JJ1WKN Log

自作や移動運用関連のログです。

29MHz FM トランシーバーの製作 その6

2020-04-20 | 無線機
その6です。

1Wを超えるエリアは正確なパワー計が無いので測定できませんでしたが、10W対応の10dBATTを製作して測定したところ、これも振り切れ、100W対応ダミーロード+SWR計で測定したところ25Wと出ました。
10mW入力で2W出力の設計だったのですが、入力を測定したところ70mWと大き過ぎたようです。
リニアアンプなので、ドライブ電流を下げてみましたが、少ししか変わらず。
2SC2092のPcは12Wなので完全に許容範囲を超えています。
入力を下げて、ドライバーのゲインも下げるべきではありますが、意外とドライバーのゲインがあるのでC級アンプでテストしたところ、出力3Wといい感じになったので、とりあえずこの回路に決定しました。

ファイナルのUPです。ドライバーはオリジナルのママです。


ケースに戻して、配線し直しました。
穴あけはサボリましたが、スピーカーを貼り付けました。


ちなみに10Wから1WにするATTの抵抗の耐電力は? 計算が面倒そうですね。

パイ型のATTとして入力側の50Ω10Wの抵抗の電圧は22.4v、出力側の50Ω1Wの抵抗の電圧は7.14v。
これはP=IE=ExE/R=E^2/Rで計算できます。
入力側でGndで落ちている抵抗には22.4v、中間の抵抗にかかる電圧は22.4-7.1v、出力側でGndで落ちている抵抗には7.1v。
抵抗値は既知なので、消費電力が求まります。計算すると入力側から約5W、3W、1Wでした。
消費電力から適当な余裕をもたせて耐電力を決めますが、測定時間が短ければギリギリでもいいでしょう。
速算するなら、「最低でも(10-1)/2=4.5Wの抵抗で構成すべし」ということになります。

29MHz FM トランシーバーの製作 その5

2020-04-16 | 無線機
その5です。

リニアアンプを追加しました。
入力30mWで2SC2092を使用して2Wを目標に当初C級アンプの実験をしたのですが、かなりのドライブ電力を入れる必要があるようなので、リニアアンプに変更しました。
回路はCYTECさんの2W広帯域パワーアンプの回路を参考にしました。
ドライバは2SC1383、ファイナルは2SC2092を使用しています。

RF基板の全貌です。
はがきケースに押し込むため、一部レイアウトを変更しました。
一番上の横一列が送信基板で左がマイクアンプで下の横一列がリニアアンプで、右端が入力でで放熱器がファイナルです。
右側の縦一列がLPF、リレー、受信基板です。


リニアアンプのアップです。


送信部+リニアアンプのアップです。


正確な出力は測定できていませんが、2Wのパワー計が振り切れたので、それなりに増幅できているようです。

29MHz FM トランシーバーの製作 その4

2020-04-10 | 無線機
その4です。

ケースに入れました。

ANTはMコネでとりあえず、130cm長のヘリカルホイップを付けてみました。


葉書ケースに入れましたが、電池とロッドアンテナを内蔵するスペースがありません。
黄色い小さな物体はコンデンサマイクとPTTSWです。


上面はANT端子とSWボードです。



側面です。OLEDはケース内に取り付けました。



中身です。


エレキー機能はまだ実装していませんが、4つのメッセージがプログラムしてあり、F2A形式(FM-CW)でCW送信できるようになっています。

29MHz FM トランシーバーの製作 その3

2020-04-07 | 無線機
その3です。

ソフトも含めて全部のコンポーネントが揃ったので、接続してテスト中です。
とりあえず葉書ケースに入れる予定なので、ロッドアンテナと電池の内蔵は見送りました。
SW付き2軸のVRをジャンク箱から発掘したので使用していますが、対応するツマミがありませんので圧着端子とピンソケットのピンで代用しています。


送受信の切り替えは、無難にリレーでアンテナと電源を切り替えるようにしました。


29MHz FM トランシーバーの製作 その2

2020-03-30 | 無線機
その2です。

CPUとSi5351Aを実装しました。
画面は128x64dotのOLEDにしました。

画面例です。
1桁目はVFOの種別を示し、VFO-A~DのA~DとメインCHのMが表示されます。
2~4桁は周波数のkHz台で000~300が20kHzステップで表示されます。
5桁目は送信/受信の表示でT/Rで表示されます。
2行目はまだ実装していませんがSメーターでS1~S9、以降は123456で10~60dBを表示します。
この例ではメインCHの29.300MHzを受信しており、Sメーターはダミー表示ですが、S9を示しています。


