『パピヨン』（2019）

説明不要の名作映画『パピヨン』を恐れ多くもリメイクしてしまった。ほとんど見返してないけどDVDも持っているほどのパピヨンファン、そしてマックイーンファンの私は厳しい目でチェックさせてもらった。

結論から言うと悪くはないどころかいい映画であった。しかしながら、オリジナルがあまりにも偉大過ぎた。マックイーンの狂気は鬼気迫るものがあったな。チャーリー・ハナムも大いに頑張っているのだけど、上辺だけという感じがしてしまう。まあ、これは彼も問題と言うよりは演出の問題でもある。ずっと独房に入っていた割には随分と健康そうだし、そもそも刑務所の環境に不衛生さが足りない。もっと汚らしい方が雰囲気が出るのにもったいない。あと、やっぱりゴキブリは食ってほしい。示唆するような描写はあったが、やっぱり食ってこそのパピヨンだよな。

あと、オリジナルにない部分の付け足しが蛇足に感じてしまう。脱獄後の描写なんて野暮ったいな。ひょっとしたらそれが原作通りなのかもだけど。

ここまで言っていうのもなんだが、オリジナルと比較しないで観る分には楽しめる。これが新解釈のパピヨンなんだと割り切って鑑賞しよう。