Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

Google、ChromeブラウザでのH.264サポートを終了

2011-01-13 20:32:07 | Technology

今日の世界において、Googleのネットにおける影響力というのは、それはもう巨大なものがあります。主力となっている検索事業はもちろんのこと、Androidに代表されるOS事業、Google Appsによるクラウドサービス、Firefoxなどオープンソースプロジェクトへの出資など、その活動は多岐にわたります。

その中でも最近の注目株の一つはChromeブラウザ。Chrome OSがどうなるのかはまだ未知数ではありますが、そのシンプルさとエンコード速度から徐々にユーザーを増やしていっています。

そのChromeブラウザが、突如としてH.264のサポートを終了してしまうと言うのです。

Google、ChromeブラウザでのH.264サポート終了へ ITmedia

米Googleは1月11日(現地時間)、Webブラウザ「Google Chrome」でサポートするHTML5のビデオコーデックからH.264を排除すると発表した。同社が昨年5月に発表したオープンソースのビデオプラットフォームWebMの普及を促進する狙いとみられる。

H.264は、HTML 5におけるビデオコーデックの本命と目されているフォーマットで、Flashビデオの代替となる形で、ほぼディファクトスタンダードの地位に位置します。
ただ、H.264は様々な企業が共同で権利を保有している「ライセンシーが必須」なフォーマットであるため、Googleは「オープンなイノベーションのため」、H.264を捨ててオープンソースであるWebMのサポートを強化すると言っています。

・・・というのは、まあ表向きの理由でしょうね。

最大の理由は、オープンソースとは言え、自社が立ち上げて、自社の影響力が最大限に発揮でき、自社がライセンス料を払う必要のないWebMをディファクトスタンダードに押し上げるためでしょう。
もし、Googleがその目的のために手段を選ばないならば、資金を提供しているFirefoxでもH.264のサポートを止めさせるでしょう。となると、ブラウザの一大勢力がH.264の標準サポートを止めることになってしまいます。これはH.264にとってゆゆしき事態です。

当然、今回の決定について批判が飛び交っている訳ですが、今更Googleは決定を撤回しそうにないですし・・・再生のためのプラグインが出回ることを期待するしかないです。

これでなし崩し的にWebMがHTML 5のディファクトスタンダード・ビデオコーデックになると言う未来はあんまり見たくないですなー・・・ちなみに、AppleはSafariでWebMを採用していませんし、IEを擁するMicrosoftはWebMには賛同していますけど、こんな批判的なエントリを出していることを付け加えておきます。


アクティブに度数変換 液晶メガネ

2011-01-11 21:16:52 | Technology

液晶。腕時計や電卓、ディスプレイまで「表示する」用途にモリモリ使われている工業材料ですが、そのような用途以外にも使い道がある事をご存じですか?例えば、スイッチを入れると一瞬で曇りガラスになる窓ガラスとか、シャッター式3Dメガネのレンズ部分であるとか・・・光を遮断する用途にも使われています。

液晶は、電圧をかけることによって分子の並び方が変わり、光学的性質が変わる・・・透明だった物が不透明になったり、屈折率が変わったり・・・という性質を持っています。液晶ディスプレイも、電圧をかけることで光を通す・遮断するという性質を一画素ずつ制御して、動画や静止画を表示しているのです。

その性質を使って、身近にある物をもっと便利にしたらどうなったか?と言う事で、焦点距離を自動で切り替える「遠近両用メガネ」がCESで発表されました。

【CES】21世紀の遠近両用めがねに感動! ポイントは液晶レンズ GIZMODO

遠近両用レンズも累進多焦点レンズも違和感があって慣れるまでに時間がかかりますよね?
でも、そんな悩みをPixelOpicsが解消してくれたんです。古いテクノロジーじゃなく21世紀っぽいアプローチで。
彼らが開発したのは液晶レンズ。遠くを見る時、近くを見る時、いずれの場合でも必要に応じて、ほんの一瞬で焦点を合わせてくれちゃうんです。

