JJ1WKN Log

自作や移動運用関連のログです。

50MHz AMトランシーバの製作 その8

2010-10-30 | 無線機
その8 です。
受信用のラダーフィルターを試作してみました。

先ずは設計です。
ラダーフィルターはJE6LVEさんのHPで計算ができます。

fsは水晶の表示周波数で19069KHz。
⊿fですが、実際は測定する必要があるのですが、JF1RNRさん著の「手作りトランシーバ入門」によると、7~15MHzで表示のおよそ0.21%とのことで、少し外れていますが、この値を使用して、40kHz。
Csも同著によると4~8pFで中を取って6pFとします。
BWはAMなので6kHzとします。

計算すると、Ct=68pF,Cc=136pF,Zt=123Ωとなります。
Cc=2*Ctなので、2個並列にすればよいのですが、コンデンサで丁度2倍になるこの付近の組み合わせでは75pFと150pFです。
この値でBWを求めると5.5kHzとなり、この値で再計算するとZt=110Ωとなります。

かなりいい加減ですが、全ての値が決まったので、試作してみます。
50MHzのAMモード用なので、性能は追求しませんが、とりあえず3素子にしてみます。
試作したフィルターです。
4本足の水晶ですが、このような結線なので、ラダーフィルターを作るには良い配置でコンパクトにできます。


以前作ったDDS VFOがどこかに仕舞い込まれていて行方不明なので、その辺のOSCの信号を入れてオシロで眺めてみました。
微妙な周波数の調整ができないので、この測定では中心周波数付近で急峻な特性になっていることの確認と、中心周波数の測定です。
中心周波数は表示より少し低くて19065kHzでした。
送信側の局発の周波数と合っている必要がありますが、ぴったりでした。
局発の水晶は103でグラウンドに落としてあり、フィルターの中心周波数次第ではVXOにして合わせることを想定していましたが、ラッキーでした。
とりあえず、この値でOKとします。


50MHz AMトランシーバの製作 その7

2010-10-30 | 無線機
その7 です。

送信部を新しい基板に引越しました。
サイズは80x30mmです。
変調後のアンプは原典では2SK125の広帯域アンプとNFBアンプでしたが、スペースの関係で、オーソドックトランジスタ2段で増幅して80mW程度の出力としました。


VXOに接続してテスト中です。


回路図です。


50MHz AMトランシーバの製作 その6

2010-10-25 | 無線機
その6 です。

VXO基板を独立してバーニアダイアルを付けました。
バリキャップをD/Aコンバータで制御することも検討しましたが、今回はオーソドックスにバーニアダイヤルを使いました。

VXO基板です。
バリコンの周りに、発振回路、バッファアンプ、ATTを配置しました。


バーニアダイヤルとの接続は30mmのスペーサを使っています。
スペーサとバーニアダイヤルの間にケースが入ります。



50MHz AMトランシーバの製作 その5

2010-10-24 | 無線機
その5 です。

DBMで変調した信号を増幅するアンプを作りました。
2SK125のパラです。


アンプ部のUPです。


2SK125の後ろのNFBアンプを追加しました。
20mWくらいの出力が得られるはずですが、10mW程度しか出ません。
2SC2671が非力なのか、DBMのロスが大きいのかもしれません。
基板の縁を1周してしまったので、この基板での実験はこの辺で終わりにします。

50MHz AMトランシーバの製作 その4

2010-10-17 | 無線機
その4です。

マイクアンプを作りました。

回路図です。
オペアンプで増幅した後、DCを加えてAFのLPFを通します。
LPFはLCフィルタで、3.6mHのコイルが必要です。
原典ではFT-50-72を使用しますが、手持ちのコアがなかったので、マイクロインダクタを捜してみましたが、丁度良いものがありませんでした。
そこで455kHzのIFTが2mH程度だったのを思い出し、早速測定したところ、最大で3.22mHで少し足りません。
また、Cも1.5μFではなく、1μFにしたいところです。
そこで計算し直したところ、C=1μF、L=2.48mHでF=3.2kHzとなり少し高域が広がりますがこの値で良しとします。
LCメータでLを2.48mHになるように調整してコイルはクリアです。


