物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ちょっとだけ理解が前進した

2018-11-17 13:01:40 | 物理学

昨夜、金重明『ガロアの数学』(岩波書店)の第3章の「ラグランジュ・群・体」の章の初めのほうを読み直してここがやっと理解できた。

書き方を省略しているわけではなかろうが、先日読んだときには理解ができなかった。わかりやすいように私なりに書き換えてみたいと思っている。

また、これを読んで4次方程式のときも同じように考えたらいいのにと思ったが、それについてこの書の後のほうに書いてあるのかどうかはわからない。あまり書いてなさそうである。

どうも肝心のところではないところでひっかかってしまっていた。

昨夕近くにこれは別のことだが、疑問が出てきてわからないなと思ったことがあった。それは散乱問題での実験室系と重心系での速度についてである。

重心系では弾性散乱の前後で粒子の速さは変わらないが、一方中性子の重水での散乱では重水の原子核に中性子があたって,減速される。そして高速中性子から熱中性子に変わっていく。これとの関係がどうなっているのかわからなくなった。

それぞれの事実はまちがいがないのだが、その関係がどうなっているのかという点に疑問が出た。計算で確かめたわけではないが、つぎのようになっているのであろうか。

すなわち、実験室系では確かに中性子の減速が起こっているのだが、これを重心系でみると、中性子の速度は散乱の前後で変わらないのであろうか。まだ半信半疑である。

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小川修三「量子力学講義ノート」

2018-11-08 12:36:22 | 物理学
第2部の編集を10月の半ばから行っている。

ところがいたるところで分からないことに遭遇している。いまも散乱問題の章にとりかかっているのだが、結合問題のときとは様子がちがう。それは境界条件がちがうのだから、はじめからわかっているのだが、私の計算とはちがうのである。

どうもSchiffの"Quantum Mechanics"の記述にしたがっているようなのだが、記号がちがっている。それだけではない。取扱い方がちがうのだ。それがちゃんとした首尾一貫したものになっているのかを調べていかねばならない。

ちょっと前のところでもおかしなことが書いてあると思って、しばらくその解釈に困ったが、そこはなんとか意味を推量して注釈をつけておいた。ひょっとしてナンセンスなことを書いているのではなんて失礼ながら思ってしまった。

それでも「小川さんがナンセンスなことを書くはずがないよな」と再考してそこの話の筋をつけた。これが実際に彼の講義を聞いたことがある人なら、すぐに思いつくことだろうが、実際には私は彼の量子力学の講義を聞いたことがあるわけではない。

それで、ひょっとして彼がまちがえたのではないかとなどど思うことが絶えないのである。
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散乱問題での波動関数

2018-11-06 17:29:18 | 物理学

を求めるなどということは書物では見たことがないような気がする。

もっとも散乱をした後の波動関数とそのフェーズシフトphase shift(位相のずれ)を求めることを、大学院生のころはそういうことばかりをコンピューターで計算していた。

実際にしていたのは、二つのチャンネルがあって、その一つはもちろん弾性散乱のチャンネルであるが、もうひとつは非弾性散乱のチャンネルである。それをシュレディンガー方程式として連立させて数値的に解くということをそれも3年近くにわたってした。

ところが、その二つのチヤンネルの波動関数のユニタリティ(確率)が満たされていないということになって、計算は全く信用してもらえない。もちろん信用してもらえない理由があるのだが、自分たちの実感としては計算が間違っているという気がしないからこまった。

その解決は長くかかり、けっきょくは非弾性散乱の波動関数の正規化がうまくされてなかったということでそれを修正したら、ことは収まった。


それで2年から3年かけてやってきた計算は結果的にはこの正規化だけで、問題がなくなり、すべての計算結果は生き返った。それで論文を書けそうになったのは博士課程の2年の終わり頃であった。

どうも研究室の先生方にも、私たちはできの悪い奴だという烙印がおされていたのだが、少しづつ挽回できるようになった。もっとも間違いにはほとんど同時に共同研究のパートナーの H 君と私とが気がついたから、不思議なものである。

