年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

どうせ 先生は聞いてくれない

2016-03-14 | 俳句&和歌
◇◇◇      どうせ 先生は聞いてくれない
 
  広島県安芸郡の府中町立府中緑ヶ丘中学校の男子生徒が12月8日に亡くなり、翌日全校集会が開かれ「急性心不全で急死」と説明された。それから3ケ月も経ってから学校の誤った「進路指導が原因の自殺」と報じられた。真相が闇に葬られる寸前であった事に驚いたが、自殺の原因とされる「指導なる」ものには耳を疑った。
  生徒が私立高校への専願受験を希望したところ、担任から万引の非行歴があるので「推薦は出来ない」と廊下の立ち話で言われたという。万引は学校側の記録誤記、ミスはその場で指摘されたが訂正が為されず、2年後の進路指導にその資料が機械的に使用されたという事である。
  担任教諭の責任を追求する過激な報道が続いているが、どうも学校全体の生徒指導の構造的問題のようでもある。一体どのような「指導」があったのか。何も無かったとしか言いようがない。
  生徒の万引があった場合、万引にいたる生活の点検やその背景を明らかにして、自分と向き合わせて反省を迫るのが生活指導ではないのか。反省し学校生活に問題がなければ、人間的に一歩成長した事になり、万引きはリセットされる。それが指導というものだろう。
  そういう一切の指導をしないで一年時の万引資料を持ち出して非行歴を理由に「推薦不可の進路指導」を行ったのだ。
  取り返しのつかない失態である。「どうせ言っても先生は聞いてくれない」という少年の言葉が寒々と響いて来る。
 
 
 
 
  老梅の耐えこらえいる絵馬重し「願・合格」の重ね重ね着
 
  廃校の運動場のあの辺り朝礼台は胸中にあり
 
  是非もなし 想像力のなき友にこまごま伝え諍いになる



 

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