私は幸いにもメガネやコンタクトレンズのお世話にならずに過ごせていますが、来る老眼の時のことを考えると、このメガネは実に有用だと思いました。そうでなくても、普段は近視用の普通メガネで、本を読むときだけは一瞬で遠視モードに切り替えられるというのは本当にすごいです。たまに、自分の目のオートフォーカスの調子が悪いときがあるので、タッチセンサーを触るくらいの手間は余裕で許せる気がします。

ところで、かつて見たメガネの記事の中で、こんなアナログな製品がありました。

自分で度数を調整できる“液体レンズ”のメガネが登場! ROCKET NEWS24

レンズが液体で作られており、その量によって度数を調整できる。同教授によると、発展途上国にはメガネを必要としているにも関わらず、持てない人が10億人もいるそうで、「このメガネを使えば約8割の人が視力を矯正できる」という。

使い方は、ガラスではなく透明樹脂の枠の間に液体が入っており、フレームに付けられた注射器で液体の圧力を調節、レンズの膨らみ具合を変えて度を調節できるという、デジタルのかけらも無いものです。

・・・ですが、安価で調整もしやすいこのメガネこそ、今すぐに世界に普及して欲しいメガネだと思うんです。あれから続報が聞こえてこないけど、プロジェクトはどうなっているんでしょうね?


AMDからもGPU統合CPUがついに発表

2011-01-04 20:18:07 | Technology

AMDといえば、言わずと知れたx86系CPU二大巨頭の小さい方。かつて、インテルとAMDがGPUを作ってなかった頃、AMDがグラフィックスチップ二大巨頭の小さい方であるATIを買収したことで、こういう未来は予測され続けてきました。むしろ、その実現はライバルのインテルよりもずっと早いと思われていたと言っても過言ではないんですけど・・・

ついにFusionがきた──AMD、「Zacate」「Ontario」発表 ITmedia

APUは、CPUとGPUを同じダイに「融合させた」とAMDが説明する新世代のCPUだ。AMDはこのタイプの製品をAPU(Accelerated Processing Unit)と呼んでいる。

初めて市販されるAPUとして登場したのは、“Bobcat”という開発コード名で呼ばれてきたモバイル向けのラインアップで、「Zacate」「Ontario」という開発コード名で呼ばれてきたモバイルデバイス向けのモデルだ。

インテルがすでにCoreシリーズの一部の製品でラインナップに加えている、「グラフィックスコア統合CPU」が、ついにAMDからも登場です。しかも、インテルは統合とは言え、CPUのケース内にCPUコアとGPUコアをそれぞれ独自に搭載する形なのに対し、AMDのAPUはそれぞれのコアレベルで統合しているという触れ込みです。

また、それぞれのキャラクターも違います。

インテルのCoreシリーズは、言わずと知れたメインストリーム向け。しかしながら、AMDは低価格帯のネットブックやモバイル機器をターゲットに、低消費電力を重視して設計されている模様です。
GPUをCPUに統合することで設置面積や重量を抑えられるわけですから、低価格モバイル向けという方向性は正に正道と言えそうです。このところインテルに押されっぱなしだったAMDですが、Atomが陣取っているバリューモデルでは漸く巻き返しが出来るかも知れませんね。

私個人としては、APUを使った省スペースデスクトップやファイルサーバー、テレビに接続して使うミニマム機の登場を期待したいです。マザーボードがどれくらい小さくなるか分かりませんが、「3.5インチHDDくらいの大きさで、USBでメインPCと繋ぐと外付けストレージとして動作し、そのままリビングでテレビにつなげてWindowsを起動、メディアプレイヤーとして楽しむ」とか出来たら欲しいですなあ。

なんにせよ、「小さい」「省電力」という単語に最近はワクワクしますね。ただ、やっぱりメインマシン用ではないので、Coreシリーズに対抗できるラインナップも期待したいところです。


演算も記憶も行うトランジスタ PCのスタートアップが超高速に?

