14世紀の危機とは、1346年からイタリアの都市で始まったペストの大流行で、西欧の人口が3分の1も死んでいったことや、1339年から始まった百年戦争の戦乱、1358年のジャックリーの乱・1381年のワット=タイラーの乱といった農民反乱などの社会混乱を指します。とくにペストの大流行は1348年がピークでした。ペストの病魔は、貧富や身分の差を越えて人々を遅い、身分の高い人も貧しい人と同様に惨めに無力に死んでいったわけです。このような14世紀の危機は14世紀後半の50年間も続いたわけですから、当時の人々の考え方に大きな変化をもたらしたのは言うまでもありません。
それまでの社会はキリスト教の教えによって安全が守られていましたが、人々の惨めな死は、キリスト教会が説く「神中心の考え方」に対する不信感を植え付けていったでしょう。
それまでの社会はキリスト教の教えによって安全が守られていましたが、人々の惨めな死は、キリスト教会が説く「神中心の考え方」に対する不信感を植え付けていったでしょう。