はポテンシャルの障壁が矩形であれば、量子力学では解ける。いわゆるトンネル効果の問題だ。その量子振幅を求めた。これは正しく求められているのに、どうしたものかその振幅の係数の比の絶対値の2乗を求めようとしたらどうも求める結果とならないということが起こった。
これは私の計算がどこか悪いのであるが、どこがわるいのか今わからない。この問題はかなり以前に自分でもきちんと解いたことがあるはずだ。その計算のメモもどこかにまとめたことを覚えている。
だが、どうしたものか計算の迷いの森に迷い込んでしまった。私にはしばしば起こることである。要するに計算がへたくそなだけだが、そういうことがしばしば起る。
その計算の過程で、ちょっと奇妙な経験をした。それは複素共役な量どうしをかけたときとたしたときとで同じとなる量があるということに気がついた。そういう量があるということはしらなかった。いま、p=1-\mathrm{e}^{ika}と、これの複素共役である。そんな量があるとは思ってもいなかった。
(2018.1.23付記) 前にまとめた、矩形の障壁についてのトンネル効果のまとめのメモは見つけられていないが、昔の講義ノートを見つけた。長年、量子力学を教えているうちにこのまともに解ける例を教えることはやめて、障壁の厚さが厚いという場合を近似的に取り扱うことにしていた。それでもトンネル効果の説明には十分だったからである。
だが、これは近似なしに解ける例題の一つであることはよく知られている。