Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

世界初!量子暗号化技術運用を動画で実現

2010-10-16 18:48:27 | Technology

もう一部では実用化していたんですね・・・

独立行政法人情報通信研究機構(NICT)量子ICTグループは10月14日、NECと三菱電機、NTTと共に、”盗聴不可能”とされる「量子暗号化技術」によって暗号化した映像を伝送することに、世界に先駆けて成功させました。

NICTら、量子暗号ネットワークの試験運用開始~世界で初めて動画伝送を実現 INTERNET Watch

量子暗号ネットワークはきわめて高度な技術で、理論上どのような技術でも盗聴できない究極の暗号技術とされているが、伝送速度の高速化や長距離での利用が難しく、これまでは米国国防総省や欧州連合のプロジェクトが、量子暗号の音声伝送に成功しているが、量子暗号の動画伝送ネットワークの構築は世界初となる。

量子暗号化技術とは、

1.送る情報を、その情報と同じ長さのワンタイムパッド(一回のみ使用する暗号鍵)を用いて暗号化し、
2.暗号化された情報を、光子の量子情報に変換し、光ファイバーを介して送信する。
3.受信先で、送信元と共有しているワンタイムパッドを用いて複合する

というプロセスを踏みます。重要なのは2の時点で、送信している経路上で盗聴が発生すると、量子情報に歪みが発生すると言うこと。
量子力学において、「観測した時点で量子の状態が決定する」という量子の性質が知られています。想定外の場所で量子情報の観測が行われることで、正規の場所での観測にをも影響を与え、結果的に暗号キーでの複合が出来なくなり、盗聴が発覚するというわけです。日常世界の常識からすれば、非常に「???」となるような技術ですが、ミクロ的な視点ではそうなっているらしいです。

つまり、量子暗号技術とは、「盗聴を防ぐ」訳ではなく、「盗聴を100%関知できる」技術だと言えます。それによって通信を瞬時に遮断したり、通信経路を変更することによって、情報の秘匿性を保障するという技術だと言うことです。

今回の実験では90kmの距離間で100kbpsの通信速度を出せた=音声だけでなく映像をも送れるようになったというところが画期的。政府関係のやりとりであるとか、社内の極秘事項に関わることについて、より安全に、しかも従来の100倍の速度で情報をやりとりすることが出来る様になったと言えます。

とは言え、導入費は決して安くなく、現時点で1台当たり数千万円。利用するためのインフラも含めると、とんでもない額の投資が必要になります。今後、スケールメリットが働いて導入コストが抑えられるまで、まだ数年以上はかかりそうです・・・

どうやらもうしばらくは、従来の暗号方式にお世話にならなければならないようです。といっても、個人利用はあと20年は夢の又夢だと思いますけどね・・・


女流王将、コンピューターに破れる

2010-10-12 23:49:47 | Technology

2010年4月2日、情報処理学会は日本将棋連盟に対し、古式ゆかしい挑戦状を叩きつけました。「漸く名人に伍する」として、コンピューター将棋対プロ棋士の対局を要望したのです。日本将棋連盟は、2005年に公式の場でのコンピューター将棋との対戦を禁じておりますので、こういった形を取ったのですが・・・これを連盟は「不遜な態度に感服」として承諾。女流棋士が挑戦を受けることになりました。

あれから半年。ついにその対戦が行われたのですが・・・

激闘6時間も“電脳”に敗北…終盤ミス、女流王将「正直、悔しい」 産経ニュース

将棋の最先端ソフトを組み合わせたコンピューターと女流将棋界の第一人者、清水市代女流王将(41)の特別対局が11日、東京都文京区の東大本郷キャンパスで行われた。6時間3分の熱戦の末、“電脳”が86手で先手の清水女流王将を下した。

と言う事で、とうとうプロ棋士に土を付けてしまいました。
「あから2010」という、アルゴリズムの違う4つのソフトの合議制を取ることで悪手を減らせるというシステムで挑んだコンピューター側は、清水女流王将の終盤のミスでつかんだ優位を押し切る形で勝利。コンピューターらしい堅実な攻めが実を結んだようです。