パートナーの H 君は頭のいい男だったが、そのあやまりの箇所に気づいてからも、やることが早いので、すぐにその検討にかかったけれども、あまり綿密に検討するという気質ではなく、やはりだめだったとがっかりして早々に家に帰ってしまった。

その彼の残した計算結果をよくよく吟味したら、なんのことはなく、ユニタリティは精度よく満たされていることがわかった。翌日でてきたパートナーの H 君が大喜びしたのはいうまでもない。

原子核の研究者がそばにいたら、気がついて注意をして、あやまりの起こしそうな箇所を教えてくれたのだろうが、研究室のメンバーもそういうことをやったことがない人たちばかりであり、迷路にはまったのはしかたがなかった。

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わかりやすく書く才能

2018-10-16 15:40:54 | 物理学
をもった人がいる。

これは一般の人にもいるし、教育者とか研究者にもいる。多くの人の同意が得られるかどうかはわからないが、素粒子物理学関係の学者としてはSydney ColemanとかHarry J. Lipkinとかがその中にはいるのではなかろうか。

Colemanの書籍はあまり読んだことがないが、Lipkinの"Lie Groups for Pedestrians"という本は読んだことがある。昔はNorth Holland pub.から出版されていたが、現在ではDoverからペーパーバンドが出ている。Qunatum Mechanics for Pedestriansとかいう本ももっている。もっともこちらのほうはあまり読んだことがない。

こういう人は日本人にもいて、いいテクストを書いていたりする。また、わかりやすい講義をするという評判で定評のある研究者はほうぼうの大学とかグループから講義の依頼があったりする。

日本人の場合には直接名前を具体的に上げたりすると、ご本人に迷惑をかけてはいけないので、イニシャルだけにしておくが、KさんとかMさんとかが知られている。Kさんは研究者としてもすぐれた人だが、著名な研究者のNさんの流れを受けている人だと思われる。

ちょっと話が変わるが、非線形波動のことで独特の業績で有名だった広田良吾さんの講義を聞いたことがある。これは数学の先生が呼んだ集中講義を聞かせてもらったのだが、やはり独特のものの理解の仕方をされる人だという感じをもった。

差分法とかをつかって非線形波動の問題を解かれたり、されたらしい。差分法に凝っておられて、いろいろ新しいことを見つけたといっておられた。そしてこれについてすべてがわかるまでは論文を書かないと言っておられた。広田さんには『差分学入門』(培風館、1998)とか『差分方程式講義』(サイエンス社、2000)とかがある。

孤立波が崩れないで進んでいく非線形な波を差分で解くときに、前進差分とか後退差分ではなく、中心差分で解かないと波が安定ではなくなるとか聞いたような気がするが、どうも定かではない。

現代的な数学ではない、自分自らがつくっていく数学のような感じがする人であり、「現代の和算家」というあだ名までもらった独特の人である。


(2018.10.18付記) わかりやすく書く能力という意味では『数学ガール』の著者の結城浩さんを忘れてはならないだろう。彼の書いた『数学ガール』のシリーズは最終的には難しい課題と取り組んでいながら、その前の段階では数学を分かりやすく解説している。

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運動神経が必要だ

2018-10-10 11:46:12 | 物理学
などというとスポーツのようだが、何十年も前の学生時代に購入した黒沢達美著『物性論』(裳華房)の序文には、この本を読むにはある種の運動神経みたいなものが必要かもしれないなどと書いてあった。

物性論の本を読むのに、数学の基礎知識とか量子力学の知識ではなくて、ある種の運動神経が必要だと言われて、ほっとしたのを覚えている。それは数学の知識も量子力学の知識もそのころあまり身につけてはいなかったからである。

いや、いまでもこの二つが身についているかと問われるとあやしいものだが、学生の頃はもっと頼りないものであったことは疑うべくもない。

この本以降に読んだ物理の本で、そういう風な序文があったと思うような本は覚えていないところを見るとても独創的な序文であったにちがいない。こんな序文を持つ本を書いてみたいと思っているが、さてさてそういうことができるものだろうか。
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『新SI単位と電磁気学』

2018-09-01 12:05:10 | 物理学
は岩波書店からこの6月に発行された本である。岩波の雑誌「図書」でその発行を知っていたので、そろそろ大学の生協に購入の注文をしようかと思った矢先に著者の一人である北野正雄先生がこの書を送ってくださった。先生には感謝に堪えない。

