■【心 de 経営】 経営四字熟語003 意馬心猿 マズローの欲求五段階説
四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。
四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。
■ 示唆の多い経営四字熟語 No.03
■■ 意馬心猿(いばしんえん)■■
■ マズローの欲求五段階説
「人間というのは、欲望・欲情から逃れることがなく、仏教では108の煩悩を持つ」と言われています。この煩悩を押さえがたいというのが、意馬心猿です。
「意」は、「心」という意味です。意馬心猿は、「心が、走り回る馬や騒ぎ立てる野猿のように落ち着かない」という意味から、人間というのは煩悩を抑えがたいということを表しています。
マーケティングというのは、人間が持つ顕在的なニーズだけではなく、顕在化しているニーズをも引き起こし、売れる仕組みを作ることです。そのステップが「AIDMAの法則」です。
マーケティングを学ぶときに、AIDMAの法則と共に忘れてならないのが「マズローの欲求五段階説」です。人間の欲望というのは、基本的な欲求と上を目指す欲求とがあります。前者としては、「生理的欲求」「安全欲求」があり、これが満たされると「帰属と愛情の欲求」が求められるようになります。
自分が住む家に家庭があると「帰属と愛情の欲求」が満たされ、さらに上を求めます。会社で昇格をして管理職になりたい、さらには役員に就きたい、等々は「尊敬の欲求」というマズローの欲求五段階説の第4段階です。
その様なニーズがある中で、経営コンサルタントは、その業務の一環として、社員研修の講師をすることにより、モラール(モチベーション)を上げ、その欲求実現のお手伝いをします。結果として企業の業績が向上すれば経営コンサルタントとしての評価が高まります。
すなわち、経営コンサルタントとしての名声が上がります。マズローの第4段階は経営コンサルタントにも当てはまります。
経営コンサルタントとして成功したいというのは、「自己実現の欲求」という第5段階に相当します。すなわち、われわれ経営コンサルタントは、企業を支援することにより、その企業の「夢」すなわちその企業の「自己実現の欲求」充足のお手伝いをしながら、自分自身の自己実現を図って行く職業なのです。
■ バックナンバー
これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。
https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef