い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

車掌の昆虫採集

2011年09月16日 14時07分47秒 | 鉄道員の愚痴
9月11日の日記にも書きましたが、東日本大震災から半年になる9月11日14時46分はとある駅に進入中で心の中で黙祷を捧げました。
私の前はお客さまが乗り降りし普段と何一つ変わらない「日常」の光景でした。被災地から離れている東京がいつまでも下を向いてばかりいるのではなく日常生活を送ることは、被災地の復興のためにも大切です。
しかし9月11日14時46分にあの場所に居た人のうち半年経った瞬間だと気づいた人は何人居たでしょうか

いつまで経っても暗い自粛ムードというのは良くないと思いますが、かといって14時46分の瞬間、大津波が街を飲み込むあの映像は絶対に忘れてはなりません半年という期間は、忘れないための一つのきっかけであり区切りであると思います。


あれ今日は震災の話ではなく題名にもあるように昆虫採集のお話しでしたね
だいぶ前置きが長くなりましたが、ブログも暗い話題ばかりではなく明るい和むお話をしようと思います。

8月下旬の昼間のことです。
少し停車時分があるので車内温度の確認ため客室に入ると男性が「あのセミの死骸どうにかならない?」と少し離れた床を指差しました。そこには一匹のセミが居ました。
駅発車後、対応に向かうとすぐ近くの座席の上に約8匹のセミが
男性が床を指したように見えたのは実は座席を指していて、1匹がたまたま床に落ちていたようです。

1人分の座席にセミが8匹も群がってひっくり返っているのは凄い光景です。
短い駅間で回収するのは難しいので念のため指令室に無線連絡を入れると、指令員も驚いたのか一瞬間があって「昆虫の死骸」と言い直してました。

何とか短い駅間で一匹でもと、再度現場に行くと死んでいるように見えたセミはみんな生きていてもがいています。
なんとか半分程度回収したところで駅員さんが応援に来てくれて、すべて回収し駅員さんに引き渡しました。あとで放しておくとのこと。

駅に停車中に虫が車内に迷いこむのはたまにあることですが、セミが10匹近くも1つの座席にいるのは偶然とは思えません。きっと誰かの悪戯だと思いますが、置いた瞬間を見ていないので確証はありません。

セミたちが飛び回ることもなく、お客さまも落ち着いていたので良かったですが、職場に戻ると「いい歳して昆虫採集か」や翌日には「今日はカブト虫を捕まえるか」などと言われてしまいました
いつも慌ただしい通勤電車でもたまにはこんな出来事も悪くないですよね