年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

陽に揺れる紫陽花寺

2007-06-18 | フォトエッセイ&短歌
 梅雨前線が北上せず梅雨入り宣言が遅れるからと何もヤキモキする事はないのに大きなニュースになる。四季折々の自然の節目と一年間の暮らしを重ね合わせて生きてきた稲作文化を基調としする日本人の感性かもしれない。
 その遅れ気味の梅雨入りが叶った翌日から夏日が続き、北海道では軒並み30度を記録した。さっそく空梅雨で水不足が懸念させはじめたり、異常豪雨の警戒を心配させたりと天気予報士のコメントも大変である。天候不順の春と秋、それに梅雨時期が天気予報士受難の季節と言われ当たるも八卦・当たらぬ八卦で正解の確立を競っている。
 天気図が作成されたのが1883(明治17)年、翌年の6月1日から天気予報が発表されるようになった。6月1日が気象記念日の所以である。『全国一般風ノ向キハ定リナシ天気ハ変リ易シ』こんな具合に「お雇い外国人クニッピング」が出して日本人が訳したとか。


 梅雨といえばアジサイ(紫陽花)。しとしと降る雨の中で水滴を葉に転がしながら幽かに揺れ動く容姿は艶やかである。日本の青酸色のガクアジサイが原種で一度ヨーロッパに渡って華麗な西洋アジサイとなって再上陸したという事だ。
 とにかくアジサイ寺を訪ねてみよう。鎌倉の明月院が有名だが、拝観料の割には紫陽花の株より頭数が多く風情も静寂もなく不人気。
 近場のアジサイ寺に決める。多摩川を眼下に見下ろす長尾丘陵の一角にある天台宗妙楽寺、長尾の里のアジサイ寺として親しまれている。
 寺宝の木造薬師如来両脇侍像(やくしによらいりょうわきじぞう)(市重要歴史記念物)の修理のさい、日光菩薩像の胎内から天文14年(1545)の紀年と、「武州立花郡太田郷長尾山 威光寺(吾妻鏡に登場する源家累代の祈祷所(きとうじょ)」から威光寺の一坊であったとも推定される。


 アジサイは夏日の陽光に七変化の面影もなく些かくたびれた風情で揺らいでいた。青、白、ピンク、紫、赤に緑……花の色は土壌によって移りけりな。土壌が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなる。花言葉は「移り気」とか          <妙楽寺:JR南武線久地駅より 徒歩20分>
       


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