物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

オイラーの公式の導出

2018-01-29 17:58:29 | 数学

とはいってもテーラー展開を使わないでという条件付きでどう書いたらいいのだろうか。これはオイラ―自身の発見法的方法によるしかないといま思っている。

「オイラーの公式の導出いろいろ」というタイトルですでに「数学・物理通信」に7つか8つの方法で導出法のエッセイを掲載しているが、その多くが微分積分の知識を使っている。

オイラーの自身の発見的な導出という節で書いたことをまとめるしかないかと思っている。だがこれでも極限の考えをつかったり、三角関数の近似を使ったりしている。だが、あからさまに微積分を使っていないところがいいかもしれないと思う。

(2018.1.31付記)  この「オイラーの公式の導出いろいろ」のエッセイは「数学・物理通信」に掲載している。関心のある方はインターネットで検索して読んでください。名古屋大学の谷村さんのホームページにリンクして掲載されている。

 


ワイル粒子とワイル磁性体

2018-01-29 13:43:19 | 物理学

ワイル磁性体と言われる合金Mn3Snは私の元同僚であった、冨吉昇一さん(元愛媛大学教授)がその磁気構造を中性線で決定したという謂れのある物質である。その磁性体の中にワイル粒子を実験的に発見して、その量子力学的な特性から新しい機能をもった材料として期待されているということを最近知った。

 

研究会か何かに冨吉さんは招かれて、Mn3Snの磁気構造等について講演をしたと先週の土曜日に話してくれた。

 

ワイル粒子とは質量が0の粒子であり、ながらくニュートリノがそうではないかと思われてきたが、ニュトリノ振動の存在からニュートリノには質量があるということなり、その候補から外れたといういきさつがある。

 

ワイル粒子とは1921年にヘルマン・ワイルが提唱した方程式にしたがって記述される粒子であるとのこと。物質内でワイル粒子は異なるカイラリティ(右巻き、左巻き)をもつ対となって発生して、それぞれの磁石のN極とS極とに相当する点(ワイル点という)を形成するとのことである。2015年にヒ素化タンタル(TaAs)で半金属状態の物質中(ワイル半金属)でワイル粒子が発見された。

 

ワイル粒子については何十年も以前に「弱い相互作用」の本で読んだことがあるくらいの知識しかない。その本にだって、ちょっと触れているくらいだったような気がする。

 

要点は、小さな磁場で大きな電流とかをつくることができたりするようで、ワイル粒子を用いて駆動する新しい材料の開発がされると新しい大きな応用分野が開かれるということで注目を集めているらしい。

 

 Mn3Snは廉価で毒性もなく、大型の単結晶も容易に作成が可能だということで、注目されている物質である。磁気構造は冨吉さんが探求して徹底して研究がされている。またその理論も磁気理論の大権威であった永宮武夫先生が関与された論文が出ている。



(2018.1.30付記) 愛知の S さんから添字の入力の仕方を教えてもらった。S さん有難う。これで添字がついた文字の入力ができるようになった。これはhtml言語の一部のコマンドである。私はhtmlを学んだことがなかったので、少し敷居が低くなった。


日曜日の書評欄

2018-01-29 11:49:32 | 日記

新聞の書評欄はもちろん読者に本を勧めるためでであろう。だが、前にも書いたかもしれないが、ほとんどそれでその本を買ったり、図書館で借りたして読むことはない。

しかし、もし別の人生を私が歩んだとしてそのその本のおもしろさに引かれて人生が、または自分の考えや人生観が変わることもあるかもしれない。そういう可能性を感じさせられるので、毎週の日曜日は楽しみである。

書評はもちろんその本を紹介することを一番の目的だろうが、それだけではなく、それを書評した人の人生観も底から透けて見える感じがすることもある。やはり全人をかけて書評だってするからなのであろう。

私がある出版社から数学の本を出したときにその出版社の社長さんから言われた。理系の書籍は特別なものを除いて、新聞の書評欄で取りあげられることがないので、あまり一般的な人に読まれることがないのだと。

その出版社は有名な吉田武さんの『オイラーの贈物』(海鳴社)を出版した会社である。その後、この書は絶版となり、他の出版社から出されているが、3万部を売ったという。