JJ1WKN Log

自作や移動運用関連のログです。

FCZ代用コイル使用50MHzAM送受信機の製作 その2

2012-01-22 | 無線機
その2です。

いきなり6逓倍してみました。
逓倍回路はC級増幅なのですが、ドライブ電力が足りないようなので、バッファの電源を8Vにしました。
ちなみにこの無線機の電源はLiイオン電池2本で8Vの予定です。
C級増幅での出力は確認できましたが、この後段もC級増幅なので、軽くバイアスを掛けて出力をUPしました。
バッファ以降の回路図です。


複同調用のコイルです。
トリマが2つコイルの上面に乗りました。
こういう芸当ができるのがこのコイルのFBなところですね。


基板です。
6逓倍後のパワーは5mWほどありますので、この後2段増幅くらいで100mWを目指します。
変調はLM386を使用したFCZ方式のトランスレス変調の予定です。

FCZ代用コイル使用50MHzAM送受信機の製作 その1

2012-01-15 | 無線機
FCZ代用コイルを使用して50MHzAMモードの無線機を作ろうと思います。
50MHzAMモードは散々作ってきましたが、また作ります。

今回は極力特殊な部品を使わずに作ろうと思います。

周波数構成ですが、送信機は8.4MHzのVFOを6逓倍して増幅、変調します。
受信機は6.6MHzのVFOを6逓倍して40MHzを得て、50.7-40-10.7-10.245=455kHzの予定で、10.245MHzのみ水晶を使います。
フィルターは10.7MHzのFMラジオ用、455kHzの中波ラジオ用を使います。

AMモードですが、6逓倍するのでそれなりに安定したVFOを目指します。

回路図です。
VXOは丁度よい水晶の入手が困難なので、却下。
LC発振ですが、ポリバリコンも定番のものがあるわけではないので、却下。
バリキャップとなりますが、これも割りと特殊なので、通常のダイオードで代用できないかと検討してみました。
実験してみたところ、SW用のシリコンダイオードは可変範囲が取れませんでした。
整流用の大き目のダイオードは接合容量が大きいのでいいのですが、トランジスタを試したところ、2SA1015GRのベース、エミッタ間がいいかんじでしたので、これにしてみました。


電圧と周波数(x6)のグラフです。
ほぼ直線になりました。
トランジスタのベース、コレクタ間もダイオードなので、エミッタとコレクタを並列接続すると、可変範囲を広くできます。
電圧を上げてもいいのですが、発振回路と共用するので5Vにしました。
レギュレータにダイオードでゲタを履かせてもいいでしょう。
今回のVFOは30kHz程の可変範囲があれば十分です。
下のグラフは6逓倍後の周波数ですが、50.5-50.7MHzをカバーできました。


調整は、同調用VRの下側の電圧を2V程度に設定して、LC発振回路のトリマで上限の8.45MHzに設定して、同調用のVRを左に回し切ってから、同調用VRの下側の電圧を調整して下限を8.42MHz程度に設定します。
周波数の安定度ですが、基板上にむき出しの状態ですが、100kHzの桁で周波数がパラパラ動くことはありません。

基板です。
左からOSC部、バッファです。
OSC用のコイルは温度変化を和らげるために、2mm厚のEVAシートで簀巻きにしました。
少し太めになりましたが、効果が期待できそうです。


次は逓倍ですが、いきなり6逓倍しようと思います。
40MHzの複同調コイルで取り出す予定ですが、トリマが2つになるのが悩ましいところです。

FCZ代用コイルの製作 その2

2012-01-08 | 無線機
その2です。

コイルの巻き枠ができたので、足にUEW線を半田付けして、コイルを巻き始めます。


1ターン目は角に小さな溝を付けて、線が滑らないようにします。


巻き終わりました。
0.29mmの線で10回巻きです。
この太さでも20回は巻けそうです。
細い線を使えば10uHは楽勝でしょう。


巻き終わったらテープを巻いておきます。
高周波ニスで固めると本格的ですが、巻き数の変更が発生するかもしれませんので、テープにしておきました。


次に5mm幅に銅テープを切ります。
銅テープが無ければ、リード線の中身などで代用します。


コイルの端子のうち1つくらいはグラウンドに接続すると思いますので、コイルの端子と底面の足をつなぐように銅テープを貼って半田付けします。


次にシールド用にアルミテープを10mm幅に切ります。


銅テープとアルミテープが十分に接触するように貼り付けてシールドケースが完成です。

リンクコイルを巻くときは、隣に巻きます。
同調コイルの巻き数が多い時は、テープを貼ってから重ねて巻くといいでしょう。
この例はて逓倍用の複同調用で少し離して巻いてあります。
真空管用のIFTみたいに同調コイルが2つM結合しています。