2010-12-23 23:59:59 | Technology

コンピューターを20世紀最大の発明というのはよく聞く話ですが、その進化の土台といえるのがトランジスタの発明です。
もともと真空管を用いて作られていたコンピューターですが、小型で軽量、低故障率、低消費電力であるトランジスタの登場で、真空管はトランジスタに取って代わられます。その後、トランジスタをより小型化、集積化したICやLSIの登場により、コンピューターの性能は飛躍的に進化していくわけです。ちなみに、IntelのCore i7(Bloomfield)には7億3100万個のトランジスタが詰め込まれているとか。まさに天文学的な数ですね・・・。

さて、そのトランジスタに新顔が登場したみたいです。なんでも、「演算も記憶もできる」とか・・・

100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行う新しいトランジスタを開発 独立行政法人 物質・材料研究機構

小難しいことは抜きにして、「アトムトランジスタ」という新開発のトランジスタは、従来のトランジスタと同様の演算素子としての動作と、その「演算結果の保持」が出来る・・・つまり、演算結果によって「回路の再構築が出来る」ことを記憶が出来ると言っているようです。

従来は、トランジスタで演算した結果をメモリに保存しており、メモリの消費電力が大きかったので電力効率が悪かったのですが、今回はトランジスタが演算結果を記憶する事で、消費電力を大幅に抑えられると。さらに回路そのものが演算結果を覚えているため、電源を入れた瞬間に、電源を切る前の処理状態が再現できているから、(回路的には)起動時間という概念すら無くなる・・・という話みたいです。

ただ、従来の「トランジスタで演算し、メモリで記憶する」というアーキテクチャが使えない、全く新しい概念での回路設計が必要になるため、例え量産化や集積化の目処が立ったとしても、世に出てくるのはまだまだ先の話でしょうねえ・・・


サービスごとに通信料金徴収が実現・・・驚愕のプレゼン

2010-12-20 23:59:59 | Technology

古くは様々なアプリケーションや動画のダウンロードに始まり、WinnyやShearなどの、いわゆるP2Pソフト全盛の頃に(IT界隈で)社会問題化し、最近ではYouTubeなどの動画ストリーミングサービスが矢面に立っている問題があります。
何度も繰り返されてきたそれは、「一部のユーザー(サービス)が、帯域のかなりの部分を専有してしまっている」という、通信各社にとっては非常に頭の痛い問題です。

固定回線の世界では、かつてP2Pサービスの利用者に対して帯域制限をかけたり、あまりにも通信量が多い場合は通信速度を落としたり・・・という、ざっくりとした制限をかけていたことはありますが、技術の進歩とネット中立性の名の下に、そして、そうせざるを得ない小規模IPSから大手にユーザーが移ることで、最近はそうそう問題にならなくなっています。

しかしながら、モバイル通信の世界では、固定回線ほど帯域が潤沢に使えないと言うこともあり、相変わらず悩ましい事には変わりないようです。むしろスマートフォンの台頭で、問題は深刻化していると言えましょう。ソフトバンクがiPhoneでのWiFi使用を推奨しているのはそのためです。

さて、今後はどのような対応が考えられるか、ですが、海の向こうでは何とも恐ろしいプレゼンが、ISP向けにされたようです。

パケット監視でウェブアプリ別に通信料徴収、ISPが検討中 engadget

Facebookの利用料金は1MBあたり2セントで、Skypeは月額3ユーロ。YouTubeは月額0.5ドルだけど速度制限あり......インターネットプロパイダ(ISP)がウェブアプリやウェブサービスごとに別料金を課すなんて、どこの並行世界の話かと思われるかもしれません。しかしこの資料はAllot Communications社とOpenet社が行ったウェブセミナーで配布され、「信頼できる筋」からWIREDが入手したというもの。両社は通信帯域の制御を専門にしており、AT&TやVerizonといった大手キャリアを顧客に持つことで知られています。
つまりスライドが示すのは、我々の技術を利用すれば、定額通信料だけでなくウェブサービス別に追加の通信料を徴収できる(キャリアにとっては)明るい未来が到来するよ、という話です。

要は、ネットの中立製なんぞどこ吹く風で、重いサービスには高い通信料を・・・という、まるで10年前に戻ったかのような話です。これだと、特定のサービスへのプレッシャーにもなりかねませんし、ISPの自社サービスへの極端な優遇なんて事も普通に起こりえます。最悪、ISPが「見せたくない」サービスについては「遮断」まで出来るわけですよ。

