JJ1WKN Log

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FCZ代用コイル使用50MHzAM送受信機の製作 その7

2012-02-18 | 盆回
その7です。

バリキャップでの周波数の設定にはVRにバーニアダイヤルダイヤルを付けるか、ダイアル付のポテンショVRを使用するのですが、今回はジャンクの40回転VRを使います。
1回転分の目盛は付けるとしても、何回目か数えておかないといけません。
周波数表示は周波数カウンタという手もありますが、送受信のVFOが別々で6倍しないといけないので、今回は見送りました。

そこで周波数表示はバリキャップに加えた電圧をメーターで表示することにしました。
使用するメーターは勿論ジャンクのラジケーターです。
ラジケーターは正規の電流計とは異なり、電流に対する針の振れ角度がリニアではありません。
今回使用したラジケーターの特性です。


写真は、安定化電源用の簡易な電圧計として校正したラジケーターですが、10Vを超えたあたりから1V当たりの振れ角度が小さくなってきます。
ラジケーターに抵抗を入れてフルスケールを設定しただけだとこんなかんじで、必要の無い低電圧の部分の振れ角度が大きいので有効に活用できません。
この電圧計の場合はせめて5V~15Vの電圧計として使いたいものです。
電流がそれなりに(mAオーダー)流せる場合は、抵抗で分圧すればいいのですが、今回は周波数の設定VRは 5V/50kΩで 100uA しか流れていないので、ラジケーターを駆動するには無理があります。




そこでトランジスタで増幅してラジケーターを駆動することにしました。
使用するラジケーターとトランジスタのデータを Fig.1 の回路で測定します。

R1 を可変させてラジケーターをフルスケールになるように設定します。
このときの Ic を測定して IcH とします。Vcc=5.0V、IcH=165uA でした。
次に Vbe を求めるために Vb を測定します。Vbe=Vb-Ve=Vb で Vbe=0.58V でした。
hFEを求めるためにR1を回路から外して測定します。R1=4.43MΩでした。
Vcc-Vb=Ib*R1 から Ib を求めます。
Ib=(5.0-0.58)/4.34e6=1.0184uA
Ib*hFE=IcH から hFE=165/1.0184=162

Fig.2 がラジケーターの駆動回路です。
8.4MHzVFO のバリキャップの電圧を測定したところ 2~5V なのでこの範囲で動作するように設定します。
R1 と R2 で分圧した電圧をエミッタに接続して下駄を履かせているだけです。
この電圧+Vbe を超えると Ic が流れ出し、5V でフルスケールになるように R3 を決めます。
ここで前提となる値を整理しておきます。
Vcc=5.0V Vbe=0.58V hFE=162 IcH=165uA IcL=0uA VH=5.0V VL=2.0V
Ib は Ic と比較して十分に小さいので、Ie=Ic+Ib≒Ic とします。

この回路の R1、R2、R3を決定していきます。

VL=2.0V のとき IcL=0uA で電流は流れませんので VR3=0V で Vb=VL となります。
Ve=Vb-Vbe=2.0-0.58=1.42V
Ve=1.42V となるように R1 と R2 で分圧します。

ここで R2 にはラジケーターのフルスケール時の電流 IcH が合流するので、IcH の10倍程度の電流を流しておくことにします。
IcH=165uA なので 2mA くらいに設定します。
R1+R2=Vcc/IR1=5.0/2e-3=2500Ω
R2=(R1+R2)*Ve=2500*1.42/5.0=710Ω
R1=R1+R2-R2=2500-710=1790Ω
半端な値なので、R1=1.8kΩ、R2=680Ωとします。
R1 と R2 が決まったので IR1 を計算し直しておきます。
IR1=Vcc/(R1+R2)=5.0/(1800+680)=2016uA

VH=5.0V のとき IcH=165uA です。
IR2=IR1+IcH=2016+165=2181uA
Ve=IR2*R2=2181*680=1.483V
Vb=Ve+Vbe=1.483+0.58=2.063V
Ib を hFE から求めます。
Ib*hFE=IcH から Ib=IcH/hFE=165/162=1.1085uA

VH-Vb=Ib*R3 から R3=(VH-Vb)/Ib=(5.0-2.063)/1.0185e-6=2.88MΩ=2.2MΩ+680kΩ
R3 は2本の抵抗でピッタリです。決定した回路図です。


このようにすればジャンクのラジケーターの利用価値が高まります。
フルスケールに近いところは目盛が詰まってくるのは変わらないので、フルスケールを 140uA くらいに設定すればいいでしょう。
実際はこの特性にバリキャップの特性が加わりますので、周波数で校正してみて、周波数の範囲やラジケーターの使用範囲を決めたいと思います。

ラジケーターの裏に配線しました。
フルスケールは 140uA に設定して周波数で校正してみました。
予想に反して周波数が高い方が広がっていました。
実際のフルスケールはもう少し左側にありますが、良く使用する周波数の範囲が中央に配置できたので、これでOKとします。

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