できたFCZ代用コイルを使って試作をしてみました。
6.6MHzのVFOで左からOSC、バッファ、3逓倍、2逓倍で40MHzまで来ました。
作ってみたかんじでは、トリマでの調整を含めて特に問題は無いようです。
巻き数ですが、低い周波数ではファエライトコアが無い分FCZコイルより多め、高い周波数ではコイル直径が大きい分少なめといったところでしょうか。
コアが無いのでトリマで調整することになります。
同調コイルは対角線に配置することで、トリマをコイル上面に配置できるので、省スペースとなります。
複同調コイルな回路構成や実装に合わせてコイルが作れるので、応用範囲が広そうですね。


課題は下記ですが、とりあえずFCZコイルの代用に使えそうです。
(1)同調コイルとリンクコイルの結合度は適切か?
(2)シールドが十分か?

最後に1個あたりの原価です。
虫ピンが意外と高いですが、タダみたいなものですね。
手間賃はプライスレスですので、暇な時に内職してください。

木片2個   28銭x2=56銭
虫ピン8本  21銭x8=168銭
UWE線   適宜
アルミテープ 適宜
銅テープ   適宜
手間賃    プライスレス
合計     2円24銭

FCZ代用コイルの製作 その1

2012-01-08 | 無線機
久々の更新になりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

無線機の自作にはFCZコイルが欠かせませんが、残念ながら製造中止となってしまいました。
FCZコイルの代わりはジャンルのコイルボビンを巻きなおすのが定番ですが、ジャンクに頼らずに何とかならないものかと、検討してみました。

インダクタンスが小さい場合やゲルマラジオなどでスペースに余裕がある場合は空芯コイルでもいいのですが、サイズ的にFCZコイルの代わりにはなりません。
そこで、コイルの巻き枠として木を試してみましたが、それなりに使えそうなので、作り方を紹介します。

用意するものは100円ショップで売っているMDFという板です。
100mmx100mmx6mmが6枚入っています。


この板を11mm角に切断します。
板の切断には、プロクソン ミニサーキュラソウテーブルを使いました。
基板用のカッターが別売されているので、買っておくと基板の切断もできて便利です。
1枚の板から64個取れました。単価は28銭です。


コイルには足が必要ですが、錫メッキ線などでは強度が足りません。
半田付けができて、釘のように先端が尖っていて、適当な太さで、強度があって、安いもので探したところ、100円ショップで虫ピンをみつけました。
約500本入っているので、単価は20銭です。


この虫ピンを先ほど切った木片に刺すのですが、長さを統一するために、木片に深さ9mmの穴を開けてたツールを作って、ニッパーで切ります。


飛び散らないように磁石の上で切ります。


板に釘を打つ要領でコイルの足を植えていくのですが、小さいので虫ピンを支えるツールを使います。
ツールは木片に虫ピンが通る穴を開けておきます。
穴の間隔は穴あき基板を使って、穴あき基板でも使えるようにしておきます。


このツールと木片を重ねて、先ほど切った虫ピンをトンカチで打ち込みます。
4本植えました。



小さなちゃぶ台が2つできたら、ボンドで貼り合わせます。


テープを巻いたらコイルらしくなりました。
左側がコイルの端子で、通常はリンクコイルがあるので4本ですが、写真の例はリンクコイル無しのコイルです。
右側が基板に固定するための足で4本ありますが、20銭を節約して3本足でもいいでしょう。
穴あき基板での使用や、基板に接着するのであれば、足は不要です。


次回はこの巻き枠にコイルを巻いてみます。