オセロにチェス・・・どんどん人間が優位なゲームが減っていきますね。それは、逆に言えばコンピューターのアルゴリズム、そして展開を読み切る「マシンパワー」の両面で、大きく進歩してしてきた証と言えばそれまでなんですけど。

たぶん、再戦が実現するでしょうが、個人的には女流王将に勝って欲しいところです。コンピューター技術の進歩の証、そして結局は人間の作ったアルゴリズムとは言え、外野で見ていてもやっぱり悔しいものがありますからね・・・


広がるフェムトセル auも提供へ

2010-09-28 20:11:46 | Technology

 例えば、部屋の模様替えをして、作業机や座椅子・・・要するに「居場所」の位置を動かしたとします。そんなとき、希に起こりうることが、「携帯電話の受信状況が悪くなる」こと。電波の届く、あるいは送信できる範囲は様々な外的要因によって変化しますので、「最近電波の入りが悪い」なんてこともあるかもしれません。

 そんなときに現状で一番手っ取り早いのが、ソフトバンクが提供しているフェムトセルサービス。フェムトとは一兆分の一を示す接頭辞(ミリは千分の一、キロは千倍を表す。それと同様なもの)ですが、実際には半径数十メートルが圏内になる、極小さな基地局のことを指します。その小型基地局を家にある有線ブロードバンドに繋ぐことで、家庭内+αの電波状況を一気に改善することが出来る様になるというものです。

 そのフェムトセルサービスを、今度はauが全国的に提供をはじめるみたいです。

KDDIの「auフェムトセル」、対象を首都圏から全国に拡大 ITpro

 KDDIは2010年9月28日、携帯電話用の小型基地局「auフェムトセル」の受け付け対象エリアを、10月1日から沖縄県を除く全国に拡大すると発表した。これまでは2010年7月から1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)を対象にフェムトセルを提供していた。

 フェムトセルサービスを提供する事により、家庭にあるブロードバンド回線を「間借り」して自身の携帯電話ネットワークの死角を潰すことが出来ます。電波状況を改善したい家庭の協力及び電源の提供が受けられ、キャリアは施設の整備に伴う工事も必要なく、回線を増強する必要もありませんから非常に安上がりとなっています。双方にとってメリットがある施策と言えますね。

 ただ、フェムトセルサービスは、機器費は無料ですが、電源及び「家人以外の通話」に関しても契約しているブロードバンドで引き受けることになります。ですからフェムトセルサービスを申し込んだ場合、何らかの割引などの見返りを受けられると良いかもしれません。田舎では本来の目的にしか使えないかも知れませんが、都心部ならフェムトセルのネットワークを活用することで、本来のアンテナの出力を押さえられるなどのコスト低減策を創出できるかも知れませんから。

 新たな基地局建設よりもずっと安上がりかつ、素早く、ピンポイントでユーザーのニーズに答えられるのは大きなメリット。auの参入で、新たな認知とより積極的な活用が期待されます。


リアルタイムで英語文法をチェックするAIType

2010-09-22 23:59:59 | Technology

 この間、私がjoojooを買ったことを覚えておられるでしょうか?実は、今うちにあるjoojooは二台目で、1台目はすでにシンガポールに送り返してあります。そう、一台目は初期不良で、充電が突然出来なくなってしまったんです。送り返すときに、わざわざ名古屋のキンコーズまで出向いたときは面倒の極みでしたよ・・・FedExさん、岐阜近郊にもキンコーズを出店してくれるとうれしいです・・・

 面倒と言えば、joojooの注文から返送までの一連の連絡についてもそうでしたね。というのは、シンガポールとのやりとりは当然英語。私は生粋のネイティブジャパニーズスピーカーですから、読むならまだしも、英語で文章を組み立てるのは大の苦手。仕方が無いので、翻訳サービスを使ってざっくり翻訳し、表示された翻訳文を手直しして利用するというたどたどしい方法をとるしかありませんでした。

