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花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

フラッチャニ城。

2018-03-07 23:40:18 | 読書

今読んでいる「ハプスブルク帝国」に興味深い引用があった。

「もしフェリーペ2世がエル・エスコリアルにおいて全ヨーロッパに及ぶ不屈のカトリシズムの擁護者であったとすれば、ルードルフ2世はフラッチャニ城においてルネサンス人文主義の世俗的、全キリスト教的世界の擁護者とみることができる」(ヒュー・トレバー・ローパー)

ルドルフ2世の時代、宗教紛争に帝国が揺れていたことを忘れてはいけないと気付かされた。


大人買い?(^^;

2017-12-18 23:21:14 | 読書

Amazonでぽちっとな、自分へのクリスマス・プレゼントを買ってしまいました(^^ゞ

1)惣領冬実「チェーザレ」11巻(講談社)

漫画は一気読みが醍醐味だと思うのです。ということで、現在までの全巻(11巻)大人買いしました。もちろん(?)リーズナブルに中古本購入ですけどね 

私的には塩野七生さんのチェーザレの印象が強すぎるのですが、惣領さんのチェーザレも魅力的だし、狂言回しのアンジェロも可愛いし、楽しんで読めます。各巻末の解説はルネサンス史のお勉強にもなりますしね

2) Leonard J. Slatkes Wayne FranitsThe Paintings of Hendrick Ter Brugghen 1588-1629」(John Benjamins Publishing Company)

2007年出版当初からずっと高価すぎて手が出ませんでした。国立西洋美術館のライブラリーには早々入っていたのですが、一般人の私には利用できませんので、米国旅行ついでにフリック・コレクションのライブラリーで作品リストだけコピーして活用していました。でも、ずっとAmazonで値段チェックし続けること10年 ようやく当初の値段より1割強ほど安くなり、思い切って購入を決断したのです。ちなみに、こちらは新品です

この本はカタログ・レゾネなのですが、カラー写真は少なく、やはりモノクロ写真が多いです。まぁ、私的には全作品画像(?)を確認できるだけでも嬉しいですけどね。興味深かったのは、Benedict Nicolson のカタログ・レゾネ(1958年)のカタログ番号との対比表が掲載されていることで、美術ド素人的にも勉強になります。でも、横文字苦手の私...読めるかなぁ??(^^;;;


「北ヨーロッパの伝統」(^^;

2017-12-07 01:37:17 | 読書

スヴェトラーナ・アルパース(著)『描写の芸術-十七世紀のオランダ絵画』(ありな書房)の序文に興味深い記述があった。

「ホントホルストやテル・ブリュッヘンといったユトレヒトの画家たちは、しばしばカラヴァッジョの後継者とみなされる。しかし彼らが反応したのは、イタリアの画家ではあるが北ヨーロッパの伝統に深くとらわれていたカラヴァッジョという画家であったことを見落としてはならないだろう。すなわち彼らは、カラヴァッジョを通じて彼ら自身の北方的根源へと導かれていったとも言えるのである。」(p22) 

美術ド素人の私見だが、テル・ブリュッヘンは北方的根源ついでに北方ルネサンス・ゴシックまで遡ったのではないかと思えるのだけど(^^ゞ


深井智朗『プロテスタンティズム』を読んだ。

2017-05-01 23:57:31 | 読書

昔、ハリソン・フォード主演の映画「刑事ジョン・ブック-目撃者」を観て、初めてアーミッシュと呼ばれる集団がアメリカに居ることを知った。そして、今になって、その成り立ちを深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書)を読んで漸く知ることになった。  

この『プロテスタンティズム』は某先生のお薦め本であり、本当にわかりやすく、面白く、ルターの宗教改革とはどのようなものであったのかを、わくわくしながら知ることができる優れ本だった。その初期宗教改革に対する新しい改革派が生まれ、それが今日でも各国の政治と深く関わっていることを知った驚き…(・_・;) まさにルターの宗教改革から500年の今年だからこその目鱗本である。 

ちなみに、アーミッシュは「アルザスのメノ派の主導者ヤコブ・アマン(1644頃~1730頃)はより厳しい宗教的訓練を主張し、メノ派から独立して1693年にアーミッシュと呼ばれるグループが誕生した。彼らは18世紀にひどい迫害を受けた後、北アメリカ、とりわけペンシルベニアに移住した。」(本文より)  

そう、刑事ジョン・ブックはフィラデルフィア駅(ペンシルベニア州)でアーミッシュの親子に会うのだから...。(昔の記憶なので、違ってる可能性もありです(^^;;)

 


森洋子「ブリューゲルの世界」を読んだ。

2017-04-30 23:31:38 | 読書

話題のとんぼの本、森洋子「ブリューゲルの世界」(新潮社)を読んだ。感想をサクッと...(^^;

最新のブリューゲル研究動向を踏まえながらもコンパクトに構成されており、難し本苦手の私にもわかり易く読めたし、「バベルの塔展」による新しいブリューゲルファンにとっても格好の入門書だと思う。 

森先生のブリューゲル偏愛の愛に満ち溢れ、本当に勉強になる内容満載だったが、私的に特に興味深かったのは、去年プラドでしみじみ観た《聖マルティンのワイン祭り》(保存状態が悪かったことが良くわかる画面だった)で、その真作発見経緯がなかなかに面白すぎて、学者さんたちにとっての「真作発見」インパクトの大きさを改めて窺い知ったような気がする。 