「現状」を鑑みるに、とうていまともとは思えないですが、「将来」はそれがまともになっているかも知れないんですよね・・・
こんな馬鹿な事がまかり通る世の中になる前に、それが問題にならなくなるくらい技術が進歩するか、「誠実な大手が」救いの手をさしのべてくれるよう願っています。・・・海の向こうではAT&TやVerizonがやろうとしているのですから救いようが無いですけどねー。


Google Books Ngram Viewerがすごい

2010-12-19 23:59:59 | Technology

言葉というのは道具であり、それ故に時代と共に変わってゆく。道具ですから、使い易いように社会全体で手直ししていくのは当然のことです。・・・流行語大賞であるとか、一部若年層が使っているような、「数年したら誰も使っていない言葉」ではなく、もっと長期的な観点で見て、です。今だと、誰も「いとおかし」とか使ってないですよね?

このように、時代と共に用法が増えたり、あるいは全く違った意味で使われる様になったりする言葉は、その時代の世相であるとか、変革を映す鏡であるとも言えます。1900年以前と現在では使われている単語が恐ろしく増えているでしょうし、突然使われなくなった名詞もあるはず。

それを最も的確に検証できるのが、その時代時代に発行された書籍の単語の出現頻度を調べること。例えばテレビが家庭に普及し出したときであるとか、何らかの商品やアイドルがブームになったときには、良いにせよ悪いにせよ書籍での露出は増えるでしょう。

これまでは、一般人がそれを分析するなんてことは夢物語でしかありませんでしたが、あのGoogleの「世界中の本をスキャンしてアーカイブする」プロジェクトの副産物であるデータベースによって、驚くほど簡単に、しかも誰でも興味本位で利用することが出来る様になりました。・・・いや、本当にすごいことですよ、これは。

過去数百年の言葉の盛衰が分かるGoogle Books Ngram Viewer(英語の本のみ) TechCrunch

言葉は訪れ、言葉は去る。52億冊の本の5000億語を集めたGoogleのデータベースのおかげで、数百年前から今日までの、文学書やそのほかの本に現れる言葉のはやり廃(すた)りを、時系列の折れ線グラフで見ることができる。そのデータベースは、Google LabsのGoogle Books Ngram Viewerというプロジェクトで、誰もが見ることができる。何か、言葉をタイプしてみよう(複数ならカンマで区切る)。すると、その言葉の年代別の出現頻度の推移が、グラフで表示される。

とりあえず、私は”program”という単語を入力したり、プログラム言語を片っ端から入力してみたり、”Apple”とか”Microsoft”とかの企業、”Japan”などの国名で試してみたりしましたが・・・面白いですねえ。コンピューター系の言葉は1980年代から急に立ち上がってきて、プログラム言語は2000年の前くらいをピークに急降下します。”internet”は1992年頃からずっと右肩上がりなのに、”WWW”は1999年を境に緩やかに降下しはじめていたり・・・自分の興味ある分野で様々な単語を試してみて、色々と思い当たるフシを探してみるのも楽しいかも知れません。

話によると、すでに日本語の書籍も相当スキャンしているはずですから、日本語でも同様のサービスが開始されないでしょうかね?近・現代史の研究家にとっては凄まじく有用性が高い・・・ある意味革命的なツールであると思いますよ?・・・それが本当かどうか、検証が大変だと思いますけどね。


短縮URLを事前にチェック Know URL

2010-12-12 23:59:59 | Technology

GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索することで、目的のページに飛ぶと言う事が当たり前になった昨今、わざわざURLを直接入力して目的のページを直接指定するという行為が激減した関係上、URLそのものを意識することが少なくなってきています。

しかしながら、Twitterやインスタントメッセージを利用する時に、相手に見せたいウェブページを直接指定する方法として、URLが再評価されています。
ただ、ここで問題になってくるのがTwitterの文字制限。ウェブページ・・・とりわけブログやニュースの中には、記事のURLが長ったらしいハッシュ値そのものといった場合が少なくなく、140文字の大半を埋めることになってしまいます。インスタントメッセージにおいても、数行に渡って記載される事になるため、可読性を大きく損なうことになります。

