宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「歴史を偽造するものは誰か」-”日本軍「慰安婦」問題の核心”、日本共産党が無署名論文発表

2014年09月27日 | 日本軍「慰安婦」問題

 「朝日新聞は8月5、6日付で掲載した『慰安婦問題を考える』と題した報道検証特集で『吉田(清治)氏が(韓国)済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します』と訂正しました。 これをきっかけに、一部右派メディアと過去の侵略戦争を肯定・美化する『靖国』派が一体となって、異常な『朝日』バッシングが続けられています」

 「見過ごせないのは、その攻撃の矛先が、『慰安婦』問題で日本軍が関与と強制性を認め、謝罪を表明した河野洋平官房長談話(1993年8月4日)-以下(『河野談話』)に向けられていることです」

 「『河野談話』否定派からは、『河野談話の取り消しなくしてぬれぎぬは晴らせない。 潰すべき本丸は河野談話なのである』(ジャーナリストの桜井よし子氏、『産経』9月1日付)と本音があからさまに語られています」

 こうした「吉田証言」が虚偽だったことを利用した「河野談話」攻撃の大キャンペーンが行われている事態をふまえて、「論文」は「歴史を偽造する勢力を暴き、その論拠に反論し、「河野談話」の正当性を擁護し、歴史的役割を強調しています。

 まず、論文は、「河野談話」は「吉田証言」を根拠にしていないことを、作成者の証言で明らかにしています。

 【「河野談話」は「吉田証言」を根拠にせずー作成当事者が証言】

 「93年8月に発表された『河野談話』はその作成の過程で、『吉田証言』をどのように扱ったのでしょうか。 問題の核心はここにあります。 この点で、9月11日に放映されたテレビ朝日系『報道ステーション』の『慰安婦』問題検証特集は、当時官房副長官として『河野談話』作成に直接かかわった石原信雄氏の注目すべき証言を紹介しました」

 「そこで石原氏は、『吉田証言』について、『あれはこう、なんていうか、眉唾(まゆつば)もんだというふうな議論はしていましたね、当時から』とのべ、日本政府として、『吉田証言』をはなから問題にしていなかったことを明らかにしました。 そのうえで石原氏は、『吉田証言をベースにして、韓国側と議論したということは、私はありません』『繰り返し申しますが、河野談話の作成の過程で吉田証言を直接根拠にして強制性を認定したものではない』と明言しました」

 【元『慰安婦』の証言から強制性を認定―『河野談話』の正当制は揺るがない」-「略」

 【日本軍「慰安婦」問題の本質を覆い隠す、問題の二重の矮小化は通用しない】

 「『河野談話』が認定した事実は、①日本軍『慰安所』と『慰安婦』の存在、②『慰安所』の設置、管理等への軍の関与、③『慰安婦』とされる過程が、『本人たちの意思に反して』いた=強制性があったこと、④『慰安所』における強制性=強制使役の下におかれたこと、⑤日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者だった。 募集、移送、管理等は『本人たちの意思に反しておこなわれた』=強制性があったことーの5点です」

 「このうち『談話』否定派が否定しようとしているのは、『もっぱら第3の事実ー『慰安婦』とされる過程が『本人たちの意思に反していた』=強制性があったという一点にしぼられています」(「志位見解」)。 ここには、日本軍『慰安婦』問題の二重の矮小化があります」

 「第一に、『河野談話』否定派は、『慰安所』における強制使役=性奴隷状態とされたという事実を無視して、『慰安婦』とされた過程で『強制連行』があったかなかったかだけに、問題を矮小化しています。 こうした攻撃の手口そのものが、日本軍『慰安婦』問題の本質をとらえない、一面的なものであることはすでに『志位見解』が次のようにきびしく批判しています」

 「女性たちがどんな形で来たにせよ、それがかりに本人の意思で来たにせよ、強制で連れて来られたにせよ、一たび日本軍『慰安所』に入れば監禁拘束され強制使役の下におかれたー自由のない生活を強いられ、強制的に兵士の性の相手をさせられたー性奴隷状態とされたという事実は、多数の被害者の証言とともに、旧日本軍の公文書などに照らしても動かすことができない事実です」

 「それは、『河野談話』が、『慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった』と認めている通りのものでした。 この事実に対しては、『河野談話』見直し派は、口を閉ざし、語ろうとしません。 しかし、この事実こそ、『軍性奴隷制』として世界からきびしく批判されている、日本軍『慰安婦』制度の最大の問題であることを、まず強調しなければなりません」

 「第二は、そのうえで、『河野談話』否定派は、『慰安婦』とされた過程における強制性についても、『官憲による人さらいのような強制連行』があったか否かに問題を矮小化しています。 安倍首相は『家に乗り込んでいって強引に連れて行ったのか』(衆議院予算委員会、2006年10月6日)どうかを問題にして、そんな事例はないと繰り返してきました。 首相は、『人さらい』のような『強制連行』だけをことさらに問題にしますが、甘言やだまし、脅迫や人身売買などによって、『慰安婦』とされた場合は、問題がないとでもいうつもりでしょうか」

 「『人さらい』のようなものでなくても、『慰安婦』とされた過程に『本人たちの意思に反した』強制があったかどうかが問題なのです。 この点で強制性が働いていたという事実は、『河野談話』が明瞭に認定している通りです。 くわえて、『人さらい』のような、『強制連行』もあったことは、インドネシア(当時オランダ領東インド)のスラマンや中国南部の桂林での事件などでも明確であること、『軍や官憲による強制連行を直接示す記述はなかった』とする第1次安倍政権時代の政府答弁書は事実と違うことは、すでに、『志位見解』で詳しく述べている通りです」

 全文を是非、多くの方々にお読みいただきたいと思います。

 なを、「しんぶん赤旗」が、1992~93年にかけて吉田清治氏の「証言」を報道したことについて、「『吉田証言』は信ぴょう性がなく、本紙はこれらの記事を掲載したことについて、お詫びし、取り消します」と赤旗編集局のコメントを発表しています。

 

 


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