◇◇◇ 無花果の花
ランチ会のデザートはイチジクのワイン煮である。イチジクを漢字で書けるか、N得意の挑戦に透かさず対応したものだ。花が咲かないのに実をつける果物で「無花果」だろうとテーブルに書いた。Nはニヤリとして漢字は○だけど正解には出来ないという。
ホークでイチジクのブツブツを開き「これはイチジクの花です。花が無いどころか、1500個位はある」という。江戸時代の初期、ペルシャから中国シルクロードを経て、長崎に伝わったもの。オウ~そうなのか!
Nの博識には適わない。伝来当時、蓬莱柿(ほうらいし)・南蛮柿(なんばんがき)・唐柿(とうがき)などと、如何にも異国の果物というエキゾチックな名称で呼ばれていたという。
中学生の頃に教科書か何かで「アダムとイブ」の絵画を見た。「善悪の知識の木」、禁断の果実であるリンゴを食べてしまったアダムとイブは、自分の裸に羞恥心を抱きイチジクの葉で体の一部を覆ったとあった。あのイチジクの葉をどうやって着けたのか、落下する事はなかったのか、そこが問題だ。悩み深き年頃であった。
旬を迎えるイチジク、ペルシャに想いを馳せる蓬莱柿、無花果は自然の甘味・香り・舌触りと生食に限る。
検査結果「数値出るまで お時間を」本を開くも活字が逃げる
心地よきリップサービスと知りつつも案外この人目が利くのかと
無花果の波斯の隠微な甘味あり
蝉の音も余炎も流す細雨かな
※波斯(はし)=ペルシアの漢字表現
※隠微(いんび)=外に現れず、わかりにくいこと
※細雨(さいう)=細かい雨、小糠雨
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