花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」取りあえずサクッと感想(^^ゞ

2019-11-05 23:44:18 | 展覧会

名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」を観た感想を、取りあえずサクッと

 

日本でカラヴァッジョ作品を観ることができるだけでも有難いし、まぁ色々と思うことは多かったけれど、意外にまとまった展覧会になっていて、なんだかほっとした今回の名古屋展の目玉は《ゴリアテの首を持つダヴィデ》であり、このカラヴァッジョ晩年を象徴する作品だけでも名古屋に出かけた甲斐があったし

更に、私的に嬉しかったのは、カラヴァッジョ関連本で知ってはいても、今まで観る機会のなかった個人蔵の帰属作品を何点か観ることができたことで、これも収穫のひとつだった。真作かどうかは美術ド素人の私が判断できるはずもないが、自分の目で確かめ感じることはできたのである。 

さて、展覧会の構成は

Ⅰ)1600年前後におけるカラヴァッジョと同時代の画家たち

Ⅱ)カラヴァッジョと17世紀のナポリ画壇

Ⅲ)カラヴァッジョ様式の拡がり 

問題は、オーソドックスな構成ゆえに、その構成作品の少なさと、敢えて言えば、薄さが気にかかったが、もしかして、あの貸出不可事件の影響もあるのかもしれない。会場ではその薄さを補うかのような解説の多さが目を引いたが、本当は展示作品により観客に伝わることこそ望ましいと思うのだけどね。 

特に主役のカラヴァッジョに関する解説は地図や写真を使ったりの懇切丁寧なものだった。多分、今回の展覧会が東京を外した地方巡回展であり、カラヴァッジョを広く紹介したいという意欲の表れであっただろう。だが、私的にはカラヴァッジョのドラマチックな生涯を追いかけるよりも、照明等に気を配り、作品自体をもっと生かして見せて欲しいと思ってしまった。 

ちなみに、図録には「カタログ」追加作品が挟まっていたが、その追加分が不可8作品の補填作品だとすると、やっつけ仕事にしては意外に良い作品を集めたのではないかと思ってしまった。いずれも個人蔵であり、私的に初見の作品が多く興味深かった。 

と言うことで、取りあえずのサクッと感想であり、各作品等については別途書きたいと思う。興味深い作品も色々あり、アンニバレ・カラッチやオラッツィオ・ジェンティレスキ、ジュゼッペ・デ・リベーラ等作品もあって嬉しかったし、その他触れたい作品も色々あるしね。



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6 コメント

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Unknown (momo)
2019-11-06 23:20:52
ヨハネが気になってしょうがない(笑)
早く観に行きたいです❗️
そういえば、名古屋といえば宮下先生…宮下先生と言えばカラヴァッジョ
10日に宮下先生の講演会があるんですよね…
10日に行こうかな?
でも10日は即位パレードだ…(行かないけど)
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momoさん (花耀亭)
2019-11-07 00:14:25
名古屋でも、洗礼者聖ヨハネ(少年だけど)もお楽しみくださいね(^_-)-☆
で、都合がつくようでしたら、ぜひぜひ10日に、特派員として!名古屋にいらっしゃってくださいませ~!!(*^^*)
momo特派員の講演会レポートを期待してしまいそう(;'∀')
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横たわるヨハネ (むろさん)
2019-11-10 23:53:15
先週半ばに名古屋へ行ってきました。(合わせて津→奈良→大津と移動して興福寺南円堂や博物館で仏像三昧)そして名鉄百貨店まるやでひつまぶしを食べてきました。30分以上並びましたが、とても美味しかったです。情報ありがとうございました。

さて、別項目のコメントに書いた「横たわる洗礼者聖ヨハネ」も見てきました。確かにミュンヘン作品とは別の絵でしたが、とても近いものですね。見比べるとミュンヘン作品よりも横幅が短いということの他に、いくつかの相違点も目につきました。十字架の杖の位置、上部の背景の違いはすぐ分かりますが、なんと言っても肉体や顔の表現が違う。TASCHEN大型本に出ているミュンヘン作品のカラー写真と今回の図録のマルタ個人蔵の写真を比べるとミュンヘン作品の方が質が高いですね。名古屋で見た時の印象は顔、耳、両手先、杖の描き方が下手であり、とてもカラヴァッジョ作品とは思えないということです。図録には「手や足の描写がボルゲーゼのヨハネに大変よく似ている」とありますが、たしかに両脚の表現は悪くないという気がします。腕はまあまですが、手先・指はダメだと思います。ただ、図録に書かれている「反復して輪郭線を描いている」ということは気になります。メデューサ第一バージョンとされる作品もX線撮影による描き直しが決め手になったので、これは重要なことですが、メデューサの場合はウフィッツィ作品とほぼ同質の作品なので、描き直しが重要証拠ですが、このヨハネはレベルが低いので、いくら描き直しがあっても真筆とするのは無理だと思います。
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むろさんさん (花耀亭)
2019-11-11 21:18:50
カラヴァッジョ&仏像三昧ツァー、お疲れさまでした!!充実の旅だったようですね(^^)。名古屋では並んで「ひつまぶし」を食べられたようで(^_-)-☆

で、むろさんさんの《横たわる洗礼者聖ヨハネ》ご観察に、なるほど!と同感です。図録解説を読んでも、やはり私的に「(?)作品」のように思えました(^^;
それで、《メデューサ》第一バージョンですが、西美展覧会でも真作としていましたが、描き直しがあっても、質的に同等でも、「真作」としてまだ私的には馴染めていません(汗)。美術ド素人の勝手な悪あがきかもしれませんね(^^;;
それでも、最新の科学的調査によるカラヴァッジョ作品調査に、新しい展開が期待できそうな気もしています。
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キリストの埋葬が来日 (むろさん)
2019-11-23 23:11:32
来年秋に六本木国立新美術館にヴァチカン絵画館のカラヴァッジョ作キリストの埋葬が来るそうです。前回来日の時、上野で見ているし、現地で何回も見ているので、同じローマ市内の作品ならパラフレニエーリの聖母とか、カピトリーノのヨハネとかドーリア・パンフィーリの2枚のどちらかとか、日本に来たことのない作品に来て欲しかったと思います。教皇来日記念なら仕方ないけど。この1枚以外のカラヴァッジョ作品が来ることに期待しましょう。
https://vj100.jp/event/
https://www.asahi.com/articles/DA3S14267776.html

なお、上記コメントのメデューサの盾(別バージョン)の件ですが、後日改めてコメントします。
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むろさんさん (花耀亭)
2019-11-24 02:14:16
貴重な情報をありがとうございました!!
《キリストの埋葬》は大好きな作品なので嬉しくってしかたがありません。きゃ~(*^▽^*)!!
で、むろさんさんの「初来日作品希望」もよくわかるのですが、今年のカラヴァッジョ展の状況を見ると、多分難しかもしれませんね。
今回はヴァチカン所蔵作品からの出展を中心に構成されるような気がします。
で、メデューサの盾(別バージョン)の件も期待しております(^^ゞ
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