◇◇◇ 美白効果も
深まる時雨に見舞われ鶴見川の土手も緑を失い、冬枯れの様子を見せ始める。そんな風景の中で黄色い泡を盛り上げるようにセイタカアワダチソウが悠然と揺れている。繁殖力が強く雑草の女王の風格で秋を彩る風物詩でもある。
ところが、アメリカ原産で日本の侵略的外来種(日本生態学会)という恐ろしげな雑草に指定され、加えて、気管支喘息や花粉症の元凶だと云われたのだから、何ともイメージが良くない。現在では花粉症犯人説の疑いは晴れたが、刷り込まれた風評は消えない。
侵略的外来種!とは大仰な。実は明治の中頃「代萩」とも呼ばれるように切り花用の観賞植物、「萩」の代用として持ち込まれたのである。そして、泡立草茶といえば草木の癒しレシピとしてのみならず、アトピー、喘息、さめ肌など、浄血を助け、細胞に活力をつける薬効、とりわけ発ガン抑制作用にメラニン形成阻害(肌の美白効果)とくれば泡立草権現様である。
更に面白い事に、泡立草は周囲の植物の成長を抑える化学物質を出して大繁殖するのであるが、やがてその化学物質によって自らの繁殖をも抑えてしまうという。侵略は極めて限定的なのだ。
侵略の泡立草に反撃す ススキ戦線陣地を進める
ガード下ブルーテントを抱え込み背高泡立草群れて咲く
朝焼けに泡立草が馥郁と
里の道ススキと競う泡立草
※背高泡立草(セイタカアワダチソウ)=外来生物法は要注意外来生物に指定している
※化学物質=根から生長を抑えるシスデヒドロマトリカリアエステルを放出
※馥郁(ふくいく)=気品のあるさまにもいう