片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

針のいらないレコード・プレーヤーを視聴してきた

2006年12月03日 | 感動したこと
株式会社エルプの実演試聴会がさいたま新都心であったので行ってみた。
レコードの溝をレーザー光で読み取って、アナログのまま再生する非接触型レコードプレーヤー。世界でだれもやっていない技術だ。社長自らの説明には、熱意と気迫がこもっている。読み取りに2本、制御用に3本、計5本のレーザ光を使っているという。基幹部品の製作を引き受けてくれたのは、米国の軍事産業企業とのこと。完成までには、相当の苦労を重ね、ようやく1000台売れたとのこと。
会場には愛蔵レコードを持参した人が数人。愛蔵レコードが素晴らしい音を奏でるので、みなさん感動していた。
ところで、そもそも針で再生されることを前提に作ったレコードを、レーザーで読み取るというので問題もあるという。レコードの溝は、垂直に対して左右45°づつ切るというのが規格だが、それが60°30°と傾いていた場合、針なら問題なく再生できるので気づかないが、レーザーでは照射角がずれてしまい、うまく読み取れないことがあると言う。非常にまれなケースだが、と言っていた。
ところで、寺垣さんのプレーヤーとエルプのレーザー・ターンテーブルの両方のお話を伺い実演を経験したのは、もしかしたら世界で私だけ?と思ってしまった。ということで貴重な体験なので、感想を述べさせていただく。

1.レーザーは非接触なので、ごみが付着しているとそのままノイズになってしまう。バキューム・クリーナーが必需品になる。寺垣プレーヤーでは、ほとんど気にならなかったが。
2.レーザーは、当てる場所を選べるので、針が一度も触れたことのない場所で読み取ることができる。使い古したレコードでも新品同様に聞ける。寺垣プレーヤーも遜色はないと思うが、原理的にバージンの場所で読むことはできない。ただし、寺垣さんは、レコードは本来削れない性質をしていると言っているが、悪いプレーヤーでは現実的にはすり減るとのこと。
3.レーザー・プレーヤーは、取り扱いがいたって簡単そう。ほとんどレーザー・ディスクの要領で取り扱える。針はいらないし、頭出しも簡単。演奏時間も正確に出せる。ノイズ・クリーナーを利用することは必要だが、とにかく楽そう。
4.音はLPの場合は両方とも素晴らしいと思う。SP版では、レーザー・プレーヤーでは基本ノイズが入るとのこと。SP時代はレコードの材質が悪いので、それがノイズになってしまうとのこと。寺垣プレーヤーでは、SP,LPの違いはまったく気にならなかった、明治時代の録音でも鮮明だった。

私の結論は、
1.スピーカーは寺垣さんの波動スピーカーが絶対にいい。自然だから。
2.LPレコードはレーザー・プレーヤーで聴く。
3.SP版は寺垣プレーヤーで聴く。

アンケートに、エルプのレーザー・プレーヤーと寺垣さんの波動スピーカーで聴いてみたい!と書いたが、どうやったら実現できるだろうか。