で、蛇足ではあるが(汗)、この本にも紹介されているブリューゲルのお墓があるノートルダム・ド・ラ・シャペル聖堂には、私もブリュッセルに行った折訪れた。 

 ノートルダム・ド・ラ・シャペル聖堂

 矢印の先がピーテル・ブリューゲルの墓碑銘

ブリューゲルが40歳半ばで亡くなったのは、彼の素晴らしい画業を想うにつけ、本当に早すぎる死であったと思う。


塚本邦雄の本に寺山修司のサイン(^^;

2017-02-01 23:11:40 | 読書

今日のNHK番組「探検バクモン」で神田神保町の古書店街を特集していた。近代文学の専門店で寺山修司のサイン本も紹介されていて、私も持っていたなぁ、と本棚から探し出してみた。

塚本邦雄 著『麒麟騎手-寺山修司論』新書館(1974年刊)に寺山修司のサイン 

本人に直接サインをお願いしたのだが、なにしろ寺山の著作ではない。意図を探るようにあのギョロっとした眼がチラリと私を見た。あせって、すみません、と謝った記憶がある。当時の私は寺山よりも塚本(の小説)にハマっていたのだ。 

今更ながら思う。塚本邦雄の寺山修司論に自分がサインをすることを、寺山はどのように思ったのだろうか?? 若気の至りを反省するとともに、今は亡き寺山に尋ねてみたいような気がする。


すっかり大人世代。

2016-08-09 23:45:08 | 読書

最近、“すっかり大人世代”のお二人による面白い対談集を読んだ。 

 「重いものはすべてだめですね。重いコート、重いバッグ、重いネックレス、重いピアス。なぜなら人生がもう重いから(笑)。」

既に“すっかり大人世代”の私も同感すること多々(笑) 

で、ブログを中断していたのは、ネット関係でウンザリしたことがあったため。他人に自分の重い荷物を押し付けようとする人間は、申し訳ないけどお断りしたい。迷惑書き込みの方も。

以前、東洋経済で「キレる老人」特集があったが、そろそろ私もそんなお年頃か?(自爆)


「芸術新潮」3月号 - カラヴァッジョ特集。

2016-02-25 20:20:53 | 読書

3月号の「芸術新潮」はカラヴァッジョ特集でした。表紙を見て、あれっ?と思い、本棚から2001年10月号を引っ張りだしたら、やはり!でした。

編集部が《ホロフェルネスの首を斬るユディット》を偏愛していることがわかりますね(笑) 

まだ、ザッとしか読んでいませんが、今回も読み応えがありそうです。特に気に入ったのは「カラヴァッジョ人生双六-あゝ、ローマへ帰りたい」で、サイコロを買ってこようと思います(^^;

で、これは!♪ と思ったのは、石鍋真澄編『カラヴァッジョ伝記集』(平凡社ライブラリー)、3月10日刊行予定、という記事でした。楽しみが増えました(#^.^#)


「日経おとなのOFF」1月号(遅ればせ(^^ゞ)

2016-01-23 22:34:16 | 読書

大体の雑誌は本屋さんで立ち読みすることが多く、それをご存知のOご夫妻から「日経おとなのOFF」1月号を頂いてしまった(^^)v。

遅ればせの感想になるけれど、店頭で目を通し時に飛ばしていた美術界の御意見番のお二人、山下祐二さんと山田五郎さんの対談が面白くて、すごく頷いてしまった。特に、山下さんの「若冲展はかってない大行列になる。ひどい天気の平日、閉館間際に行くほかない。」は、私的にも予想していたことなので、やっぱりねぇ~(>_<)と暗澹とした気持ちになる。 

「三の丸尚蔵館」の時は全回ゆっくりと観られたけど、京都「承天閣美術館」の時の大行列でクラクラしてしまった記憶が甦る。最近では、台湾故宮博物館の白菜を観るのに3時間並んだけど、鳥獣戯画は体力的に無理とあきらめた。若冲展はきっとそれ以上になりそうで、一体なんちゅう展覧会をするんじゃ、期間が短すぎるだろう!!と嘆きたくなる。観客に対し過酷だと思う。 

で、西洋美術の方は、山田さんのヒット予想に同感してしまった。だって、「美術の窓」で2015年入場者ランキングの1位がマルモッタンのモネ展だったし、日本人の印象派好きって凄いなぁと思う。

【参考】山田さんの予想 本命:ルノワール展、対抗:カラヴァッジョ展、大穴:クラナーハ展 

ちなみに、私的には「カラヴァッジョ展」が対抗でも大穴でも全然かまわない。内容さえ良ければ全然OKだし、絵画の好き好きは人それぞれだしね。まぁ、主催者側はそうはいかないとは思うけど(^^;;;


『視覚のイコノグラフィア』を読み始めました。

2015-12-23 23:01:25 | 読書

某先生が紹介されていた『視覚のイコノグラフィア』(ありな書房)を読み始めました。初っ端からマンテーニャだったので、にんまりしながら読み進んでいます。マントヴァの思い出もよみがえります。

表紙でもわかるように、第3章「闇の発見」ではカラヴァッジョが扱われています。なんだか、あとからゆっくり読みたい気分です。苺ショートの苺は最後に食べる派なもので(笑)