名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」を観た感想を、取りあえずサクッと
日本でカラヴァッジョ作品を観ることができるだけでも有難いし、まぁ色々と思うことは多かったけれど、意外にまとまった展覧会になっていて、なんだかほっとした 。今回の名古屋展の目玉は《ゴリアテの首を持つダヴィデ》であり、このカラヴァッジョ晩年を象徴する作品だけでも名古屋に出かけた甲斐があったし
更に、私的に嬉しかったのは、カラヴァッジョ関連本で知ってはいても、今まで観る機会のなかった個人蔵の帰属作品を何点か観ることができたことで、これも収穫のひとつだった。真作かどうかは美術ド素人の私が判断できるはずもないが、自分の目で確かめ感じることはできたのである。
さて、展覧会の構成は…
Ⅰ)1600年前後におけるカラヴァッジョと同時代の画家たち
Ⅱ)カラヴァッジョと17世紀のナポリ画壇
Ⅲ)カラヴァッジョ様式の拡がり
問題は、オーソドックスな構成ゆえに、その構成作品の少なさと、敢えて言えば、薄さが気にかかったが、もしかして、あの貸出不可事件の影響もあるのかもしれない。会場ではその薄さを補うかのような解説の多さが目を引いたが、本当は展示作品により観客に伝わることこそ望ましいと思うのだけどね。
特に主役のカラヴァッジョに関する解説は地図や写真を使ったりの懇切丁寧なものだった。多分、今回の展覧会が東京を外した地方巡回展であり、カラヴァッジョを広く紹介したいという意欲の表れであっただろう。だが、私的にはカラヴァッジョのドラマチックな生涯を追いかけるよりも、照明等に気を配り、作品自体をもっと生かして見せて欲しいと思ってしまった。
ちなみに、図録には「カタログ」追加作品が挟まっていたが、その追加分が不可8作品の補填作品だとすると、やっつけ仕事にしては意外に良い作品を集めたのではないかと思ってしまった。いずれも個人蔵であり、私的に初見の作品が多く興味深かった。
と言うことで、取りあえずのサクッと感想であり、各作品等については別途書きたいと思う。興味深い作品も色々あり、アンニバレ・カラッチやオラッツィオ・ジェンティレスキ、ジュゼッペ・デ・リベーラ等作品もあって嬉しかったし、その他触れたい作品も色々あるしね。