レイアウトです。
AF回路なので、穴開き基板にしました。


出来た基板です。


DBMに接続して変調を掛けてみました。
ポストアンプはこれからなので、とりあえずDBMのIFを受信機に直結してみました。
結構いい音でした。
DBMに加える電圧は低めが良いようです。

50MHz AMトランシーバの製作 その3

2010-10-11 | 無線機
その3です。

変調部の前段のNFBアンプとDBMを作りました。

DBMのローカル入力は10dBmくらいの大きな信号が必要なので、混合後の信号を広帯域アンプで増幅します。
広帯域アンプは利得を正確に設定することができます。
今回は原典通り、0dBm入力で13dBの利得として3dBのアッテネータで10dBmとする予定です。

NFBアンプとDBMの回路図です。
トランジスタにはUHF用の2SC2671を使用しました。fTは5.5GHzです。



NFBアンプの試作基板です。
2SC2671はいつもの2SC1815などとは異なり、正面左からBECの順で、ベース入力、コレクタ出力だとレイアウトが楽です。
出力側の伝送線路トランスはFB801を使いますが、10個100円で買ってきたジャンクのコアを使いました。
5回ほど巻いてインダクタンスを測定したところFB801と同程度でしたので、使えるでしょう。
テストしたところ、入力が大きかったのか13dBm程度になったので、3dBのアッテネータを6dBに変更しました。


次はDBMの製作です。
1N60を4本写真のように組みます。
左側は上同士、下同士を。右側は上下を接続します。


伝送線路トランスはFB801を使いました。
赤色(R)、緑色(G)、茶色(B)の3本のポリウレタン線をドリル捻りって、トリファイラの線を作って5回巻きます。


結線してDBMモジュールにしますが、間違えないようにダイオードの上/下、前/奥を明記した実体図を見ながら結線します。
DBMの直下に金属部があると性能に影響するので、厚紙を3枚程重ねて座布団を作りその上に載せます。
座布団の高さは5mm程度で、表面には両面テープを貼ってダイオードなどを固定します。


DBMを基板に配置しました。
右側に立っている抵抗のような部品はNoLand工法の∞Ω抵抗です。
DBMからの線は細いので、中継端子として利用します。
この端子は変調出力で、この後10+18dBのアンプに接続されます。


50MHz AMトランシーバの製作 その2

2010-10-10 | 無線機
その2です。

送信部のミキサーを試作してみました。

回路図です。
TA-7310Pで19.069MHzを発振させ、31.66MHzのVXOと混合して50MHz帯にします。


試作したミキサー部分です。
左側の四角いのが19.069MHzの水晶です。
表面実装品なので裏返して両面テープで貼り付けています。
バッファを1段追加しようかと思いましたが、1dBm程度の出力でしたので、省略しました。


試作基板の全景です。
この後は「トロイダルコア活用百科」に掲載されているDBMを使用したAM変調回路を実装する予定です。

50MHz AMトランシーバの製作 その1

2010-10-09 | 無線機
またまた、50MHz AMトランシーバを作ることにします。
何台目でしょうか。

今回は周波数可変としますので、周波数構成が悩ましいです。
周波数可変とするにはVXOかVFOにする必要があります。
PLLは昨年作ったので、今回はVXOと局発に使用できそうな水晶を捜してみました。
VXO用として31.66MHzのセラロックと19.069MHzの水晶が見つかりましたので、この構成で行こうと思います。

周波数構成です。
31.66のセラロックを下に200kHzほど可変できれば50.5~50.7MHzをカバーできそうです。
送信部は19.069MHzと混合した後、DBMでDCを加えて変調します。
受信部は周波数変換後、3素子くらいのラダーフィルターを経由して2段のIF増幅後、検波、AFアンプという予定です。


今回はVXOの可変範囲が取れるかどうかが肝なので、VXOを試作してみました。
回路図です。
バリキャップをDAコンバーターで制御しようかとも思いましたが、今回はシンプルにバリコンにしました。


試作した実験基板です。
VXO用コイルを3.3μHとしてみたところ31.378~31.658MHzまで可変できました。
計画通りに行けそうです。