年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

里の秋(下)

2006-12-21 | フォトエッセイ&短歌
この季節になると『どじょっこ ふなっこ』(東北地方のわらべうた)を懐かしく想う。パステル画で描いたマンガチックなアニメの世界なのだが、しみじみとした素朴な自然の奥深さと大きさを感じさせる不思議な詞とメロディーである。
<♪♪秋になれば 木の葉こ落ちて/どじょっこだの ふなっこだの/舟こ来たなと思うべナ~> <♪♪冬になれば 氷こも張って/どじょっこだの ふなっこだの/天井こ張ったと思うべナ~>
詞の中に「こ」が散りばめられているが、こんなにも使うのだろうか……東北弁では使うんですネ……「牛の子」(べここのこっこ)

池に浮かぶ枯葉を動かせば小さな生き物たちが面食らって一斉に動き出すのが普通であったし、その様は滑稽であり微笑ましいものであった。開発が進み水面に紅葉が浮くような環境が激減していく同じ時期、農薬が無制限に投下され、化学薬品が垂れ流された。ドジョウもフナも、ザリガニもホタルも死滅した。「メダカの学校」が廃校になって久しい。ヒトサマだけが健全であるわけがなく心と身体の呻吟が始まっている。


既に師走も中旬「里の秋」というのには遅れ気味だが、体感的・ロケーション的には晩秋の県立三ツ池公園である。江戸時代にかんがい用水池として谷戸田の奥に造られた溜め池を利用して計画された緑と池の公園である。戦後30年頃までは田園地帯が広がっていたが市街化が進み公園の一角だけがその里山の面影を残している。
丘陵の自然の起伏を活かしているので横浜近郊の谷戸村の屋敷と田んぼの景観が忍ばれる。約40品種、1000本のサクラが楽しめることから「桜の名所100選」に選ばれている。水鳥の波紋に冬桜が影を落としていたが、爛漫のサクラとはまた違った風情である。
<横浜市鶴見区三ツ池公園>



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