都民劇場2016年上期のコンサートの最後がプレトニョフでした。6-7月で3件もあり、
下期は10月のマリインスキー歌劇場で始まります。5階席のD会員から今はB会員に昇格。
だいたい3階席で時々2階席です。オペラも含め5公演で2万円台から5万円台までというオペラ
1回分のチケット代でこんなに聴けるお得なものです。義理の姉に誘ってもらって、私は安い席だったので
いつも探していました。今日はなぜかこの姉のことがとても思い出されました。もしかして
いっしょに聴いていた?
今は亡き、とてもお世話になった姉。娘の子供時代はどれだけお世話になったことやら。熱が出たときには自分の
仕事を調整して助けてくれた姉。とても素敵なやり手の女性でした。
今日のコンサートは大いなる勘違いで、ピアノだったことに気が付いたのは行き道でチケットを確認したとき。
オケだとばっかり思っていた。何と指揮者としての認識しかなかった。
過去に設立したロシア・ナショナル管弦楽団の指揮者でコンサートに行ったことがあった。
期待していなかったコンサートの大当たりです。
ミハイル・プレトニョフ ピアノリサイタル
バッハ: 前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
グリーグ: ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.7
グリーグ: ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード Op. 24
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モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311
モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457
モーツァルト: ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.533
アンコール リスト:愛の夢
今年1月の
ミラノ公演のレポートをみつけました。
全く同じ構成です。
グリーグは好きだけどピアノ・ソナタまではあまり知らなくて、新鮮で、時に美しいフレーズでしたが
なんとなく自分の中でまとまっていきませんでした。バッハもキラキラとしてきれいで、まるでステンド・グラスの
ようでした。これが彼がピアノを長い間中断して再開したときのカワイの特別なピアノの音のせいなのかしら?
グリーグは2曲目の方が良かったような。
後はモーツァルトに期待。席がレフトの3階だったので手がきれいに見れて、ピアノという一つの楽器が
大きなオーケストラの世界をまるで築くようなところをよく見ることができました。
指揮者で作曲家でもあるピアニストの世界なのでしょうか?
モーツァルトも彼のモーツァルトの世界を作っていました。今までのとは違うモーツァルト。
プロのピアニストを悩ませるモーツァルトです。
テンポもゆっくりだったと思います。ポゴレリッチのとんでもなくスローテンポのショパンのようでは
ありませんでしたが。
モーツァルトは隣にいた女の子も途中から乗り出しそうになっていました。
個性的な美しさでした。
アンコールの愛の夢では両目に涙がにじんできました。
こんなに素晴らしい愛の夢を聴いたのは初めてです。まるで寄せてくる波のように。
感情的というのではなく、ピュアで自然な感じです。
フジコ・ヘミングはNHKのドキュメンタリーで衝撃的な登場をしましたが
コンサートに行くかというと今まで行きたいと思ったことはありません。
妹のCDをコピーさせてもらってコンソレーションとか聴いていましたが。
確か愛の夢も入っています。
秋に辻井伸行のモーツァルトを聴きに行くことにしました。
愛の夢を聴きながら、今私を豊かにしてくれるものがなにか、はっきりわかった感じが
しました。それを姉も主人も応援してよかったねと言ってくれているように思いました。