操作はすべてSWで行い、[A]~[D]のSWを押すと選択されたVFOに制御が移ります。
VFO-Aです。初期値は29.280MHzです。

[U]、[D]のSWを押すと20kHzステップでCHが上下します。

[D]を押してVFO-Aが29.260MHzになりました。


VFO-Bです。初期値は29.260MHzです。


VFO-Cです。初期値は29.240MHzです。


VFO-Dです。初期値は29.220MHzです。


[M]を押すとメインCHに移ります。
メインCHの周波数は変更できません。

29MHz FM トランシーバーの製作 その1

2020-03-21 | 無線機
「プロジェクト59」ブログの「デカテン2号機」を参考にして29MHz FM トランシーバーを製作しています。

ブロック図です。
周波数構成は同じですが、受信用のFM復調ICはいにしえのIC-2Nなどで採用されたMC3357を使用しています。


受信部の一部とファイナルを除く送信部まで製作が進みました。
マイクアンプとMC3357周りは穴開き基板にしましたが、RF関連は空中配線にしました。
今回はデカハンディを目指していますので、コイルを密集させて実装してみました。

送信部側です。
左側がマイクアンプと変調回路、10.7MHzの水晶、混合回路、フィルターとポストアンプです。
受信部のテスト用に送信部の出力にダミーを接続し、受信部で受信しているところです。



受信部側です。
左からANT回路、混合回路、10.7MHzXF、IFアンプで、MC3357/CPU基板のIF入力へと続きます。
SMAコネクタはテスト用にSGから局発信号を入力するためのコネクタです。



両面基板の両面に送信部と受信部を配置しました。



MC3357/CPU基板です。受信部のSメーター回路とArduino、Si5351Aは未実装です。


基板の空きスペースにはArduino用の3.3v電源とArduinoを実装します。
表示はOLEDでケースに実装、制御はSWのみの予定です。
その後制御ソフトの開発を開始します。




Sipeed Longan Nano のテスト その8

2020-01-16 | 無線機
その8です。

テストボードを使用してuBITXの制御機能を開発していますが、GUIとトランシーバーとしての主要機能の開発が終わりました。
Si5351aはまだ実装していませんが、制御処理は実装済なので、今後テストを開始します。

基板上は、SWは左から[S1(Step)][S2(Rit)][S3(A/B)][S4(A=B)][S5(Cw)][S6(Rit0/Ex)][Ptt]、
[Ptt]の下にエレキーの送信速度調整用VRがあります。
[S1]の下にサイドトーン用のピエゾスピーカーがありますが、実際はuBITXのサイドトーンはAFアンプに入力されます。

基板外は、制御装置はパドルと、ロータリーエンコーダーです。


一連の操作方法を示します。

LCDディスプレイの表示内容です。

1行目:Sメーターですが画面はダミー表示で、無線機側に機能を実装していないので今後サポート予定です。
ちなみに表示例はS9を示しており、S1の場合は左の1桁目に1が表示されます。
S9以上は10dB単位で10~40dBまで1~4で表示されます。

2行目:VFO-Aの周波数です。送信と周波数変更などの制御ができるのはVFO-Aだけです。
ロータリーエンコーダーを回すと、設定されたVFO-AのStep周波数で周波数が上下します。

3行目:VFO-AのStep周波数(Step 1k)、VFO-Aのモード(USB)、送受信状態(RX)です。

4行目:VFO-AのRit周波数(Rit + 0)、設定モード表示エリア(set STEP)です。

5行目:VFO-Bの周波数です。VFO-B用のStep周波数、Rit周波数、モードはVFO-Aとは独立して存在しますが、表示されるのはVFO-A用だけです。



[S1(Step)]を押すとStep周波数変更モードになり、現状のStep周波数が4行目に「set STEP」が赤色で表示されます。
Step周波数は10Hz、100Hz、1kHz、5kHz、10kHz、100kHz、500kHzをサポートしており、ロータリーエンコーダーを回すと、Step周波数が上下します。


Step周波数を100kHzに変更しました。


再度[S1(Step)]を押すとStep周波数の変更モードは解除され、VFO-A周波数が設定したStep周波数単位に切り上げられます。
ジェネカバ受信を意識して今の所周波数の制限は設けてありませんが、将来的にはバンド制御をしてバンド毎にVFO-A/Bを設けるかもしれません。
例えば、7MHz帯、Rx7-10、10MHz帯、Rx10-13、・・・など、アマチュア無線バンド1、受信バンド1、アマチュア無線バンド2、・・・にして、各バンドにVFO-A/Bがあると使いやすそうです。
アマチュア無線バンドを外れると受信専用バンドというトランシーバーはありますが、直感的ではないので、周波数順にバンドが変わってほしいところです。操作説明から願望モードに寄り道してしまいました。


[S2(Rit)]を押すと同様にRit周波数の設定です。10Hz単位で上下990Hzの可変ができます。
Ritの場合は設定中でも受信周波数が変化します。


画面は+80Hzに設定中です。


再度[S2(Rit)]を押すと、Rit周波数設定モードは解除されます。


[S6(Rit0)]を押すと、Rit周波数は0Hzになります。


[S3(A/B)]を押すとVFO-AとVFO-Bの周波数、Step周波数、Rit周波数、モードが入れ替わります。


[S4(A=B)]を押すとVFO-AとVFO-Bの設定は同じになり、VFO-Bの各設定値はVFO-Aと同じになります。


[S5(Cw)]を押すとCWモードになり、エレキーが動作するようになります。


再度[S5(Cw)]を押すとメモリー送信モードになり、5つのメモリー内容が表示されます。
メモリー内容はElekinoSdと同様にSdカードに書き込んだ電文テキストファイルから起動時に読み込まれます。