そこで登場したのが短縮URLサービスと言われるものです。要は、長ったらしいURLを短く再構成してくれるサービスで、元のURLと一対一で対応する短縮URLを作成し、短縮URLにアクセスがあったら、元のURLにリダイレクトするという寸法です。

ただ、この方法には大きな問題点があります。といいますのも、短縮URLを利用することによって、行き先のURLが完全に隠匿されてしまうのです。URLを見る事で、リンク先が別サイトに飛んでいたり、おかしな実行ファイルをダウンロードするようにしていないかなどの最低限の事が分かるだけに、これではちょっと気持ちが悪いのは確かです。

そう思っていたのは私だけでは無いようで、事前に元URLをチェックできるサービスがスタートした模様。

[ウェブサービスレビュー]短縮URLのリンク先を事前にチェックする「Know URL」 CNET

「Know URL」は、短縮URLのもとになったURLを表示してくれるサービスだ。実際にアクセスすることなく元のURLを復元して表示してくれるので、短縮URLに仕掛けられた悪意のあるトラップにひっかかるのを未然に防いでくれる。

これで飛ぶ前に短縮URLを元URLに戻すことで、相手先の素性をチェックできるというもの。さらに、Googleのウイルススキャン機能を使ってチェックもできるというのですから至れり尽くせりでしょう。

こう、何も信用できないという状況はちょっとばかり悲しいものがありますけれど、転ばぬ先の杖といいますか、出来るだけ面倒やトラブルは避けたいものですから、使えるツールは出来るだけ使うことで、自分の身を守っていきましょう。


WWF、「WWFフォーマット」を発表

2010-12-11 22:58:18 | Technology

世の中には様々な文書フォーマットが存在します。有名どころで言うと、プレーンテキスト形式の「.TXT」、「.DOC」や「.XLS」といったMS Office形式、代表的なウェブページ用フォーマットを記述してある「.HTML」など、用途に応じて使い分けられているのです。

さて、用途によってフォーマットが使い分けられていると言えば聞こえが良いものの、実際に運用しようとしたときに、一種類ずつ開くソフトが違うとなると不都合なことも出てくる場合もあります。
そんなときに使われるのが、「紙を置き換える」という目的で作られた「PDF」などの文書フォーマット。編集を大きく制限する代わりに、紙の見た目をそのまま保持することに特化したものです。ただ、この紙を置き換えるというのがくせ者で、読むときにそのまま印刷しちゃうんですよね・・・PCの画面には限りがありますから、資料を見ながら作業なんて時には、プリントアウトしてあった方が絶対良いですもの。つくづく「ペーパーフリーなんて幻想なんだ」と思うところです。

では、ペーパーフリーを実現するにはどうしたら良いでしょう?国際自然保護団体であるWWFが出した答えは実にシンプルでした。

自然保護団体 WWF、地球に優しい新フォーマット WWF を発表 engadget

パンダのマークでおなじみ世界自然保護基金 WWF が、環境に優しいという新ファイルフォーマット「WWF」を発表しました。WWF は汎用の文書保存フォーマットで、PDFが扱えるソフトウェアなら原則的に利用可能。というより、中身はPDFそのものです。違いは「印刷できない」点。

印刷できなければ紙は使わない・・・実にシンプルで直球です。なんでも、WWFというフォーマットそのものがPRにもなっているそうで、「見慣れないフォーマットだ」と検索してもらい、WWFのウェブページで理念を知ってもらおうという、啓蒙活動にもつなげたいとか。

私としては、こういう試み自体は大変面白いと思うのですが、いざ、仕事の文書を全部置き換えるとなると、色々と弊害ばかりが思い浮かんでしまって・・・アイコンは綺麗なので良いなあと思うものの、使わないでしょうなあ。


Kinectはマイクロソフト史上最高のハードウェアになる可能性

2010-11-21 23:59:59 | Technology

日本でも11月20日に発売された、XBOX360の周辺機器である「Kinect」。赤外線カメラと可視光(通常の)カメラ、マイクなどを詰め込み、手足の動きで操作するという「コントローラーレス」を実現するデバイスです。

