おほよそ、うつしみの世にありとある人、折にふれ事にあひて、心に思ふ事あらざるはなし。其の思ふ事ひたぶるなる時は、あながちに心につゝみもてあらむ事を得ず。その心につゝみ得ぬ時は、必ず声にたてて歎く。その歎くにつけては、やがて言(こと)に出でて歌ふ。其の歌ふ時、詞(ことば)にあやあり。心にことわりあり。これをしもぞ歌とはいふなる。
(村田春海)
goo blog お知らせ
最新記事
- 六人社版「字引」、天下無双の豆辞典
- 書物があらゆる隙間からいくつもいくつも出てくる、実に不穏なまでに胸迫る蠧魚の世界がある(ギッシング)
- 江戸川乱歩の蒼白き顔(妹尾アキ夫)
- 酒友 もっと早く知りあいにならなかったことを恨むほどの(聊齋志異・田中貢太郎)
- 枕草子はほろびゆく権門への挽歌である(池田龜鑑)
- 一度も逢ったことのない詩人が送って来た含羞混じりの詩稿を読んで、翌日その処女詩集へ序文を寄せた太宰治(宮崎讓)
- 「インテリ」は嫌われると分かっているのでそれを恥じ悪ぶって見せる有象無象はいくらでもいるが、金銭的成功こそ知力学力優越の証明だと陰に陽におごり高ぶる根性だから太宰治の魂とは永劫交錯しない(豐島與志雄)
- 一葉さんの文章句法を子規先生と語る、思い出すに涙がほろほろこぼれて来る(佐藤紅綠)
- 学者もどきの論調や口先広言の宣伝に馭されるかしてであれ、偽善や理不尽を憎む真率な心根が独裁(的扇動)者に跪伏する熱い忠誠へと一気に変異することなどあるだろうか(ローゼンベルク)
- 最近買った本
最新コメント
- MASA/一身飄零、到処我家(麻績斐)