼らは日光を、場所限定ですが手に入れることができたわけです。彼らの生活に、文字通り光明となってくれれば良いのですが。