アメリカでは先に発売されていたKinectですが、USB接続である関係上、PCにも接続が出来てしまいます。そのために、一部のハッカーの間ではすでにPCでKinectを利用するためのドライバが開発されてしまっているとか。私も動画を見ましたが、リアルタイムで3D位置情報を取得しつつ、映像を扱えるのは正に衝撃的。

この動きについて、発売元のマイクロソフトは「ハックは容認できない」という立場を表明していましたが、それについてはかなり限定的な話だった模様。

マイクロソフト:Kinect のオープン利用は容認 engadget

しかし実際にオープンソースのドライバが公開され多数のプロジェクトが発表されていることについて、マイクロソフトの幹部はこうした利用はもともと問題視しておらず、USB接続をプロテクトしなかったのも意図的な設計であると語っています。Kinect の開発を指揮した Alex Kipman 氏が米 NPR の番組 Science Daily のなかで明らかにしたもので、マイクロソフトが認めない「ハック」とは Xbox 360側のアルゴリズムまで到達すること、また Xbox 360とKinect のあいだに何らかの機器を挟んでゲームで不正行為を働くことを指しており、こうした意味では Kinect は「ハック」されていないとのこと。

要するに、マイクロソフトはXBOX360のKinect対応ゲームに対して、不正にアクセスしたりする「横着な」プロジェクトを認めないというだけであって、Kinectのオープンソースドライバを開発してPCで新たな利用法を探るという使い方については全く問題ないと言う事。そのために、USBで出力される信号についてはプロテクトもかけていないとか。

これまで、1万円程度の市販品で3D位置情報まで正確に、映像付きで拾ってくれる周辺機器なんてある訳がありませんので、UI開発者や研究者にとっては非常に魅力的な研究対象でしょう。
すでに「XBOX360は持っていないけれどKinectは買った」という人たちが何人もいらっしゃるようで。もしかすると、Kinectはゲームとは全く関係ないところで、すばらしい成果を上げるかも知れませんね。


LTEサービスがついに SIMフリーへの布石となるか

2010-11-09 23:59:59 | Technology

今現在の携帯電話などの通信端末は、いわゆる「3G」とくくられる通信方式が主流になっています。具体的に言うと、ドコモのFOMAとAUのWIN、ソフトバンクはSoftBank 3Gという名前がついていて、いずれも過去の「2G」であるmovaその他の時と比べて、高速なデータ通信に対応したことが特徴になっています。ざっくりとまとめるなら、2Gから3Gへの世代交代は、端末でのネット利用を見越したものと言えますね。

さて、その思惑通り、通信サービスが飛躍的に拡大する礎となった3G端末ですけれど、ドコモとソフトバンクのW-CDMAと、auのcdma2000という二つの方式が混在しています。そのため、今年大きな話題になったSIMフリーについても、完全実施されたところで効果は限定的となっていました。

加えて、3Gのデータ通信速度が限界にさしかかっている為、そろそろ「4G」の通信方式が求められているところでした。

そこで、第4世代の通信方式の本命と言われている、LTE規格を使ったサービスがついにドコモからスタートします。

ドコモのLTEサービス「Xi」は12月24日開始、2年契約で月額4935円 engadget

長期間進化! ドコモが次世代通信規格LTE(Long Term Evolution)サービスをついに開始します。サービス名は以前に発表されたとおり「Xi」と書いて「クロッシィ」。下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbps(一部屋内施設ではその倍)の通信速度を誇ります。

初回で対応する地域は首都圏と名古屋、大阪のみ。人口密度の関係上、人口カバー率が手軽に上げられますからね。展開的にFOMAの頃を思い出しますね。

LTEに関しては、au、ソフトバンク共に採用する動きがあり、3キャリアともに採用するならば周波数の問題はあるにせよ、SIMフリーの障害がひとつ消滅することになります。

それにしても、唐突に出てきた印象です。確かに名前だけは以前から出ていましたけれど、まさか年内にサービスインまでこぎ着けるとは。
2001年のFOMAサービスインからちょうど10年目。当時と違って2年縛りが強くなってしまっていますから緩やかな移行だと思いますが、とりあえず2年ほどは様子見でも問題なさそうです。