い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

福知山線脱線事故から11年

2016年04月25日 23時01分58秒 | 鉄道員の愚痴

福知山線脱線事故から11年を迎えました。

2005年4月25日9時18分
福知山線(JR宝塚線)塚口~尼崎間
制限速度を大幅に超えた列車がカーブを曲がりきれずに脱線・横転しマンションに激突
106名のお客さまと運転士が亡くなりました。

毎年、4月25日は『安全』とはなにか?という問いに自問自答しています。
安全は空気のように当たり前に存在するものではありません。1人の取り組みによって築き上げた結果です。

高校3年だった私も11年経ったいま、鉄道会社11年目に入りました。
当時を詳しく知らない世代が新入社員として入ってきています。高卒であれば小学校一年生だったわけですから無理もありません。
どの会社も若手への技術継承は避けては通れない課題です。悲惨な事故を知らないに伝えて、一人ひとりの「安全の感性」を高めていくことが後輩を育成する立場にある私の役割です。
世代痛ましい事故を忘れず、尊い犠牲を無駄にせず、鉄道の安全に生かしていかなくてはなりません。

第一報を耳にしたときは、保安装置などが整備されている時代になぜ凄惨な事故が起きたのか理解できませんでした。
鉄道聡明期に比べれば安全性は格段に上がっています。しかし、どんな時代も考えられない事故は起きます。「安全」に絶対や100%は存在しません。
必ず事故の芽や予兆はありますから、いかにそれに気づいて対処できるかです。それはやっぱり人間ではなければ出来ないことです。

『安全は輸送の生命である』
鉄道員なら絶対に知っている言葉です。明日からこの言葉をしっかり胸に刻んで乗務いたします。