年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

檜原.山里の幸

2009-06-10 | フォトエッセイ&短歌

 五日市駅から檜原街道を進むと本宿に至る。本宿は檜原村の中心地で村役場があり、山奥からの路も川もここで合流している。街道の要であったのだ。江戸時代に間道の往来を監視する口留番所(くちどめばんしょ)が置かれた。旅人や荷物の出入りを検査するために設けられた見張り所で関所ではない。
 諸大名は他藩との軍事・政治的緊張に備えて藩境に口留番所を設けたが、実際には領民の他領逃亡の防止や一揆鎮撫(いっきちんぶ)など領民支配に重要な役割を果たした。

<バス停「本宿役場前」に当時の遺構を再現した番所の木戸が復元されている>

 数馬の祖、中村氏が氏神として武運長久のために祀った九頭竜神社がある。身を清めてから神社に祈願したのであろうか、近くに九頭竜の滝がある。南秋川本流に掛かる落差10Mほどの階段状の滝である。木漏れ日の光を映して飛沫をあげて流れ下る滝を守る注連縄が揺れている。


<しばし眼を閉じて瀬音と緑の風のハーモニーに耳を傾ける。久遠の響きである>

 檜原は渓谷の山里である。渓流を利用したワサビなど多くの山菜が収穫される。鳥たちもさえずり大きな水車が休む間もなく回り続けている。
 築400年という座敷でウド・タラの芽・ツクシを肴に地酒の杯を傾ける。

<自然の味を生かす十数種の山菜が並ぶ。ウナギの薄造りも…初めての珍味>



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