何故かしら大震災の悲惨な風景の映像を見ながら、♪うさぎ追~いし かの山~♪ の歌が流れると、目頭が熱くなってしまう私なのです。
東日本大震災からもう1年になりますが、被災地へ多くの援助物質や義援金が届けられ、たくさんのボランティアが参加しました。
また多くのミュージシャンもコンサートを開きましたが、その中で歌った一曲「ふるさと」が被災者を癒しそして勇気づける歌として浮かび上がり、自然発生的に支援のシンボルの歌としてクローズアップされてきました。
童謡「ふるさと」はなぜそれほどの強い力を持っているのでしょうか?日本中の誰もが知っている国民唱歌ですが、それだけでない何かがこの歌にあるようです。
うさぎ追いし かの山 小鮒釣りし かの川
夢は今もめぐりて 忘れがたき ふるさと
いかにいます 父母 つつがなしや 友がき
雨に風につけても 思いいづる ふるさと
こころざしを 果たして いつの日にか帰らん
山は青き ふるさと 水は清き ふるさと
その詞の内容は遠く離れた在住の地から、生まれ育った故郷を想う歌ですが、大震災との関連でのひとつの解釈は、被災者の震災前の生活の営みや自然豊かなすばらしい風景のすべてが「ふるさと」であり、今はその面影すらないほど荒れ果てているものの、いつかは必ずその「ふるさと」が復興するという励ましの歌だと解釈できます。
しかし・・・それ以上に深くて大きな意味をみんなが感じているはずです。
私はあの歌を聞けば、日本人誰もが心の奥底に眠っている「日本の原風景」を呼び覚まされるのではないでしょうか。
都会にしか住んだことのない人も、生まれ育った地を離れたことのない人も・・・
この歌の「ふるさと」とは日本人の心そのものなのではないでしょうか。
誰もが持っていて、しかも忘れかけていた日本人の心が、
大震災という出来事を契機に、目覚めそして“絆”を感じあう、そんな歌なのではないでしょうか。
60年前、日本は戦争に敗れたとき、復興など永遠に不可能なほどのすざましい焼け野原でした。あれから世界の奇跡といわれるほどの発展をとげ、GDP世界2位となるまでの豊かな国となりました。
その原動力となったのは「日本人の心」ではなかったでしょうか。
真面目で勤勉で忍耐強く、研究熱心で困難を打開して行く知恵、そして最大の力は弱者を助ける共同体意識、それらが発展の原動力だったと思います。
被災した方々への励ましの言葉などおこがましいのですが、日本のすべての人々が「日本人の心」持ってみなさんを見守っていることを信じて欲しいのです。
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