 中々使い慣れていない言語で文章を書くというのは難しいもの。しかも文法的に正しいものを、となればなおさらです。そこで、「ある程度使える状態まで持って行った後」の手助けをするツールが紹介されていましたので報告します。

タイプしている間にリアルタイムで英語をチェック/修正してくれるAIType TechCrunch

AITypeは、ある言語を話せるし理解できるけど、そのルールや慣習については自信がない、という人のためのツールだ。たとえば、英語で文章を書く外国人は、語順を間違えたり、不適切な言葉を使うことが多い。AITypeは、ユーザが今何を書こうとしているのか、つねに予測して先回りして候補語を出すから、知らない人が見ていると、英語の達人がすらすらと文章を書いてるように見えるだろう。

 要するに、日本で言う携帯電話の予測変換機能みたいなもの。それが「あり得ない単語や言い回し」を排除し、文法的に正しい文章を作る「手助け」をしてくれるというわけです。

 しかしながら、これは全く持ってカンペキではありえません。予測変換機能を使い慣れていると分かると思いますけれど、ある程度その言語になれていて、次に来る単語一覧から使いたい単語を正しく取捨選択できる能力は最低限必要になるからです。要は、英語に全く不慣れな人間には宝の持ち腐れであると言う事を示しています。

 日本語の回りくどい言い回しをそのまま英語に直訳してもうまくいかないように、英語には英語のスタンダードな表現方法があります。また、今回紹介したAITypeは言うに及ばず、翻訳サービスもとんでもない訳をはき出すことがよくありますし・・・つまりは、英語に関してはテクノロジーよりも自分自身がある程度使えるようにならないとってことでしょうかね。

 ・・・少しは勉強するかなあ。


確かに釈然としない・・・インテルのCPUアンロックコード

2010-09-20 23:59:59 | Technology

 あれはドリームキャストのエターナルアルカディアだったですかね。ファミ通などのゲーム雑誌にゲームディスクが付録として付いていて、そのままだと体験版なんだけれど、コードを買って入力すると、製品版として続きを遊べるという趣向のマーケティングを行ったのは。Windows Vista・7も、ライセンスを追加で購入することで、下位エディションから上位エディションにそのままバージョンアップが出来たりと、ソフトウェアの世界では「機能の付け足し」が別に珍しい事ではなくなっていますね。

 しかしながら、なんでしょう。ハードウェアになったとたん、同じようなものなのに、ここまで釈然としないのは・・・

インテル、CPUの性能アンロックコードを販売 engadget

 Intel Upgrade Serviceという名前のもと、同社がはじめたCPUアンロックコード販売の例です。カードに書かれている番号をウェブ上で入力すると、CPUの性能を増強する(あるいは性能制限を解除する)ソフトウェアがダウンロードできるという仕組み。このカードの場合はIntel Pentium G6951向けで、HyperThreadingを有効にし、1MBのL3キャッシュを「アンロック」します。Pentium G6951が「アップグレード可能CPU」であることはHardware.infoが事前に伝えていましたが、さっそくその仕組みが利用されることになります。

 要するに、元々CPUの能力に制限を加えておいて、後からパスコードを読み込ませることによって制限を解除するというもの。
 50ドル払うと、HTでCPUラインが2から4に増えて、CPUキャッシュが+1MBされるとか。かつてから、わざとクロックを押さえてあったり、4コアなのに1コア殺して3コアにしたり、キャッシュを有効にしていなかったりと、CPU周りでは「大人の事情」が横行してきていました。今回の場合はその大人の事情を逆手にとって、ユーザーの選択肢を絞ることなく、インテル及びPCベンダー側のラインナップ数を押さえ、かつ柔軟に必要かどうかを「後からユーザー自身が」判断できる措置と言えなくはありません。

 とは言え、最初から使える機能をわざわざ押さえ、後々の収入につなげようとする姑息な手段とも取れなくはなく、「物理的に何もプラスしないのに」と言う事を考えると、やっぱり何となくモヤモヤしますね。正々堂々とラインナップを絞るだけで良かったんじゃないかとか思いますが・・・ 