と同時に私たちが電磁気学を学ぶときにいつも困ってしまう、電磁気学の学習の悩みの一つがこれでなくなるのだと思うと著者の佐藤文隆さんと北野先生に感謝の念を強くする。

北野さんのあとがきによれば、『物理定数とSI単位』という佐藤文隆さんの著書の発展した書籍である。

この佐藤さんの前著の電磁気学の単位について、北野さんが間違いを調べてその正誤表を送ったら、それから発展して共著のこの新著となったのだとある。

佐藤さんは人も知る宇宙物理学の権威であるし、北野先生は量子エレクトロニクスや電磁波工学の権威である。北野さんと私は、たまたまネット上で知り合いになり、いろいろ教わった仲である。

そういうことで彼の『新版 マクスウエル方程式』(サイエンス社)や『量子力学の基礎』(共立出版)をいただいた。私のほうはあまり本を書くほうではないので、1冊ようやく『四元数の発見』(海鳴社)を差し上げたことがあるのみである。

北野さんは徹底した思考の持ち主であり、彼の努力によって面倒な電磁気学の単位が明快になることは疑いがないが、残念ながら、まだ私の不勉強で彼の主張を身につけてはいない。だが、信頼できる書籍が出版されたことを喜びたい。

それにしても、岩波書店は著者にもその著書をあまり多数部は無料では渡さないと聞いている。その貴重な数冊の一部を送っていただいたのだとしたら、遅くはなっても必ず読むきることにしたいと決意だけはしている。
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Gell-Manの伝記

2018-08-28 10:51:57 | 物理学
『物理学天才列伝』下(講談社ブルーバックス)のGell-Manの項をようやく読んだ。場の理論的にはどうかわからないが、20世紀の中期は実に素粒子物理学においてはGell-Manの時代であった。

そういうことがようやく了解できた。これは昨夜12時少し前から読みだして、2時間ほどで読んだ。伝記の作者はなかなかむつかしいことを書かないで一般の人が分かることだけを書いて話をつないでいくのだから、やはり芸がいる話である。

しかし、そういう芸ができないと科学者の伝記は書けないのだと思う、たしかに一般の人にわかるように話の筋をうまくつないでいるのは確かである。

ファインマンの伝記部分では量子電気力学に貢献した、ほかの他の人のこともかなり書いてあり、ファインマンだけには偏ってはいない点でなかなかよいとは思ったが、ゲルマンの部分にはそれはちょっとお添えのようであった。
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朝永さんの返答

2018-08-27 14:53:35 | 物理学
先日、雑誌「窮理」の10号が出た。 

その中に原康夫さんの朝永振一郎さんとのやりとりのいくつかが記されたいたが、その中で先日にはふれなかったことをここで書いておきたい。

これは何かの機会に原さんが朝永さん宅にいくことがあったときに、朝永さんに質問したときの返答である。原さんは朝永さんの「著書「量子力学」IIの前半は後半ほどには興味深くはないですね」と尋ねたという。

そうすると朝永さんはそれはそうだと答えたという。それは「前半はSommefeldの著書に沿って書いたからという」のである。原さんはいう。朝永さん自身が量子力学の理解が難しかった個所は、朝永さんの独創的な説明があるが、理解やさしいところはSommerfeldの本に沿った説明をされたのだろうという。


朝永の量子力学ではいわゆるDiracのhが使われてないために式がとても見にくい。これをどうしてDiracのhを用いて書き直さないのか不思議に思っている。いま英語版も見てみたが、修正されてはいない。
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Diracの寡黙とGell-Manのライターズ・ブロック

2018-08-27 13:51:29 | 物理学
これらは天才的な学者であった、二人の家庭環境から来ているらしい。

Diracに父親はスイス出身のフランス語教師であり、夕食のときにDiracにフランス語を話すように強制したために英語でもDiracはほとんど話さないようになったと言われている。

誰かがフランス語圏からDiracに会いにやってきたときにフランス語をDiracが解しないと思って一生懸命に英語で話そうとしたとかいう話があり、そのあとでDiracがランス語が話せることを知っておどろいたとか読んだことがある。またフランス語で書かれたDiracの論文もあったはずだ。

