宮城県美術館「リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」を観た感想をサクッと書きたい。
https://www.pref.miyagi.jp/site/mmoa/exhibition-20200714-s01-01.html
以前(2012年)にもリヒテンシュタイン・コレクション展を観ているが、今回は…
「北方ルネサンス、バロック、ロココを中心とする油彩画と、ヨーロッパ屈指の貴族の趣向が色濃く反映されたウィーン窯を中心とする優美な陶磁器、あわせて126点を紹介します。」(公式サイトより)
なにしろ、前半に展示されていた「油彩画」が、後半の「優美な陶磁器」の物量作戦により印象が薄くなりそうで、終盤で折り返して絵画作品を再チェックしてしまった程である。
この展覧会はBunkamuraミュージアムで開催された展覧会の巡回展で、内容等についてはBunkamuraサイトの方が凄く良くできているので(宮城県美サイトは公務員だからね)、そちらの方↓を参照されたし。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/
さて、展覧会の第1章は...リキテンシュタイン侯爵家の歴史から始まった。オープニングは第3代侯爵ヨハン・アダム・アンドレアス1世のメダルから始まった。金羊毛騎士になった記念メダルで、横顔レリーフの胸にちょこっと盛り上がって見えたのが金羊毛ペンダントだと思う。
で、可愛らしかったのは《フランツ1世、8歳の肖像》。イケメン美少年。
ヨーゼフ・ノイゲバウアー《リヒテンシュタイン候フランツ1世、8歳の肖像》(1861年)リヒテンシュタイン・コレクション
美少年も年を経ると...
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Franz_I_von_Liechtenstein.jpg
ちなみに、ハプスブルク家に仕えていたリヒテンシュタイン家が侯爵となったのは、当時の当主カール1世(1569年 - 1627年)がルドルフ2世(1552年 - 1612年)の美術・博物趣味とピッタシ!趣味で、それで引き立てられたらしい。あのルドルフ2世なら有り得ると凄く納得(笑)。ゆえに、侯爵家の家訓が「美しい美術品を集めることにこそお金を使うべし」というのが素晴らしい。なにしろ、レオナルド《ジネブラ・デ・ベンチの肖像》は侯爵家コレクションから(財政難のため)1967年にワシントン・ナショナル・ギャラリーに売却されたもの。
https://www.nga.gov/collection/art-object-page.50724.html#provenance
ということで、次回は「油彩画」である絵画作品の感想をば...
で、「優美な陶磁器」については、Bunkamuraサイトに興味深い「レポート」が掲載されていたので、ご参考まで。
【レポート】本展監修者・鈴田由紀夫氏による記念講演会:Part 1
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/topics/kouenkai1.html
【レポート】本展監修者・鈴田由紀夫氏による記念講演会:Part 2
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/topics/kouenkai1024.html
ただ、同様にリッチな小国ルクセンブルグが貧弱なのは不思議ですね。
で、侯爵位を授かるほど顧問収集管理役で手腕を発揮したのでしょうね。あのルドルフ2世に気に入られるって、ある意味凄いと思ってしまいます。
で、ルクセンブルグ...確かに不思議ですねよ(;'∀')
盾に描かれている絵がボス派というのも、珍しいし、面白いですね(・・;)
私的には、カラヴァッジョの《メデューサの首》盾を想起してしまいました(^^ゞ
URL(ワシントン NGサイト)に日本語オーディオ解説がありました。
日本語オーディオ解説でもサイトでも書いてありませんが、1967年 の購入代金は600万ドルでした。当時の為替レートで21億円でした。日本の小学校教員の初任給が21,900円だった時代ですから、まあ「王子の身代金」といえるでしょう。
ref 芸術新潮 1974年5月号
ref 値段の風俗史(上), 朝日新聞社
真贋論争のある《サルバトール・ムンディ》よりもお買い得だったかもしれませんね。切断部分の再現は代官山の展覧会で再現されていました。
https://leonardo500.jp/about
ちょうど「芸術新潮」のヤマザキマリさん連載漫画で、レオナルドにジネブラの肖像画を依頼する場面があり、アントネッロ・ダ・メッシーナ《受胎告知》風に描いて欲しいと...(;'∀')