Googleが小売店舗にリーチ

2010-09-18 23:59:59 | Technology

 最近は、(主にamazonのおかげで)オンラインでの買い物が増えました。都心部と違って郊外の田舎町なので、ゲームなどはともかくとして、PC関連の周辺機器その他諸々はオンラインで買った方が圧倒的に安いんです。本にしても、購入を忘れたくないor入荷数が見込めないものについてはオンライン通販を利用しています。

 でも、生活必需品であったり、ちょっとした嗜好品といった「その他すべて」のもののほとんどは、相変わらずリアル店舗でのお買い物になっています。すぐに必要な火ばさみとかバケツ、カフェでのひとときをオンラインで買うことは出来ませんものね。

 そういう状況は世界中どこでも同じ事。オンライン企業にとっては、間接的にしか進出できない、それでもって経済規模はすさまじく大きい眠れる金脈になっている訳です。そこでGoogleは、アメリカにおいてリアル店舗に機械をばらまくことに決めたようですが・・・

Googleがチェックインや格付け用のモバイルデバイスを全米の個人小売店に800万台ばらまく TechCrunch

 GoogleはFacebookやYelp、Foursquareなどに勝つための秘密兵器として、合衆国中の小企業(主にお店)に特製のモバイルデバイスをばらまく…本誌はこの計画に近い筋から情報を得た。そのデバイスを使ってユーザ…それらのお店のお客になる人たち…は、チェックインや、企業/お店に対する格付けなどができ、さらにおそらく、Google Checkoutで品物の購入もできる。情報筋は、配布台数は800万と言っている。

 お店に来てもらった顧客にその機械を使わせて、お店の格付けや口コミ、Google Checkoutと連動させて支払いや個人認証も行える・・・要するに、各店舗にGoogleの窓口を作るような試みですね。

 しかしながら、同じようなサービス・・・さすがに支払いまでは頼めませんが、口コミや格付けと言ったサービスに関しては、すでに食べログやぐるなびなどの各種サービスが日本では稼働しています。海外においても同様のサービスがあるでしょうから、機械を配布するとは言え、後発のサービスにならざるを得ないでしょう。
 もっとも、日本においてもEdyやIDが長い時間をかけて普及してきた経緯がありますから、どうなるかは分かりませんが・・・評価を入力するのが煩わしい、店がわが不正に評価をいじった等、「結局支払いの為にしか使われなかった」というオチになりそうな気もしないでもありません。


先を越されたGoogle Apple、Air Printを発表

2010-09-16 23:59:59 | Technology

 今年の4月、Googleがこのようなサービスを発表したのを覚えておられるでしょうか。

Google、クラウド印刷サービス「Google Cloud Print」を発表 ITmedia

「Google Cloud Print」は、プリンタドライバ不要のクラウドを利用する印刷サービス。Googleはまず「Google Chrome OS」で採用し、将来的にはAndroid携帯やiPhoneなど、あらゆる端末で利用できるようにする計画だ。

 要するに、ミニマムな実装となるChrome OS搭載タブレットやAndroidからのダイレクトプリントを行うとき、いちいち各プリンタ用のドライバを用意するのは大変だし、接続するにも手間がかかる。ですから、クラウドがドライバ及び”ケーブル”を肩代わりしてプリントしようという技術です。

 なんでも、GoogleはChrome OSタブレットが出た時点でローンチをしようと思っていたみたいですが、ある意味先を越されてしまったようです。

アップル、iPad/iPhone向け無線印刷機能「AirPrint」を11月より提供 日本経済新聞

 米Appleは現地時間2010年9月15日、モバイルデバイスを対象にした無線プリント機能「AirPrint」を発表した。同社のタブレット型コンピュータ「iPad」などから無線LANを介してプリンターに直接出力できる。開発者向けにベータ版の提供が始まっており、11月にリリース予定の最新モバイルOS「iOS 4.2」に標準搭載される。