同じようにGell-Manも心理的要因から文章がかけなくなるという症状をもっていたらしい。卒業論文は完成するどころか書き出すこともできなかったというから、Gell-Manのライターズ・ブロックは重症である。そういう病気があるとは私自身は聞いたことがない。

Yale大学では大学院には進めなかったので、MITに進んだという。そこで、Weiskopfにつく。
Wesikopfからは実践的な物理学を学んだという。「数学的洗練さよりも、証拠と一致するかどうかを重んじろ。できる限り単純さを追い求め、決まり文句やもったいぶった言い方は避けろ」

これはなかなかいいアドバイスである。こういうアドバイスをする人はその当時はほとんどいなかったのではないか。私などが育ってきた研究雰囲気とは似通っているが、それは横道にそれる。

Gell-Manの優れた点は問題の表面的な細部に惑わされずに、「分析的な目」で、その裏に隠されたパータンを見抜く才能にあったという。

ただ、列伝の著者も彼が少し嫌な性格の持ち主であったことをほのめかしているようだ。
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生誕百年のファインマン

2018-08-24 17:40:21 | 物理学
雑誌「数理科学」の9月号に江沢洋先生が「ファインマンの物理学」を書いている。それで知ったことを一つ。

ファインマンは若いころ原爆の開発に加わった。そしてそのことで苦しんでいたというのだ。

ファインマンと言えば、その物理学の特異さで有名だし、道化師のようなところもある。また、『ファインマン物理学』6冊(岩波書店)でも有名である。

この原子爆弾を開発したという、心の重荷は1945年から1947年に量子電磁気学研究をするようになるまで彼の研究を妨げていたという。

広島にもファインマンは訪れたことがあると聞いているが、そのときに平和記念博物館をファインマン夫妻が訪れたかどうかは大学での私の先生の一人である、故人のS先生からは聞いたことがない。

結構ナイーブな人だったのだとすれば、平和記念博物館を訪れることはできなかったかもしれない。

2番目の奥さんと結婚していた当時らしく、宮島の厳島神社を夫妻が訪問した時、ファインマンの奥さんが、釣り下げられた灯篭だったかの由来を話をしていたとか聞いたことがある。なかなかいい奥さんだったとはS先生の評価だったが、ファインマンの2度目の結婚はうまくいかなくて、数年で離婚してしまった。


山崎正勝さんの「マンハッタン計画と科学者たち」という記事も読んで考えさせられた。ドイツが原爆を開発する可能性がないと知ってマンハッタン計画から離れた科学者はロートブラットただ一人だったが、それはイギリス人の科学者でロートブラットの先生であった、チャドウイックからそのことを聞いたただ一人の科学者であったという。

他の大多数の科学者には秘密にされていて、知らされなかったという。


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体系的な書物を著した人たち5

2018-08-24 15:49:51 | 物理学
和田純夫『物理のききどころ』全6巻(岩波書店)はそういう体系的な書物の一つであろう。私も『量子力学のききどころ』をのぞく5つの巻は購入してもっている。

調べてはいないのだが、和田さんはほかの出版社からもそういう体系的な本を書いているから、そういう
体系的なことに関心をもつ人なのであろう。

数式が読みやすくていいのだが、見開きの2ページで説明をするのはなかなかつらいところある。

力学、電磁気学、量子力学、熱・統計力学、振動・波動、相対論的物理学の6つの巻である。
 
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体系的な書物を著した人たち4

2018-08-21 12:34:12 | 物理学
ここでは秀才だとか偉大な業績を挙げた人とかのその人の学者としての業績とかを度外視してあげている。

今回は村上雅人さんを取り上げる。この人は東京大学の金属工学科の出身であるが、高校時代をアメリカで過ごした人なのかちょっと変わった経歴の人だとの印象がある。

今調べてみると、はじめは「なるほど虚数」(海鳴社)を出して、注目を集めたと思うが、その後、この「なるほど」シリーズのテクストを私の知り限りでは15冊以上出している。

