ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『ゴーレム』 グスタフ・マイリンク

2021-07-10 20:15:05 | 
YouTubeの本棚紹介でさらりとながらこの本の良さに触れていたので読んでみた。ただ、絶版になったので図書館で借りた。

図書館でちょっと読んで、残りは家で読もうかと思ったが、結局図書館で完走してしまった。図書館の硬い椅子でしんどい思いしながら2時間40分ほどかけて読破。こんな体験は人生で初めて。
面白かったから一気に読んだというよりは、これは集中して読まなければいけないという気持ちで読んだ。

「ゴーレム」というとドラクエに出てくるモンスターが真っ先に出てくる。予備知識なしだと、ゴーレムという怪物が暴れる物語かと思うが、そんな単純な物語ではない。でも、どんな物語かと聞かれると、残念ながら私にこの小説の良さを説明できない。ダレる箇所もなくはないが、面白い小説であることは間違いない。全編に妖しい雰囲気が漂っているのと同時に、切なさも内在している。このなんとも言えない感覚は読んだ人にしかわからないと思う。

復刊されるたびに絶版になるようだが、是非とも復刊していただきたい。そして今一度じっくり噛み締めながら読みたい。そんな小説である。