 接続端子が限られ、ドライバのインストールを”させたくない”iPad・iPhone用のダイレクトプリント技術で、GoogleとはクラウドではなくWi-Fiを使うところが違うだけで、後は同じ目的を持った技術です。双方ともプリンタが対応していなければ印刷することは出来ませんから、今後の展開はプリンタメーカー各社にゆだねられます。

 最近はプリンタの機能も高機能化が進んでいますが、ファームウェアの更新はやはり負担になるでしょう・・・。双方の技術とも、抜本的な改善にはファームウェアの更新が必要になるような技術ですので、出始めの頃は結構な頻度でトラブルが起きてくるかも知れませんね。汎用性があるのはGoogleの方でしょうけど、データの秘匿性であるとか、アップデートのしやすさはAppleなんですよね・・・。利用にはプリンタの買い換えが必須の時点で、どっちもどっちかなあ。

 うーむ、別にiTunesを介して印刷とかでも良かったんじゃないだろうか?とも一瞬思いましたけど、PC持ってない人(ユーザーにいるのかどうか)や、出先(プリンタを使うことを了承してくれる?)での利用を想定しているんでしょうか?

 本当に便利に使えるか、普及するのか。しばらくプリンタを買い換えるのは待ったほうが良さそうです。


サイトの「見た目」でフィルタリング

2010-09-14 22:17:49 | Technology

 普段は足を踏み入れることのない、いわゆるいかがわしいサイト。色々と危険を伴ったり、お目当てのものにたどり着くまでいたずらに時間を消費してしまうので、正直な所はあんまり近寄りたくは無いですが・・・検索の結果、迷い込んでしまうこともままあります。

 そう、検索をするとあっさり入り込めてしまう場合も少なくありませんので、子供に見せたくなかったり、大人でも「見たくない」場合がままあるものです。そういう場合はフィルタリングを使うのがお手軽ですが、その判断について画期的な方法が開発されました。文字情報ではなく、「見た目」で判断するというのです。

背景色などの外形的特徴から有害サイトを高速検出、KDDI研究所が技術開発 INTERNET Watch

 株式会社KDDI研究所は13日、出会い系サイトや犯罪予告サイトなどの有害サイトを、ウェブサイトの外形的特徴のみで検出する技術を開発したと発表した。文書解析方式によるフィルタリングシステムと比べ、3倍以上の速度処理を実現するという。
-中略-
 KDDI研究所によると、ウェブサイトに含まれる単語を解析する従来の文書解析方式では、検出にあたって1万個の特徴が必要だったという。これに対して今回開発した技術では、26個の外形的特徴を用いるだけで、有害サイト1万件・無害サイト1万件で実験した結果、90.3%の検出精度を達成した。有害サイトの外形的特徴は類似性が高いため、少ない特徴で高速・高精度の判定が可能だとしている。

 なるほど、ああ言うようなサイトは、確かにどれも似通っています。リンクがやたらと多かったりサムネイルが格子状にびっしり配置されていたり・・・まるでページ作成ガイドラインでもあるのかと思っていましたが、そう感じていた感覚が、まさかフィルタリングに使えるくらいスタイルとして確立されていたというのは、正直なんだか微妙な気分です。

 似通うと言えば、通販サイト・・・特に楽天関連サイトは、くどいくらい順位を強調したり、ごちゃごちゃと商品を配置したり、やたらと縦に長いページを作ったりと、正直使いづらいところが多いような気がします。ブログはある意味仕方が無いと思いますけれど、目的によってサイトの作りというのは似通ってくる・・・というのは、どこの世界でもあるのかも知れません。・・・どうせなら、使い易い・見やすい方向に今後はまとまってくれるとうれしいのですけどね。


HTML5がもたらす大混乱

2010-09-05 23:59:59 | Technology

  まずは、このページを見てください。

ARCADE FIRE Chrome Experiments

 これは、ChromeのHTML5レンダリングデモに作られたもので、簡単に言えば、Google MapとGoogle Street Viewからデータをもらって、インタラクティブに動画コンテンツを作ると言うものです。