はじめは数学が主であったが、いまでは物理学のテクストも出版している。

微積分、線形代数、ベクトル解析、フーリエ解析、複素関数、統計学、確率論、回帰分析、微分方程式、熱力学、電磁気学、量子力学等である。

なかなかの才人であることは間違いがない。

村上雅人さんは実は超電導が専門らしいが、そちらのほうでもいくつかの賞を受賞しているようなので優秀なかたなのであろう。私も「なるほど熱力学」(海鳴社)を図書館で借りて読んだが、その書き方にはなかなか独特なところがあって、興味をそそられた。
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『物理学天才列伝』下

2018-08-20 10:33:41 | 物理学
ブルーバックス(講談社)を図書館から借りてかえって、その一部を拾い読みしている。

私がおもしろかったのはチャンドラ・セカールであった。南部さんの『素粒子』(ブルーバックス)だったかに天文台からシカゴ大学まで大学院のセミナーに出てきていたとかあって、彼のクラスの全員がノーベル賞をとったあった。

これはリーとかヤンとかがその直後にノーベル賞をとったことを意味してもいた。そのうちにチャンドラー自身がノーベル賞をとる。

わたしが関心をもったのはチャンドラーの最後の研究である、ニュートンのプリンピアの話であった。彼はプリンキピアをはじめからは読まないで、自分で力学の定理を書いてそれを現代的に証明して、それからその点をニュートンがどう書いているかをプリンキピアを読むことで比較したという。そしてどのようにニュートンがうまく力学のことを書いているかを痛感したという。

そしてこの研究はいつものチャンドラの流儀で本にした。これは日本語に中村誠太郎さんの訳で講談社から出されている。もっともこの本は一万円を超える定価がついていたと思う。

もっともこの説明で私もこの訳本を読んでみたくなった。 

もう数十年も昔のことだが、日本にチャンドラがやってきて、ブラックホールについて物理学会で講演した。その講演の訳が物理学会誌にでていたのだが、その最初の部分のアイディアを使って、試験問題をつくったという思い出がある。

入試の問題になるくらいのやさしい話にしたのである。

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武谷三男のイメージ

2018-08-17 14:26:14 | 物理学
がぐっと変わった。これは科学史家である、西谷 正さんが武谷三男の1973年6月に名古屋大学で行った集中講義の録音テープを文字に起こしたものを読んだからである。

武谷三男というと科学至上主義の権化のようにどの科学史家も書いているが、どうもそれはかなり的外れなのではないかという気がした。

彼は科学至上主義に見えるところもあるけれども、それは彼の一面にしか過ぎないのではないかということである。
教室では黒板を用いて図や文字を使って話をしているのだが、それを音声だけ録音によって拾っているので、なかなかその真意はわかりずらいのだが、それでもかなり書籍とか雑誌等で文字として読む、武谷三男とは違うイメージを抱いた。


これは私一人の抱くイメージではなく、多くの科学史家や科学社会学者の抱く武谷三男のイメージ変更を迫られることではないかと思っている。

生前の武谷三男を直接知っている人々は彼のいろいろな側面を知っているから間違ったイメージを持つわけはないが、あまり彼との接点がなかった若い人たちの抱く武谷三男像は一面的である可能性がおおきくなる。

52ページにも及ぶこの録音のテープ起こしは大変だったろう。西谷さんの労を多としたい。

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計算をしないでもわからないか

2018-08-01 10:34:17 | 物理学

ファイマンだったかディラックだったかは覚えていないが、「方程式を解かないでわからないと、その方程式を理解できない」とか言った有名な物理学者がいる。私がその趣旨とその言葉を正しく覚えているとは思えないが、それでも大意はそういうものだったと思う。

いや、いまそのことに直面しているのはある四元数の性質のことである。式で表すと|X|と|X*|とが等しい。すなわち、|X*|=|X|を計算しないで、理解できないかということである。

それができると2,3日前にも思っていたのだが、いまそれがあやしくなっている。もちろん、計算をすれば、それが正しいのはわかる。

複素数の場合に|a|=|a*|であることはよく知られている。それと同じことが四元数でも成り立つ。

さてはて、計算しないでもわかると数日前に思ったのは間違いだったのか。

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