年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

秋立つや

2007-08-15 | フォトエッセイ&短歌
 まだかまだかの「梅雨明け宣言」、別に宣言なんか無くてもいいけど…。でもこのままじゃ~稲作に影響するかも。なんて心配してたら、突如全国的に真夏日をマーク、その後は35度を超える猛暑酷暑の日々に壁壁とひたすらビールのお世話と成りにけり!何と今日は館林では40度を超えたとか。
 ウンだら何と何と<立秋のメール>が届けられたではないか。8月8日から秋だそうだ。
 『砂のような雲がさらさらと流れていた。その時ふいに、何処からともなく風が立った』「風立ちぬ」で堀辰雄は秋の訪れをこんな風に描いている。それからすでに1週間、今日は<終戦記念日>である。

    
    白堂翁の墨跡でしゃきっとしてみよう。  立秋
    初候 涼風至る   次候 ひぐらし鳴く   末候 濃霧昇降す 
        秋立つや ほろりと落ちし 蝉の殻 (子規)
 翁は墨痕の後にこんなコメントを記している。
<“重い夏”がやってきました。62年目の原爆忌、終戦の日を迎えます。45年7月2日夜、焼夷弾爆撃をかいくぐって後ろの眉山に避難し、明けて朝、焼け落ちた本堂のがれきの上をネズミが這っていた情景を思い出します>
 焼けた残骸にネズミとは面白いですネ。仲間でも探しに来たのでしょうか。私のは“軽い夏”だった。空襲警報が鳴ると防空壕に駆け込むのだが、隣家と共有だったもんで子供が5,6人も揃うから楽しくて面白くて、ランプのユラユラ炎で何とも雰囲気を出してくれたものだ。



 新聞各紙に厚生労働省が「本日は戦没者を追悼し平和を祈念する日です。正午から1分間の黙祷をお願いします]の広報を出してます。“ソンナ事アンタニイワレタクネーヨ、なんて不遜な事言ってはダメです”そして、戦没者追悼式では岸信介のお孫さんが役人の書いた原稿を一生懸命に額に汗して読んでました<戦争の反省を踏まえ、不戦の誓いを堅持し世界各国との友好関係を発展させ国際社会の先頭に立ち世界恒久平和の確立に積極的に貢献していくことを誓います…>いいですね。 日本国憲法の前文を彷彿させるようで感動です。「戦後レジームからの脱却」とか言って、憲法改悪手続き法案をごり押しし、南京大虐殺も集団自決の強要も無かったし、米下院の従軍慰安婦謝罪決議もなんのその防衛省を創設したら、原爆投下もしょうがなかったとお友達大臣。こりゃ冷や汗も出るわナ。
 62年前の8月15日も抜けるような青空だったという。戦闘機の飛ばない青空は本当に美しい。アシに秋も感じる…朕ハ時運ノ趣ク所、堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以て万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス…