雑誌「数理科学」6月号は「物理学と特殊関数」の特集だった。それを見るともなしに見ていたら、「数学・物理通信」の論文が引用されていた。
これはびっくりであった。もちろん、うれしいびっくりである。著者は佐藤勇二さん(福井大学)という方で、論文のタイトルは「ベッセル関数と物理現象」であり、引用された論文は中西襄先生と世戸憲治さんの共著の論文「多重振り子と鎖振子」である。私は数学・物理通信の発行者だが、佐藤勇二さんにメールで数学・物理通信を送っていない。
ということは谷村さんのサイトで佐藤さんはこの記事を見たのだろうか。谷村さんの日頃のご尽力に感謝しなくてはならないだろう。名古屋大学の谷村さんは「数学・物理通信」の発行のはじめから、彼が京都大学に勤務されていたころから、ご自分のサイトに「数学・物理通信」のバックナンバーも含めてすべてを掲載をして下さっている。
私がメールで送っている方々を延べで数えると100人は超えているのだが、お送りしている方々は人間だからやはり病気で亡くなるということが起こってくる。それも両手の指にあまる数の方々がすでに亡くなった。きちんと数えたことはないのだが、20人以上を超えているだろう。
メールでお送りしている数を数えたら、87人だったが、それからでも数人の方が亡くなっている。もっともお送りする方で新しい方にもお送りすることも出ている。でもなかなか100人は超えない。これは個人のできることの限界であろうか。
「数学・物理通信」は購読料を取ったりしていない、まったくのボランティアの事業である。だから資金がなくて発行を中止するということはない。だが、私が倒れれば、発行は続かないだろう。