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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

2025年問題

2014-12-08 08:30:27 | 日記
 若く健康なみなさんにとっては「2025年問題」などと言われてもピンと来ない話しだろう。そもそも「団塊の世代」という言葉すら知らないかもしれない。
 
 1947年から1949年の3年間に日本では史上最多の子供たちが生まれた。その数800万人以上。昨年度の年間出生数がわずか102万人と聞けば、何とたくさんの子供たちが生まれたかわかる。今なら8年かかってしまう人数がたった3年で生まれてきたことになる。この3年間に生まれた世代を指して「団塊(だんかい)の世代」という。この団塊の世代が75歳を迎えるのが2025年。あと10年でやって来る。

 2014年の今でも、病院は長い待ち時間が当たり前。総合病院と言えば入院患者でいっぱいで、救急車で運ばれてもベッドが空いている病院が見つけられないために落命する人もいる。そんな状態であるのに、とてつもない人数で構成される世代が一気に後期高齢者と呼ばれる年代に突入する。
 
 医療現場が大変なことになるのは目に見えている。例えば医者を急激に増やすにしても、今からではもう間に合わない。今の制度では医者として一人前に活動できるまでに15年を要するからだ。ここ数年医者の数を増やす施策が取られているが2025年を数年過ぎた頃からようやく現場の若い医師がある程度増加に転じることになる。しかしもちろん若い医師が医師としてやって行くことに絶望してしまえば数は増えない。国の財政は今ですら1000兆円を超えており自民党が言うとおり健全化されて行く見通しはまるでない。24時間365日休む間もない厳しい働きを強いられる医療現場の隅々まで潤沢に投入できる財政予算など、どこを探しても見つからないのが実情だ。財源のために増税すればするほど病人は増え医療現場の環境はいよいよ劣悪なものになっていくだろう。
 
 国がとっている施策は、自宅で医療を受け自宅で最後を迎えられる地域包括ケア環境の構築だ。老化とともに出現する病に対するケアは自宅を中心に行い、若者や壮年の病や事故による怪我など突発的に発生する緊急事態には従来通り救急医療機関の機能を十分に発揮してもらおうという考えだ。
 
 だが地域包括ケアを行う地域にも自宅にも、いるのは老人だけ、という環境で自立して暮らしていける能力を失いつつある老人を支えて行くのは困難この上ない。もし老人以外の生活者がいるとしても、生きていくためには長時間労働を必要とする現在の社会制度の中では夜間の支援がせいぜいで、終わりが見えない期間毎夜寝ずにケアできる強い体力と精神の持ち主はそう多くない。
 
 この症状は何の病気なのか、この怪我にはどんな対処をすればよいのか、心のケアを重視するあまり簡単な判断にも医者自身の時間が割かれている。長時間待って2~3分の診察。風邪ですね、と言われて帰る人も少なくないのではないか。
 
 この状況を打破する強力な策のひとつがITの利用だろう。いよいよITの出番が来た、と言っていい状況だと思う。初期診療をサポートし、介護する側の人たちをサポートするITシステムなら医者を増やすのが間に合わないにしても10年あれば十分に間に合う。心のケアは難しくとも、病気の初期的な診断や応急処置を指示することは十分可能だ。食事や歩行の補助や薬の服用管理などできることは多いだろう。わが社が関与している「見守りシステム」なども高度化することによって見守る側の人たちの健康に寄与する可能性は高い。IT技術者が直接的に社会に貢献できる時代が到来しようとしている。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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