 しかしながら、このコンテンツは大きな問題を抱えています。Chrome以外のブラウザで覗きに行った場合、エラーメッセージ・・・「これはChrome用に作られているから、Chromeをダウンロードしてもう一度来てくれ」を画面に表示して終わります。つまり、HTML5というW3Cで策定されつつある標準規格を使いながら、ちっともブラウザ間での互換性が整っていないのです。

 もちろん、HTML5は標準規格とはいえど、今現在はあくまでドラフト段階。つまり、正確には「候補」に過ぎません。各ブラウザも部分的な実装を始めたに過ぎませんし、ウェブの世界でも対応はまだ少数の段階です。でも、だからといって、各ブラウザごとの記述方法と、同じ内容の記述に対する結果がてんでばらばらなのは、実にマズイ状況でしょう。

HTML5の現状は同じことをやりたいのにマークアップがブラウザごとに違う–ひどいね TechCrunch

HTML5の互換性をめぐっては、前にも問題が起きたことがある。HTML5は、規格そのものがまだ固まっていないので、ブラウザによって実装が違ってもしょうがないのか? しかしどのブラウザの上でも同じ効果を生むはずのマークアップ言語が、このように、ブラウザによって振る舞いが違ってもいいのか?

 元記事でも紹介されていますが、Microsoftが作ったHTML5のテストページがあります。これを各ブラウザでそれぞれ試してみると、同じ事をやっているはずなのに、記述どころか結果も大きく異なってしまっています。これでは、IE6がようやく寝かけたというのに、もっとひどいかんしゃく持ちが暴れ出し始めたようなものです。つまり、どのブラウザ陣営も、HTML5の策定前に先走って「前例」を創り出すことで、他社に対するアドバンテージを持とうとしている可能性があると言うこと。今回のChromeがやったことが良い例でしょう。

 このままだと、IE6の時のように独自仕様の百花繚乱になりかねません。どこがリーダーシップをとってもこの際はかまいませんから、真の意味の標準仕様策定に向けて、各社の意志を統一して欲しいものです。もっとも、こういう所がFlashやSilverlightの「つけいる隙」なのかもしれませんけどね。


GoogleはChromeとAndroidをどうしたいのか

2010-09-03 23:59:59 | Technology

 事実上、GoogleプロデュースのオープンソースOSであるAndroidは、ソニエリのXperiaを初め、高機能スマートフォンに主に搭載されてiPhoneの追撃を行っているところです。
 元々携帯電話向けに開発されたAndroidですが、Linuxであったこと、マルチプラットフォームに対応していたことから、ノートPCやタブレット端末にも搭載されることが多くなってきました。中にはSIMカードが刺さっていないとAndroidマーケットのダウンロード認証が働かないなんてトラブルもあるようですが、iPadの対抗馬として支持を集めているところです。

 そのAndroidの新バージョンが、タブレット専用OSになるとリークされた模様。

来年リリースのAndroid 3.1は「Honeycomb」に決定! 初のタブレット専用OSだよ... GIZMODO

HoneycombなるAndroid 3.1は、興味深いことにスマートフォンに搭載される予定はなく、高機能のタブレット専用OSとなるようで、サムスン電子も来年リリースされる新モデルに採用が決定していますよ。

 なるほど、今後は携帯電話の派生という形ではなくて、タブレットに特化されたOSとして、より最適な操作環境を提供できると言うわけですね。

 ・・・ところで、タブレットと言えば、忘れてはならないのがChromeの存在。オープンソースとの違いはあるとは言え、どちらもGoogleプロダクトには違いないわけですけれど、今回の件でChromeの領分をAndroidが侵し始めた形になってしまっています。

 思えば、Chromeブラウザにしても、Googleが大部分の資金援助を行っているFirefoxがある訳で、部門ごとに勝手にやっているというのが本当のところだとは思いますけれど、Google全体としてChromeとAndroidという二つのブランドを、どう棲み分けさせていくかというのは、今後の一つのテーマとなりそうですね。