[S1]~[S5]を押すと設定された電文が送信されます。
[S1]を押したところです。1文字づつ送信した文字が表示されます。


送信が終了すると再度5つのメモリー内容が表示されます。


[S6(Rit0/Ex)]を押すとメモリー送信モードは終了して周波数に応じてLSB/USBモードになります。


LSB/USBモードで[Ptt]を押すと、TX表示になり送信状態になります。


前後しましたが、Sメーター表示はダミーなので、とりあえずタイトル表示に変更しました。


回路図です。
LPFはボード上のLEDとパラに接続したので、オリジナルとは論理が逆になっています。


uBITXの製作 その5

2019-10-27 | 無線機
その5です。

 全体的なテストをしました。

 Si5351Aから3つの信号が出ていますが、接近しているので12MHzのキャリアが混入しており、目的の周波数を含む色々な信号が合成されているので至近距離で受信すると気になります。
 そこで12MHzを扱う変調・復調、クリスタルフィルター、アンプを一つの基板にまとめました。


 45MHzの第1IFへの変換と12MHzの第2への変換、送信用のパワーアンプのPA1、PA2、PA3で、終段の手前まで実装しました。
 12MHzのキャリアが他のクロックに混入しているので、12MHzのトラップを追加してみました。
 出力はCWで150mW@7MHz程まで出ました。


 全体写真です。
 
 受信は周波数による自動LSB/USB設定で、送信時は自動的にSSBとCWが切り替わります。
 PTTを押すとSSBで送信、パドルを操作するとエレキーによるCWでの送信となり、常時動作しているAFアンプにCW時はサイドトーンが注入され、SSB時はミュートされます。
 マイクはダイソーで買ったおもちゃのマイクにコンデンサマイクを仕込んだもので、元々付いていたSWはPTTとして機能しています。

uBITXの製作 その4

2019-10-26 | 無線機
その4です。

nanoVNAを入手したので、uBITXの12MHzクリスタルフィルターを測定してみました。
キャリア周波数をスキャンしながらバワー計で測定したときのバンド幅は3kHzくらいかと思っていましたが、結構裾野が広がっていました。



キャリアポイントは受信して音を聞いたところ、11996kHzでしたがこのグラフからは11995kHzあたりでしょうか。

nanoVNA本体です。



uBITXの製作 その3

2019-10-08 | 無線機
その3です。

 変調・復調基板を合体してテストを開始しました。


 uBITXではSi5351A自体が生成する信号の周波数、45MHzクリスタルフィルターのピーク周波数、12MHzクリスタルフィルターのピーク周波数を設定する必要がありますが、どれ一つとして正確なものはありません。
 各クリスタルフィルターの周波数は大体分かっていますが、少なくともkHzオーダーで合っていないと、各信号が全く通らない状況になります。

 先ずはSi5351A自体のキャリブレーションですが、基準になる正確な機器が無いので、とりあえず最近買った無線機の周波数が正しいとして、この無線機の周波数を基準としました。
 手持ちのSGと周波数カウンターの周波数を比較してみましたが、どちらも数10Hzの差でしたので、それなりに信じても良さそうです。
 uBITXにはSi5351A自体のキャリブレーション機能がありますが、操作するのが面倒なので、ソフトウェアを書き換えて明示的に設定することにしました。
 スケッチのコメントにあるようにSi5351Aに10MHzを設定した信号が、10.001MHzと測定された場合、キャリブレーション値は、下記となるので10MHzの信号を先の無線機で受信して設定しました。
  cal=875MHz*10.001/10.000
 これでとりあえずSi5351Aのキャリブレーションができました。周波数が10MHzから離れるとキャリブレーション値は異なるようですが、今後の課題として深追いしないことにしました。
 次は45MHzクリスタルフィルターのピーク周波数ですが、Si5351Aで45MHz付近の信号を生成して、ピーク周波数を測定しました。
 最後に12MHzクリスタルフィルターのピーク周波数です。これも同様にSi5351Aで12MHz付近の信号を生成して、ピーク周波数を測定しました。12MHzの信号は変調/復調時のキャリア周波数なので、クリスタルフィルターのピーク周波数というよりも、USBなのでフィルターの立ち上がり周波数付近に設定するべきですが、とりあえずこの値で設定しました。
 uBITXはキャリア周波数も設定する機能がありますが、ソフトウェアを書き換えて明示的に設定することにしました。

 先ずは受信からとSGで7MHzのキャリアを発生させて受信してみたところ何も聞こえなかったので上記の周波数設定をしたところ、受信はできるようになりました。