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世界史の流れとは?

2009年01月29日 | 何かの足しになれば
 予備校の講師諸氏などが、世界史の「流れが分かる」ことを売り物にし、そのような授業が良い授業だ、と考えられています。ここで言う「流れ」とは、「単発の知識」や「単発の用語」を単に「孤立させて暗記する」ことへのアンチテーゼでしょう。すなわち世界史の「流れ」とは、Aという事象や用語を「A」として暗記するのではなく、次にくる「B」との関連付けて覚えることです。したがって、「流れ」とは、単純な「暗記」に対して、「A」と「B」との関連(順番)を「理解」することだと言えます。もっと割り切って、言い切ってしまえば、Aの次にBが、Bの次にはCが、Cの次には・・・といったような、事象の「順番」を知ることが、世界史の「流れ」を理解したことです。
 しかし、世界史の本質はこのような「流れ」を知る、理解するだけでは語ることができません。世界史の「本質」とは、A、B、Cといった事象を順番に理解したうえで(流れを理解したうえでと言い換えてもいいのですが)、これらをもう一度ばらばらにして並べ替えてみたとき、新しい文脈を見出すこと点にあります。イメージをしやすくするために、たとえて言うならば、A・B・Cと続く流れ(順番)とa・b・cと続く流れ(順番)とX・Y・Zとつづく流れ(順番)が3列の流れとなっているとします。これら9つの事象は3列の「流れ」として理解することができますが、a・B・c・Yの4つの事象に着目すると「菱形」という今まで見えていなかった「文脈」を見出すことができるわけです。このような「文脈」こそが世界史の本質だと思います。
 いわゆる「流れ」ではなく、ときには全く関連性がないかのような「流れ」の中に配列されている「事象」をいったんバラバラにして、別の見方で眺めナをしたとき、そこにあった「文脈」の存在に気づくことができるわけです。このような姿勢で世界史を考えることこそ、世界史の学習の目的だと考えています。

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